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零戦について3点ほど教えてください。 1.木曜の毎日の夕刊に、「あの場所に行きたい」記事がありその左上に編隊飛行する斑迷彩の零戦の小さな写真がありますが、このような迷彩の零戦はかなりあったのでしょうか。 2.8月14日のNHK教育で放送された番組で、零戦の開発スタッフの開発メモに基ずく零戦の弱点を指摘する内容でしたが、一号零戦から二号零戦に変更されたとき、エンジンが長くなったので胴体内タンクの容量を減らさなければならなくて航続距離が減ったそうですが、長くなった分全長を伸ばしたらいけなかったのでしょうか。 3.同じく翼端を角型に変えたため乱流が発生して航続距離を縮めてしまったそうですが、F4FやF6Fにも逆のことがいえるのでしょうか。 K.M |
- 1について。
南東方面の戦況に鑑み、18年の春から三菱、中島ともに工場で完成する零戦に上面ベタ塗り迷彩を施すようになります。その頃には、ラバウル、ソロモンに展開する諸部隊の零戦も、現地で上面ベタ塗り迷彩が施されるようになっていました。18年4月には空母部隊の零戦も南東方面陸上基地の戦闘に加わります(い号作戦)。この時、それまで全面灰色だった艦隊の零戦にも迷彩が施されましたが、これは斑迷彩でした。塗料の支給量の問題があったのかもしれません。また、陸上基地部隊の零戦の一部にも、斑、網目模様などの迷彩機が存在していたようでもあります。
片
- 2について。
一号零戦から二号零戦への設計変更は、二一型までの胴体最前端に防火壁として位置していた0番隔壁を省略し、1番隔壁を防火壁にすることでした。その分、胴体が短くなっています。
胴体の隔壁番号は、通常の各機種では、最も機首に位置する防火壁を「1番」として付番するルールになっています。零戦二一型までの防火壁が「0番隔壁」であるのは異例なことです。このことに基づいて想像するに、零戦の胴体はそもそも栄二一型相当の発動機を装備するためのものであり、全長の短い瑞星、栄一二型を載せるために仮に0番隔壁が増設してあっただけなのではないか、ということが出来ます。いわば、二号零戦になって零戦は本来の設計された姿に戻った、ということなのではないかと思うのです。
また、二号零戦では、それでも重心位置が一号戦に比べていくらか前に出ています。機首を延長した場合、相応のバラストを尾部に積む必要があります。念のために申し上げますと、栄二一型は一二型に比べ90kgも重くなっています。
片
- 三二型の燃費に関しては二一型と比較した実測値が残っていますが、二速過給器付きの栄二一型を装備した三二型は高高度で効率良く巡航した場合、燃費はむしろ向上する傾向にあります。翼端形状が航続距離に顕著な影響を与えたと考えることはできません。そもそも二一型の正規状態と比較するならば三二型の航続距離は劣っていなかったのですから「二号零戦問題」と呼ばれる三二型の航続距離問題は機体の欠陥でも何でもありません。
BUN
- 番組は副主任 曽根嘉年氏のメモに基づいて欠陥部分を現代の科学で検討する構成になっていて、東大工学部で鈴木真二教授の下で検証実験が行われています。まず、最初の空中分解(尾翼マスバランスの疲労)16年4月の空中分解(主翼ねじれによるフラッター)これらの事故について現場に出張して事故についての状況や懸念をメモに残していました。開戦、17年5月の2号零戦の量産開始、ガダルカナルへと続くわけですが、ラバウルの零戦の40%が2号零戦のため充分に戦力を投入できませんでした。このとき、ラバウルより「致命的欠陥あり」との報告書が届き「極秘」の印がおしてありました。パイロット本田稔氏の証言もありました。曽根氏は翼端を切り落としたとき、未解決問題として翼端を丸にすべきと懸念をメモしていました。曽根氏は航続距離を比較したところ、1号は1400km、2号は1000kmとなり、燃費では76.5l/hから83.3l/hと悪くなっていました。それでメモに基づき東大で風洞実験を行ったところ、翼端に抵抗が観測されました。そして燃料タンク、防弾と続くわけです。エンジン、翼端形状は海軍の指定であったとしています。番組は東条輝夫氏、海軍戦闘機担当、高山氏、その他燃タン担当のスタッフ、パイロット、米軍調査官のテストパイロットなど登場人物はそれほど偏っていないと思います。メモといっても三菱のマークの入った分厚い表紙のもので、源田実少佐といった海軍担当者との会議メモや出張報告も残っていました。最終的に「2号零戦は航続力において若干劣る」と海軍省でも認めています。航空本部の片桐英吉中将は責任問題となりましたが、結局海軍大臣の温情で責任を問われることなく、未解決問題もその場しのぎの対策だけに終わったと番組では表現していました。長くなってしまいました。
K.M
- >4.
