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5121 あるサイトで、零戦はグロスターF5/34のコピー機である、ろくに戦闘機設計の実績もない三菱がたった一年で零戦を開発できるわけがなかろう、というかなり説得力のある記事を目にしたのですが、これは本当でしょうか?
ねのひ

  1. >ろくに戦闘機設計の実績もない三菱
    三菱は九六艦戦という実績があるのでこれはどうかと?
    http://military.sakura.ne.jp/ac/claude.htm
     なんかいきなり胡散臭い前提から入っててどこに根拠があるのかわかりませんが、設計図もしくは実機を手に入れてない限りコピーとは言えないんじゃないかと思います。似たような時代に戦闘機作れば似たような形になっても不思議じゃないし、たとえ形を多少参考にしても(そんな事実知りませんが)それをもっていきなりコピーとは・・。
    ど素人

  2. まったく同じ質問がありました。
    航空3079です。
    ど素人

  3. 三菱は確かに大型全金属機メーカーとして台頭した会社ですが、最初の艦上戦闘機メーカーであることもお忘れなく。
     大正10年 一〇式艦戦
     大正15年 鷹型艦戦
     昭和 2年 隼型戦闘機
    7年 七試艦戦
        8年 八試複戦
        9年 九試単戦
       10年 十試水観
       12年 十二試艦戦
    これだけの経験も豊富な有数の戦闘機メーカーなのです。


  4. 「零戦や隼がチャンスボートV-143のコピー、それはウソ」とは聞いたことありますがグロスターF5/34は初耳ですね。
    架空戦記ファン

  5. もし本当にコピーだとしたら、何故敵はコピー元になった飛行機を零戦にぶつけなかったのでしょうか?
    格好が似てるだけでコピーというのは航空機には当てはまらない物です。
    何故なら絶対的に空力学の存在が有るからです。
    その当時の技術で実現できる最高性能を突き詰めれば嫌でも同じ形になります。
    最近の旅客機は低翼双発/太銅/低水平安定板/単垂直安定板が主流ですし、戦闘機の場合もその性能に応じていくつかのパターンに分類されます。
    大体三菱が「ろくに戦闘機・・・・」や「たった一年・・・」って何ですか?
    その時点でそのサイトに記述されている事は”説得力”はまるで有りません。

    ゆき

  6. >4. 機体構造に関して言えばその通りなのですが(相変わらずノースロップ式3枚翼構造の V-143 に対し、零戦・隼は全通式の主翼を前部胴体と一体化した新しい構造を採用していることはご存知の通りです)、細部の機構…二重星型エンジンを包むカウリングの通気・冷却設計、主脚引き込み機構などはコピーに近い形で零戦・隼以降の日本機において「参考にされている」事情があったりもします。

    お題の F.5/34 については確かに全体イメージは零戦によく似ていますが、他人の空似でしょう。F.5/34 のエンジンは 9 気筒 4 弁前方排気のブリストル・マーキュリーで、エンジン周りの設計は全く異なります。

    http://www.fortunecity.com/meltingpot/portland/971/Reviews/raf/f5-gloster.htm
    ささき

  7. ろくに戦闘機設計の実績もないノースアメリカンがたった120日で最新式戦闘機を開発できるわけなかろう。
    こういってるような物。
     艦戦の設計担当なら試作命令が来てないときにも軍関係者と研究は続けるし、F.5の資料を見たことも無かったのなら逆に怠慢でしょう。
     空力的に垂直・水平尾翼の配置、翼型、翼厚比、上反角などを意図的に無視して比べることの意味は?です。
    涙摘風防はひょっとしたら影響を受けてるかも知れませんが。
    Filler

  8. >6.確かに私が見た資料にも「引込脚をのぞいて別物」とありました。しかし引込脚の構造って難しいんですかね。
    F.5/34って確かに零戦に似てますよね。しかし時代を考えれば進んだ構造してるな。
    架空戦記ファン

  9. >8. 工業製品とくに機械ものは、判ってしまえば何でもないような事ひとつひとつについて、膨大な実験と試作と失敗を積み重ねる必要があるんですよ。隼の開発エピソードに、初期の試作機は引き込み脚の軸受けにプレーンベアリングを使ったので風圧に負けて動作不良を起こすことがあり、ニードルローラーベアリングに換えて解決したという逸話がありますが、こういう事も実際に体験してみなければ判らないものなんです。

