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He111についての質問です。この飛行機の爆弾槽は縦置きですが、爆弾の頭は、上・下どちら向きだったのでしょうか? ちはや |
- 上向きです。
まなかじ
- 二列に縦置きされた爆弾の間を乗員が通って弾頭の信管を調整しやすいよう、
上向きにされていたと思います。縦置き爆弾槽のため、爆弾の大型化に追従できず結局機外装備になるわけですが(機体の構造上横置き爆弾槽に改良できなかったらしい)…。
備後ピート
- 回答、ありがとうございます。今まで下向きだと思い込んでいたのですが、爆弾投下時の映像を見ると、回転しているように見えたので、もしや?と思い質問させていただきました。おかげさまで、正しい知識を得る事ができました。重ねての質問になりますが、弾頭の信管の調整とは、信管の感度を調整するという事でよろしいのでしょうか?
ちはや
- ドイツの航空爆弾の信管は弾体側面に装着されます。
He111が縦置きするところのSC250でこんな感じです。
http://www.warbirdsresourcegroup.org/LRG/sc250.html
むしろ、弾頭には縦置き対応のための懸吊環の装着点があり、He111は爆弾を縦に「吊るして」持っていくわけです。
逆に言えば、下向きには爆弾を固定するすべがありません。
早い話、縦置き爆弾倉にする理由は、He111は翼の構造からして爆弾倉の開口部の幅が主翼桁によって制約を受けているので爆弾倉の「長さ」が不足している(「幅」は不足していない)にもかかわらず、SC250X8発搭載2トンの最大搭載量を要求されていたからです。
ちなみに、Ju52やJu86の爆弾倉が同様に縦置きなのも全く同じ理由からです。
まなかじ
- 訂正
いちばん初めからの話にしないとおかしいですね。
当初、1トン搭載の爆撃機として開発が始まり、その時点では100kgX8発を縦置きして800kgを実用搭載量とする方向で試作が開始されています。
その後、エンジン出力の増大に伴い、実用機の理論上の最大搭載量は1.5トンになりましたが、実用搭載量は800kgのままという状態がありました。
この状態を一挙に解消するべく、新式のSC250爆弾8発搭載2トンを「実用搭載量」(ここも訂正)とし、最大搭載量3トンに持っていくという要求が空軍から出され、そのためにDB600/601ないしJumo211を装着して出力を確保し、爆弾架も新型のものに換装するという処置がとられます。
まなかじ
- 重箱の隅ですが。 Do17. Ju86. と共に。
表向きは、高速郵便旅客機として、主目的に関しては、特殊貨物輸送機<爆撃機>に改造容易である事として開発された、と記憶していました、その為に爆弾倉に無理がきて、縦置きにするしか無かったと考えていましたが、1930 年頃の独空軍では、爆弾は縦置きにするものだと考えていたのでしょうか? ご教示戴けましたら幸いに存じます。
109 の? 拝
109 の?
- ドイツだけでなく、地上直協・航空阻止任務のために小型の爆弾を多数搭載する方法として、縦置き爆弾倉の例は各国に見られます。これは小型・高運動性で大きな内部空間や開口部が設けにくい機体でも、投下前後の重心変動や機体強度への影響を最小限にしたまま数多くの爆弾を搭載・投下できるためです。
例としてはカーチスA-8/A-12、ツポレフSB、Yak-9B、LeO451といったものがありますが、SBのように小型爆弾(100kgまで)用の縦置き爆弾架と大型爆弾用の横置き爆弾架を併用するもののありました。
しかし、搭載作業が面倒で着弾精度が悪く(方向転換時に弾道が不規則に乱れる)、また、横置きでも小型爆弾の連続投下が可能な爆弾架の開発などにより、まさに1930年代後半を境に縦置きは廃れていきます。
Schump
- Schump様 有難う御座います。
He111 の、縦置きは、特別な考え方では無かったのですね。
民間使用を優先していた(ベルサイユ条約)からと、誤解をしていました。
1930 年代は、変革の大きな時と考えると良いのでしょうね。
今後も宜しく御願い致します。 109 の? 拝
109 の?