>曽根氏は航続距離を比較したところ、1号は1400km、2号は1000kmとなり、燃費では76.5l/hから83.3l/hと悪くなっていました。
それでメモに基づき東大で風洞実験を行ったところ、翼端に抵抗が観測されました。
燃費悪化=航続距離減少とは限りません。エンジン巡航燃費が 10% 悪化しても、巡航速度が 10% 向上していればトータルの航続距離は変わりませんよね?21 型と 32 型で巡航速度はどう変わったのか、また戦闘時出力における燃費はどう変わったのか、そこまで見なければこの数字だけでは殆ど無意味ではないでしょうか。
翼端抵抗(の増加?)が観測されたという事についても、それが及ぼす影響を定量的に推定できなければ「そういう事があった」という以上の意味を持ちません。ちなみに現代のジェット旅客機に付けられているウィングレットは翼端渦を減少させ抵抗を削減する効果がありますが、それによる航続距離延長効果は 6% 前後だそうです。
http://www.nasa.gov/lb/centers/dryden/about/Organizations/Technology/Facts/TF-2004-15-DFRC.html
何より、21 型は既に速度・上昇力・火力など多くの点について前線から戦訓に基づいた不満の声が寄せられており、「一日も早く新鋭機を」「一機でも多くの飛行機を」という矛盾した(しかし切実な)要求が殺到していたことを考慮に入れなければならないでしょう。
32 型がその場しのぎに過ぎないことは用兵者も設計者も充分承知の上で、しかしその時点において戦力化可能なベストに近い選択肢ではなかったのでしょうか。それが欠陥であり行政責任であったとするならば、他にどんな選択肢があり得たのでしょうか。
ささき
- 上にも書いたように「二号零戦問題」は戦術上の問題です。一号と二号の燃費比較は空技廠で度々実験されていて、それぞれの高度で両者がどれだけの燃料を消費するかを測定していますが、結果としては一号零戦の全開高度付近では二号零戦の燃費が若干上回る傾向があるものの、二号零戦は高度6000付近で一号零戦と同等以上の成績を示してます。このような結果は同じ系統の発動機を装備した陸軍の「隼」一型と二型の間でも計測されて各測定値が残っていますから、別段不思議な事ではありません。同量の燃料を搭載していれば一号零戦と二号零戦の航続距離はさほど違わないのです。
さらに一号零戦の正規状態は胴体タンクを満載にしません。これは一号零戦の胴体タンク容量に余裕があると見られていたことによります。二号零戦の燃料搭載量減少がこの当時の海軍中央から見のがされた最大の理由はここにあり、航空本部長の進退伺いにもそのような内容が述べられています。
母艦上での運用には十分な航続力がある訳ですし、そもそもラバウル〜ガダルカナル間のような過荷重状態での出撃が常態化するとは海軍中央も考えていなかったのです。「二号零戦問題」は厳しい長距離出撃を迫られた前線の陸上基地部隊である第十一航空艦隊が過荷重状態での航続力差を「欠陥」と批判したもので、重大事件ではあるものの、あくまで戦術上の椿事なのです。
曽根資料には上記の内容と矛盾する事は書かれていません。「二号零戦問題」発生直後の8月27日に開かれた「仮称零式二号艦上戦闘機実験促進会議」(堀越、曽根両氏と空技廠各部、中島社が出席)での三菱側提出の航続距離改善案は胴体銃の減少、胴体銃弾薬搭載量の減少、そして翼内増槽設置による燃料搭載量増加案が主体であって翼端形状を丸型にする、といった明確な提案はなされていません。翼端形状改善の提案はそれよりも緊急度の低い問題として9月4日に空技廠から承認図提出が求められていますが、曽根氏も8月から9月にかけて、翼端形状について特別な記述は残していません。
二号零戦が期待通りの性能を発揮しない問題については既に3月頃から改善策が官民合同で検討され、栄二一型発動機の不調や水メタノール噴射の採用検討など様々な改善案が出されています。二号零戦がどうも失敗作であるようだ、との感触は既に量産移行時には判明していたのです。(この時に挙げられた改善項目と兵装強化案はそのまま五二型以降の零戦につながっています。)曽根氏もそれを書き残していますが、ここでも翼端形状については何も述べられていません。確信を持って翼端形状の欠陥を主張したことは一度も無いのです。