    ささき

  10. こちらの事ではないかと
    ttp://www.luzinde.com/meisaku/zero/2.html
    YAS

  11. 質問者です。御回答ありがとうございます。皆様おおむね否定的なようですね。
    ただ、思うんですよ。どうも私たち零戦に対して多少身びいきがすぎるのではないかと。零戦は登場後大した性能向上も果たせず、後継機もモノにならず終焉を迎えてしまいました。開戦と同時に進歩が止まってしまったのです。先進国の工業技術の模倣の集大成に過ぎなかったのが理由ではないでしょうか。現在の日本の工業水準を無意識に過去に投影しているのではないでしょうか。片さんが三菱の手がけた機体を列挙しておられますが、そのほとんどは外国の技術指導のもとにできあがったものではないでしょうか。九六艦戦は日本が世界水準に追いついた名機ということになってますが、これも日本国内に限った話ではないかと。実際P26に酷似してますし、対戦相手はI-153やI-16といったところですし。
    ねのひ

  12. 海外からの影響ということでは、それは否定できません。そういう意味では、九六戦や零戦も間違いなく海外技術の恩恵の賜物です。
    問題はどの部分が具体的に、海外のどの技術を参考にしているか、なのです。実機が輸入されメーカー各社に公開されたV-143から零戦が影響を受けたのは間違いなく、しかし、グロスターF5/34から何かを得ただろう可能性はまずありません。その辺りをごちゃ混ぜにして眩惑されてしまうと、かえって零戦の正体も見えにくくなるだけなのではないでしょうか。



  13. 三菱が設計を手がけた戦闘機を列挙したのは、「ろくに戦闘機設計の実績もない三菱がたった一年で零戦を開発できるわけがなかろう」という部分にねのひさんが「説得力」を感じておられるようだったからです。その点に関しては昭和12年当時の三菱名航の技術力でまったく可能でした。もちろん、「海外からの技術情報の参照の仕方の向上」という面も含めた技術力です。



  14. >11
    戦前戦中の日本航空機について無条件に賞賛するのも偏った視点ですが、かといってその反動で何もかも外国の模倣であって見るべきものは無いとする考え方も些か大雑把に過ぎるかもしれません。「P26と九六艦戦は酷似している」と見えてしまううちはどちら側の視点に立っても、その意見はただ御本人の気分の問題でしょう。ある批判が行われるならば、本来あるべき姿はどのようなものだったのか、それを考えてみる事も大切ではないでしょうか。果たしてそのとき現実的で意義ある「あるべき姿」が浮かぶかどうか、それが問題です。
    BUN

  15.  てか、日本の飛行機はNACAの実験結果や論文の影響を色濃く受けているんです。
     で、当然ですが、欧米の特に米国の飛行機も同様に影響を受けていますから、その理論的根幹は同一で、根っこからして同じなのです。
     ですからV-143という格好の題材(その理論的源泉は別に既に知っていて、その現実化をなしたもの)はコピーではなくても(これは仕様が違うのですから当然ですが)非常に大きな参考資料になったでしょう。逆に実機の無いグロスター機をどのようにして参考にしたりコピーできるのでしょうか?
     写真や絵を見て、こういう形があるんだなと知ったということですか? ある理論に基づく形態の実用例の一つ以上にはなりません。
     #12で片さんが述べられてるように、日本の航空技術が海外の影響を色濃く受けているという事実と、特定の機体が特定の外国機の模倣というのは、まったく異なる話なのです。
     まあ、形態的に見るなら、グロスター機の影響が色濃いのはイタリアの戦闘機、例えばフィアットG.50あたりじゃないかと思いますね。
    SUDO

  16. >15
    イタリアの戦闘機でも、MC.200、F.4/5、AUT.18、またCR.42はそれぞれ原型機からするならば紡錘形回転体理論に基く、むしろ三菱に近いノリでしょう。
    G.50は機体下面を胴体まで平面ツライチにして揚力を稼ごうという、かなり独特な設計になっています。
    Re2000はセバスキー、つまりリパブリックの研究成果を大いに参考にしています。
    グロスターF.5/34に相似なのはRo.51がありますが、逆に言えばこれひとつしかないように思います。しかも、これがF.5/34を真似したかどうかという点にはかなり疑問があります。
    まなかじ


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