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金星エンジンなのですが、140mmのシリンダをボアアップしなかったのでしょうか? ストローク150mmですから、それほどの無理ではないように思えます。 されなかった理由は何なのでしょうか? 火星が、150mmですから、シリンダの生産工程も統一できそうな気もするので、不思議なのですが。 青江 |
- 当時の生産ラインについてわかりませんが、
エンジンの加工ラインは精度を要求されます。
シリンダブロック自体の寸法が違えばそれを支える冶具等も専用にしなければなりません。
金星と火星を仮にシリンダボアが同じだけで生産ラインを共用できるとは思えませんが?
シリンダのまわりにはオイルだけでなく水の通り道にあたるウォータジャケットもあります。
シリンダの強度等も考えれば10mmのボアアップは難しいのではないでしょうか?
マルヤ
- 金星をボアアップするというのは、より大出力の発動機が欲しいからするんですよね?
で、金星より大出力のエンジンとして、金星の後に開発されたのが火星なんです。ですから、金星をボアアップするぐらいなら火星を積めばよいし、生産性を極限まで高めるならば火星だけ生産すればいいのです。
また空冷発動機ですからボアアップは、シリンダーブロックそのものの交換になります。この場合、左右前後の隣り合ったシリンダとの間隙も変化するので、冷却用空気の流量やクリアランスに問題が生じます(もしくは冷却フィンの長さに不都合が生じる)つまりボアアップによって増大した熱を冷やすのにも苦労します。
結局、そこまで色々工夫するならば、火星を使うか、火星のショートストローク版を作ったほうが、ずっと簡単で高性能になるでしょう(火星の砲が基本設計がずっと新しいのですから)
このような関係から、空冷発動機では、一度決まったボアを変更するというのはあまり行われません(ストロークを変える例はあります。金星のストローク縮小版が瑞星です)
SUDO
- 「シリンダーブロック」があればボアアップも出来るかもしれませんが、シリンダー単体が直接クランクケースから生えている空冷星型エンジンの構造そのものが答ではないでしょうか。この構造である限りボアアップとはシリンダーとクランクケースの新設計、すなわち新エンジンの設計を意味するのではないでしょうか。
BUN
- 空冷なのにウォータジャケットあるわけないですね(汗)
すみません。
マルヤ
- 発動機は、本来要求されていた試製能力に対し、試作の実行がたいへん遅れています。試製能力不足だったのです。
ここで金星のボアを拡大するために基礎設計を覆してやり直しをしていると、確実に大馬力が期待できる18気筒化がいっそう遅れることになったはず、と思います。
片