零戦についてそれなりに資料に基づく考察とある程度の検証を行った番組そのものを批判する訳ではありませんが、派手な「欠陥」という言葉に眩惑されて、それがある局面に立たされた前線部隊からの報告であることや、その前後に同じように「欠陥」扱いされた機種にはどのようなものがあり、それはどのような問題であったか、という周囲を見渡す余裕を欠いていると思います。17年の夏には引く手あまただった二一型が翌年には同じ方面の部隊から全く見向きもされなくなった事などは曽根資料だけではわかりません。
また興味深い事に三菱提案の翼内増槽設置について被弾時に危険となる燃料タンクの面積が増える事を心配しているのは海軍側であったりします。これは曽根資料にも書き残されていますが、こういった事は番組の主張と異なるために省略されているのでしょう。貴重な資料であってもその読み方にかなり偏りがあるような印象を受けました。
BUN
- 3、スピットファイアの切断翼が通常翼に比べて航続性能に悪影響を及ぼしたという話はありませんし、P-47の長距離型であるP-47NはDまでの円形翼端を取り止めて角形にしていますので、翼端形状の相違はそれほど大きな影響を与えないと思われます。
大塚好古
- 番組では、航続距離の問題について海軍と堀越技師、曽根氏が協議を行っていくつかの提案をしています。そのうち7.7mm弾の数量を減らす提案には空戦性能を低下さすことは不可、翼端については原形にもどすと三菱側の提案をいれることなっています。翼内タンク増設に付いては全く逆の表現になっています。番組の制作者のスタンスが戦後の戦記雑誌によって広がった零戦神話を糾すためなのか、新事実(?)に基づく零戦の実態を表現したかったのか、戦後60年の節目の年に零戦を通して戦争というものを表現したかったのか、私にはわかりません。もし番組を見ておられないのでしたら、放送後まだ1週間くらいなのでお知り合いから録画を手にいれることができると思います。90分の結構長い番組なので人名、月日、見間違い、事実誤認があるといけませんのでこのくらいにさせてください。もし看過できないようなことがございましたら、NHKのほうにお願いいたします。
K.M
- 肝心な事を勘違いされているようですが、曽根資料は従来の零戦関係出版物の基本資料となっているものです。新資料ではありません。このお話はそのあたりから根本的におかしいのです。
BUN
- 当該番組は8/13放送のETVのようですね。
残念ながら再放送の予定はないようです。
http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2005/0813.html
>戦局打開の切り札として前線に投入された新型ゼロ戦は、
>燃料タンクの容量が満載状態で75リットルも少なく、
>航続距離が逆に1000キロも短くなっていた。
ここの文には作為を感じますね。
はじめに「海軍指導の欠陥」と言う結論を元にしていると見えます。
ゆき
- ゆきさん。本放送では838リットルから790リットル。48リットルの減少となっています。作為なのかスタッフの間違いなのかわかりません。私のほうは極力、番組内容を誤って伝えないように注意したつもりです。
K.M
- 燃料の減少の事ではなく「戦局打開の切り札として」:「短くなっていた」の件についてです。
別にK.Mさんが書いたことを言っているわけではありません。
ゆき
- 7.7ミリ機銃の搭載弾数を減らす件はちゃんと決議されていますし、それは曽根資料に書いてあるのですけれどもあと数枚のページをめくる作業が余程重荷だったのでしょう。
BUN
