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同軸二重反転ローターのヘリは、カモフ社とカマン社でしか作られてないような気がしますが、どうして他のヘリメーカーでは、作られなかったのでしょうか? まさのり |
- まずカマンの特徴的な形式は、交差反転ローターで同軸ではありません。
同軸反転ローターの得失としては、
○色々トラブルの原因となるテールローターを持たず、パワーも喰われない。
(通常のテールローターは、エンジンパワーの10〜20%を喰う)
×オートローテーション時に、ローターシステムによるヨーコントロールが利かない。
×どうしても複雑で背が高いローターマストが必要
(他にもメインローター径が小さくてすむがディスクローディングが高くなるとか)
まあこれらの得失を鑑みて、現在採用してるのはカモフのみという状況なわけです。
(過去には制式化されたDASHや、シコルスキーなどの試作機もありますし、今もUAV等には幾つかとりあげられてます)
しかし1社とはいえ採用・量産されている同軸反転ローターは、ヘリコプターの有力な形式とは言えるでしょう。
(タンデムローターや交差ローターも、そのメリットを認められながら現在採用してるのは1社のみですし。)
グリーネマイヤ智久
- 過去にXH59Aを試作したシコルスキーですが、現在X2なる二重反転ローターの高速試験機の開発をしているようです。
>http://www.sikorsky.com/details/0,3036,CLI1_DIV69_ETI2088,00.html
ガンヘッド507
- ティルローター式とフェネストロン式の長所、短所は、どんな感じののでしょうか?
まさのり
- たびたび便乗で申し訳ないのですが、オートローテーションというのは、プロペラ機でいうフェザリングですよね?二重反転ローターのヘリでエンジンが、止まってしまったら、どういう風に対処すると訓練されてるのでしょうか?
まさのり
- >3
私なんかが答えるより遥かに具体的な、業界の人の頁があります。
ttp://www5b.biglobe.ne.jp/~dmbpilot/bell4708.html
マニア的にざっと箇条書きすると、
パワー消費:テールローター:10%程度、フェネストロン:20%程度、ノーター:30%程度
接触等トラブルの危険性:テールローター>フェネストロン>ノーター
ってとこでしょうか。
>4
オートローテーションは、フェザリングというより固定翼機の「滑空」にあたります。
ヘリはこれが出来るおかげで、エンジン故障時でも安全に降りられそうな場所へ操縦・滑空・不時着(最後にフレアをかけ、ピッチを増大させることでほぼ垂直にシソフトランディング)が出来るのです。
オートローテーション時には、エンジンに繋がるクラッチを切り、ピッチを下げる事で、オートジャイロの様にローターを自由回転させて飛行します。
操縦は通常時と同様、ピッチとロールはメインローターで、
ヨーは、TR(テールローター)機は、ギアボックスから繋がったテールローターで行います。
2重反転ローター機は、二つのローターのコレクティブピッチを変えてアンチトルクの差でヨーコントロールを行いますから、
エンジンパワーが無い場合、ヨーコントロールが出来ないという事で、Ka-25などは巨大な尾翼を(風見鶏の様に角度を付けて)複数備えています。
(これを解消する方式(回転数差動式)も考案されてるそうですが、まだ実用化例された例は無いようです。)
グリーネマイヤ智久