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以前に各国の軍用機の国籍マークについての質問がありましたがなんで○っこいデザイン、しかも◎ってのが多いんですか? 架空戦記ファン |
- ○のことをラウンデルと言います。
国籍表示→航空機の敵味方識別のために始まったモノなので、「空中の機体の角度や見え方によって誤認されにくい」ことを工夫していったらああいううモノに落ち着いたのではと思います…。
備後ピート
- 国籍識別標識の起源は第一次大戦です。
当初、飛行機は無地で飛んでいましたが、空中戦が起こるようになって飛行機の敵味方識別が必要になった頃、先に独墺側が鉄十字を識別標識として使い始めました。
鉄十字は遠目に四角く見えるものですし、下地に白帯を追加しているとなおさら四角く見えますから、英仏側としては角張って見えない、つまり円形を使うことで遠目にも識別しやすくすることにしたわけです。
更に、これに対して、その後同盟側に加わるトルコやブルガリアは四角い識別標識をつけていくことになるわけです。
◎なのは国旗の色を借りていることが多いのがその理由で、英仏米の赤・白・青(青・白・赤、赤・白星・青)、伊の赤・白・緑などが好例です。つまり、国旗をそのまま描いては四角くなって敵とかぶってしまうので、国旗を丸く描いているのだと思えばよいわけです。
そして、連合国側=円、同盟国側=角なのですから、つまり円形が多数派なのは第一次大戦で国籍識別標識を最初に制定するときにあたって連合国側に立っていた国が世界的に見てずっと多数派であったことによります。
もちろん例外も存在しますし(例えば永世中立のスイスは四角系)、第一次大戦後に建国された国(例えばソ連やポーランド、ハンガリー、ユーゴスラビア、バルト三国)や第一次大戦で中立を守った国(例えばオランダやノルウェー)には円と四角のどちらでもない変形タイプも見られます。
また第一次大戦と第二次大戦で陣営を変えた国の国籍標識の変化(例えば王政イタリア〜ファシストイタリア〜ANR&共同空軍の変遷やルーマニア)を見てみるのも面白いかもしれません。
まなかじ
- ラウンデルを最初に採用していたのはフランス軍航空隊で、使用開始は1912年にまでさかのぼることが出来ます。
そのデザイン上はフランス軍の伝統的な帽章(例えばhttp://www.militaryheritage.com/napfranc.htmに見られる)に由来します。
第一次大戦の初期に起こったのは、空対空での味方識別の問題よりも、むしろ地上の友軍からの誤射でした。そこで、英軍は当初はユニオンジャックを描くことで味方識別の手段にしようとしますが、角型の国旗状十字章はかえってドイツ軍(1914年9月以来十字章表示)と紛らわしく、12月には認知されつつあったフランス軍のラウンデル章と同じデザインに変更されます。以降、連合軍側各国がこれに追随します。
片
- なるほど第一次大戦での連合国と同盟国とのデザインの差別化が起源なんですね。
さて日本軍機との誤認防止のために極東の英軍が中心部の赤丸を抜いたとか、米軍が中盤以降マークを変更したとの話を
知ってる身からすれば英仏は隣国なんだからもっと差別化を図ってもいいように思うんですが。
架空戦記ファン
- >4
敵味方識別の都合上から極東の欧米軍が対策したわけですから、英仏が友軍同士だった以上、別に対処する必要は無かったのです。
SUDO
- >4
時期にもよりますが、英軍側では、青の色調を変えてみたり、周りに黄色の輪を配して四重の蛇の目にしたり、白い輪を極端に細くする、あるいはまったくなくすなど、区別する工夫は様々に図られています。また、英仏軍が直接対戦することになったトーチ作戦では、理由については色々ありますが、英軍機はラウンデルを米軍と同じ星章に塗り替えています。
片