- 「戦局打開の切り札・・・・」の部分は本編では「零戦の決定版として投入された・・・」のような表現でした。航続距離については、本編では1400kmが1000kmに減少としていますので、間違って記載されています。私見ですが、対策の会議については会議で声の大きい人の意見が通ってしまうことは今日でもよくあることですし、もし山本五十六司令長官が無事帰還して直接、現地の情勢を海軍省に伝えることができたとしても、このあと続く防弾の問題についても解決できなかったとおもっています。
K.M
- いったいなぜ戦闘機の装備について山本五十六が海軍省に相談しなければならないのでしょうか。無茶苦茶ではありませんか。そのような話がしたいのであればあえて零戦を絡める必要があるのでしょうか。
BUN
- 脈絡がなくて申し訳ございません。この後、番組では主翼に燃料タンクを増設したためBUNさまのおっしゃっておられた防弾問題に移ってゆくわけです。ほとんど無傷の零戦を米軍が手に入れ、その弱点を見抜き、戦法を変えてきたため、零戦の被害が増大してきました。18年4月、ラバウルにやってきた山本指令長官がパイロットを集め航空戦の研究会を開き、話し合いが行われました。山本長官は日本機の被害が米軍に比べ増えていることに憂慮していました。この研究会の極秘記録はBUNさまでしたらご存知だと思います。番組では表紙および文書の一部ががクローズアップされています。このとき火災被害についてパイロットより陳情を受け、「防弾が不可欠」との見解に達しました。この後、山本長官は遭難され研究会の結果を直接本部に伝えることができなかったと番組では表現しています。決して水戸黄門の印籠のつもりで書いたのではありません。BUNさまにとってはこの程度の番組は鼻であしらうようなものでしょうが、「20世紀の記録」といった記録映像を毎週見ていた世代の私でも見ごたえのある番組でした。
K.M
- >研究会の結果
ちなみにその中には「二号零戦は特に高速時操作軽快なる為空戦上極めて有利なり」の一文もあったはず。18年には三二型は褒められておりました。
片
- 番組のこの段階では零戦同士の性能比較には触れていませんでした。F6Fとの防弾性能の比較に話に移っており、CGや米軍機のガンカメラの映像、当時の日米のパイロットの証言などで比較していました。こういうポイントは編集次第で印象はどうにでもなるので番組ではこうでした、とだけ言わせてください。
K.M
- 番組の感想を述べるだけならば別の場所でお願いします。
この場で聞けば「お前が何を言おうとNHKが放送した内容に間違いは無い。自分の主張に反論があればNHKに言え」と繰り返されているように受け取るしかありませんが、上に書いた通り、編集の問題などではなく客観的に白黒つけられる明確な疑問点を持つ、番組の制作姿勢に関わる問題なのです。
BUN
- 感想部分については余計でした。すみません。ただ私がこの番組に魅かれたのは、最初の事故のマスバランスの目抜き穴から発生した金属疲労による折損。次の事故の主翼の振動からシワが発生し分解に至ったメカニズムを材料試験で解析する部分でした。航続距離の部分は出力を増したとはいえ、5.7%燃料が減っただけなのに28.5%航続力が落ちた原因を、主翼端からの渦流の発生と科学的に解析した部分はなるほどと感じたわけです。それ以後の部分のサバイバビリティの低さについては、いままで論議の尽くされていることで、どう対策しようと零戦が本来の零戦でなくなるだけだったでしょう。(この点は番組中で海軍の戦闘機担当の高山氏も証言しています。ひきたて味になっていますが)。BUNさまのように詳細までご存知の方はかまいませんが、第3のサイトをご覧の方に放送内容と違ったことを「私が」伝えたくなかったのでここまできてしまいました。
K.M
- ですから「5.7%燃料が減っただけなのに28.5%航続力が落ちた原因を、主翼端からの渦流の発生と科学的に解析した部分」と言うのはあまりに極端な結論だと他の方が仰っていますが、判りませんか?
なんかK.MさんてNHKの関係者の方に思えてきました。
だってはっきりと番組名も判らない、放送日も判らないと言いながら些末なことまできっちり覚えている(知っている)し。
もしかして放送後の反響が少なかったのでリサーチですか?
