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航空機エンジンの排気について教えてください。 推力効果を期待して単排気管になっている発動機が多いのですが、なぜ集合排気管では駄目なのでしょうか? 集合排気管で等長エキマニ(タコ足)にすると吸出し効果によって出力が上がると思うのですが、大抵が単排気管による性能向上になっています。 それほど排気による推力は大きい物なのでしょうか? 若の里 |
- もう、全然比較にならないと思って結構です。
4サイクル機関における集合排気管とは、背圧の減少と、排ガス残留による吸気効率低下や吸気温度上昇の抑制が馬力増加に繋がってるわけです。
しかし航空機用エンジンは自動車等と比べると、比較的低回転な割りにバルブ面積が大きいので、燃焼ガスの粘性による排出しにくさに影響が小さく、高い高度を飛ぶ関係から低い気圧の大気に排ガスを放出するので背圧が元々小さく、また排ガス残留も少なめなのです。つまりは、集合排気管による馬力増大効果はきわめて小さいのです(しかもその配管は邪魔でですし重量や空気抵抗になります)
推力排気管は、航空機の速度と排出ガスの速度で影響量が可変しますが、高速の戦闘機ならば、プロペラ推力の10%前後に匹敵する効果を発揮することが最良ならば期待できます。まあ大雑把に1割馬力アップしたのに匹敵するわけです。
勿論集合排気管から推力を出すようにしてもよいのですが、推力排気管は、排ガスの速度をある程度稼ごうとする都合上、排気管出口を絞ってます。つまり集合排気管による背圧減少等とはまったく逆に、エンジン自体の馬力が下がることが十分に予想される仕組みなんです。でもそれでも総合的な推力では、それが一番稼げるのです。
排気管を絞る都合上集合させる必要は無いというか、かえって悪影響をもたらしかねませんし、排気管は高熱に晒される関係で痛みやすいわけですから、単排気管にしてしまうのが、一番単純で簡単で、しかも効果として大きいわけです。
SUDO
- 推力式集合排気管てのもありましたが、生産性を考えるとSUDOさんの解説通り
の結論になったんでしょうね。
Filler
- 返信遅くなりました。
詳しい説明をいただき、ありがとうございます。納得いたしました。
自動車エンジンとは考え方が違いますね。
それにしても、最良ならば1割も稼ぐのですが>推力排気管
排気エネルギーってすごいですね。
若の里