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V-1ロケット迎撃に、英空軍はマスタングIIIのチューンアップ機を使用したと、見ましたが、具体的にどんなチューンをほどこしたのでしょうか?ボアアップにして、ビッグキャブしたとかでしょうか まさのり |
- 質問の番地(番号)は有限です。複数の質問が有る時は、ひとつの番号(番地)に複数の質問を書くよう、お願いします
にも。
- V-1はロケットではありません。パルスジェットです
少々具々って覧た範囲では、英空軍がV-1迎撃にマスタングIIIを使ったとの記事は在りませんでした
マーリンを「ボアアップにして、ビッグキャブした」りする位ならグリフォンを積んだ方が早いと思います
にも。
- 層流翼には低いマッハ数でも衝撃波を発生しやすいという欠点が在ります。ダイブ時の飛行性能はスピットファイアの方が優れていますし、P-86(改めF-86)は前縁近くが最大厚になる「旧い」翼型を使っています。それに何故、航続力が無い為に暇を持て余す英戦闘機では無く、航続力が有る為侵攻戦闘に引く手天田のマスタングを迎撃に使わなければいけないのでしょうか。
にも。
- >2, 3
このページによると、RAF のムスタングは V-1 撃墜数で総合4位に入っておりますが。
http://www.public-domain-content.com/War/World_War_2/V1_Flying_Bomb.shtml
...the handful of Tempests shot down 638 flying bombs. (One Tempest pilot, Joseph Berry, downed fifty-nine V1s, another 44, and Wing Commander Beaumont himself destroyed 31.) Next most successful was the Mosquito (428), Spitfire XIV (303), and Mustang, (232). All other types combined added 158.
V-1 迎撃隊のスピットファイヤには特製の高パフォーマンス燃料が支給され、エンジン寿命を犠牲にした高ブースト運転を行っていたと何処かで読んだ記憶があるのですが、原典が判りません。ボアアップのようにエンジン本体に対する加工は行われていなかったと思います。大型キャブレターへの換装は戦後のエアレースでは行われていますが、これも戦時には行われていなかったと思います。
ささき
- >4
V-1迎撃戦の時点で本土防空に当たる戦闘機軍団のスピットファイア部隊のうち、LF9と14配備の飛行隊には英国式表記で150オクタン、米式記載で115/145グレードの燃料が供給されていますね(プライス博士の「Late Marque Spitfire 1942-45」等の書籍にこれに関する記載があります)。
燃料を変えることにより、LF9と14の許容最大ブーストは+18から+25に増大、これにより低高度での速度は20〜30mph増大したと伝えられています。
なお、V1迎撃に当たった戦闘機軍団のムスタングIIIに対しては、特にこの時期改造や高性能燃料の支給は行われておりません。
大塚好古
- >にもさん
幾つかの質問を団子にされると長文になり、しかも整理にも困ります。変な事を奨めないように願います。
V-1を「V-1ロケット」と呼ぶことの何が問題なのでしょうか。既に市民権を得ている呼び方でもあり、戦時中の日本でも梅花を「ジェット」等とは呼ばなかったはずです。
BUN
- チューンアップとは言えないかも知れませんが、機体の塗装を全て剥がして
少しでもスピードを稼いだというのを読んだことがあります。
maron
- >7.
4. で紹介したサイトにも "Griffin-engined Spitfire XIVs and Mustangs were polished and tuned to make
them almost fast enough" という文句がありますね。Polish は塗装を剥がして表面を磨くことでしょう。「Tuned」は出題者氏が疑問に思われている事でしょうが、エアレースのような過激なエンジン改造ではなく、単に「最高の性能が出るよう入念に整備する」程度の意味だと思われます。
ささき
- >V-1を「V-1ロケット」と呼ぶことの何が問題なのでしょうか。
ロケットではないからです。
便利少尉
- >9
俗称として十分通用しているからです。
BUN
- 元々古い歴史のある「ロケット」に比べれると、「ジェット」はずっと後発の用語です。ロケットエンジン(ロケットモーター)は中世まで遡れますが、ジェットエンジン、特に航空機用タービンジェットエンジンは第二次世界大戦直前にようやく完成したわけですから、第二次世界大戦中のロケットとジェットの概念が現代と異なっていても当然でしょう。
ロケット=反動推進、ジェット=噴流推進、という、ロケットであることとジェットであることが矛盾しない第二次大戦前から概念が、ロケット=大気を推進物質として使用しない推進、ジェット=大気を推進物質として使用する推進(「大気を酸化剤とする」でもいいのですが、そうすると原子力ジェットという言葉が使えなくなる)という、両立しない対立的概念に変わっていったのは、少なくとも日本語においては第二次世界大戦後のことでしょう。ドイツやイギリスあたりではどう区別がなされていたのか興味深いところです。(諸外国のロケット/ジェットの概念の変遷をご存じの方がおられたらぜひ御教授下さい)。
他方、古いロケット概念がそのまま残っていったものもないわけではなく、「ロケット式排気管」などもその一例でしょう。V-1ロケットもそれプラス「噴流推進動力を持つ無人飛翔兵器をロケットと呼ぶ」という一般にはかなり広く普及している用語法(レギュラスやトマホークをロケットと呼ぶヤツ)の一例でしょう。
カンタニャック
- >7,8
機体の塗装を剥がした写真が存在するのでしょうか?
polishには塗装を剥がす意味はありませんし、エアーレーサーのキャプションでもpolishは目にしますが、その場合でも塗装を剥がす剥がさないとは全く別の話です。
7の出典がはっきりしませんが、そちらも誤訳した可能性がありますので、写真をご存知の方は御教授ください。それまでは、信じないほうがいいでしょう。
サンガ
- >12. 後でシマッタと思いましたが、矢張り突っ込まれましたか。仰せのとおり、英軍機は塗装を剥がしていないはずです。米軍の P-51 が「塗装を剥がして軽量化したうえ、表面をぴかぴかに磨き上げた」事例と混同しておりました。
ささき
- >3 F86の翼形は、明らかに層流翼です。
付根 NACA-0012-64
翼端 NACA-0011-64
図で見るとこうです。
http://www.ds-cats.com/~kurisawa/aeronautics/Airfoils/OpenFiles.link/A2054/OS1013_A.jpg
ただのNACA-0012とは別物であります。
http://www.ds-cats.com/~kurisawa/aeronautics/Airfoils/OpenFiles.link/A2054/OS1011_A00.jpg
翼厚にもよりますが、衝撃波失速は層流翼よりも古い翼形の方が早く訪れます。
翼上面の速度勾配が局所的に急なためです。
スピットファイアの後期型も層流翼を採用しました。
ガス欠飛行連隊