うーん
- もうやめようと思ったのですが、もう一度だけ。NHKのものではありません。タイトルは「零戦に欠陥あり」サブタイトル(設計者たちの記録)です。たまたま番組表を見ていて、また零戦ものかと思いながらおそい時間だしとビデオをセットし、裏に別に見たいものもなかったし最初だけ見ようかとNHK教育をつけたところ、そのまま引き込まれて最後まで見てしまいました。最初、質問をしたときはビデオを再生する前でしたので、タイトルを覚えていませんでした。航続距離については、実験を担当した東大工学部航空学科の鈴木教授は翼端形状の変更で12%抵抗が増えたと計算しておられます。現物でやった風洞実験でないから信用できないとおっしゃらられればそれまでですが。ただラバウル、ガダルカナル間片道4時間、1000kmの作戦に二号零戦が参加できなかったことは動かしがたい事実です。問題部分をビデオ再生して用語、数値をなるべく正確にと注意しました。海軍戦闘機担当の高山氏の名前はなんと読めばいいのかわからないので姓だけにしました。マスバランスの目抜き穴は肉抜き穴でした。正直いいましてここは飛行機好きのサイトだと思っていたのに、常連のコメンテーターの方で「私も見たけど???????」という人が一人もおられなかったことにびっくりしています。視聴率0.1%だったのでしょうか。曽根氏の肉筆のメモやスケッチ、公文書をクローズアップで見られるめったにないチャンスだったのに。
K.M
- 選び抜かれ訓練されたパイロットによって、なんとか使える状態で運用されるのが軍用機の常で、「欠陥」のない戦闘機など無いでしょう。
山本長官と現地の山本大佐を混同したり、数値どころか単位まで無意味な実験データを権威付けて登場させたりと、制作姿勢が雑である以上に受け狙いの作為的な、所謂テレビ番組に過ぎなかったのが理由でしょうね。
APOC
- >22
私の手もとにはビデオも曽根資料もありますが。番組内容をストレートに受け取った方を見たのは初めてですけれども、このサイトでも番組の感想は沢山ありました。
あまり言いたくはないのですけれども、東大の名を借りた不適切な実験、資料に関する偽りと誤解、誤読は確かなのではないかと思います。
三二型の航続距離問題が欠陥ではない事は上で説明しましたが、後半の防弾に関する件にしても前線での戦訓が山本長官戦死により中央へ伝わらなかったかのうようですが、現実にはこの戦訓をまとめ「戦闘機にも防弾が必要」と説いた小福田少佐はその後の海軍戦闘機の審査を左右する有力な発言者となります。さらにその会議以前に海軍機の基本性能を定める性能標準は18年2月には改正されており、戦闘機に対する防御装備の充実が目標とされています。性能標準とは「防弾を軽視した」と言われる用兵者そのものである軍令部が定めるものです。
日本軍用機の防御装備については陸軍機が開戦時より防弾タンクを装備していた事実を知るだけで「日本の軍部は」「日本の国民性は」といった大風呂敷を広げることができなくなります。さらに海軍機の防弾装備についてその検討次期、実施時期を知れば前線の血の叫びが長官戦死により届かない、というようなドラマが存在し得ないことも理解できるでしょう。そもそも実施部隊からの戦訓改修要求を中央に伝えるルーチンは開戦前から組織的に存在します。(だから「二号零戦問題」が起き得るのです。)日本軍用機の防弾の不備云々といういかにもそれらしい話はこのように各論まで絞り込んで「なぜ、海軍機の防弾防火装備導入が陸軍より一年数ヶ月遅れたのか?」という問題に集約して、初めて議論、検証が可能になります。
番組を観た感激に水を差すようで申し訳無いのですけれどもその感動は贋物なのです。
BUN
- 当時参加された出演者でも此処まで言っているのです。参考になればと思います。
http://www.b-b.ne.jp/bbs/zero/trees.cgi?log=&v=3253&e=msg&lp=3253&st=0
他の出演者様からも直接取材した時の姿勢と実際の報道内容が歪曲されていると直接私に熱弁を振るわれた方もいました・・・・・
「零戦に欠陥在り」を声高に歌った割には32型の主翼端の実験で、私みたいな度素人でも判る模型の出来の悪さ・不正確さで、正確さを伝えるはずのNHKが監修する実験とはこんな物かと失意してしまいました。
あそこまで権威在る実験をするのならば32型の翼端現物で実験してほしかったですね、私でも少し無理すれば現物動員する事は可能ですから天下のNHKならば簡単な事だと思います。
A6M232