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5098 複数の質問、申し訳ございません。
1.レシプロエンジンでは最高出力と最大トルクを発生させる回転数の領域のことを「パワーバンド」といいますが、ジェットエンジンの場合「パワーバンド」は存在するのでしょうか?
2.映像で見るロケットは全開で発射台を発進するように見えるのですがロケットエンジンの場合、スロットルは0%と100%のみの双方しかないのでしょうか?
ということはMe163等のロケット戦闘機はエンジンを点火した状態で全開で動き出すのでしょうか?
S.Nova

  1.  恐らくパワーバンド云々は自動車用エンジンからの類推だろうと思いますが、飛行機用のレシプロ・エンジンと自動車のエンジンとでは推進への寄与がまったく異なりますので(例えば自動車は頻繁にギアチェンジする)、自動車の概念を航空エンジンに適用するのは無理だろうと考えます。
     ただジェット・エンジンでも、例えばスロットルをこれ以上絞ると燃焼が不安定になるとか、このスロットル開度を長時間維持するとオーバーヒートの恐れがあるとかはあるでしょうから、常用スロットル域と言ったものはあるかもしれません。
     ロケット・エンジンのスロットリングはかなり高度な技術で、初期には停止か全開かのディジタルな制御しかできませんでした。例えばX-1実験機のXLR11ロケット・モーターでは、四つある燃焼室を一つずつ点火することで、総推力を調節していました。
     ただスロットルで推力調整可能なロケット・モーター(当然液体ロケット)も現在ではないではなく、スペースシャトルのメイン・エンジン(SSME)などは上昇中に推力を定格の65%から109%まで可変させます。
     それとスロットリングとは別の話になりますが、点火した後の推力の立上がりの勾配と言うものは当然存在しますので、どんなロケットでも点火の瞬間から推力100%と言うわけではありません。
    便利少尉

  2. Me163Bのスロットルは、オフ、アイドリング、ファースト、セカンド、サードの5段階になっており、離陸時にはサード出力を使ったようですが、飛行中にスロットル操作で速度を調整することも可能だったようです。
    (出典は朝日ソノラマ航空戦史シリーズ Mano Ziegler著「ロケット・ファイター」です)
    ○林


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