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4652 日米を問わず、戦闘機には低翼が多く、爆撃機は中翼が殆どです。で、
・そうなった理由には何があるんでしようか??
低翼は剛性を上げ易いとか、レイアウトがし易いとか単純に思うのですが、
なら、爆撃機はどうして中翼なのか、とても疑問に思います。
・爆撃機の中翼は、胴体を貫いているんでしょうか??
・性能的には中翼が優れていると聞きましたが、どんな点があるのでしょうか??空気の干渉抵抗の低減でしょうか??
よろしくお願い致します。
サブロー

  1. #低翼機
     機体全体の剛性そのものについては、内部配置によっては中翼の方が確保しやすい場合もありますので、いちがいに低翼有利はいえません。
     WW2戦闘機レベルで低翼を選ぶ理由としては、トレッドの広い=翼内に引き込む主脚を短くできるので軽量化につながる、翼内装備品(機銃、燃料タンク等)の整備がしやすい、水平尾翼を主翼からの吹き降ろし流から遠い=相対的に高い位置に置きやすい、等の理由があります。

    #中翼
     胴体断面形(及びその前後方向の変化)や翼型との関係もあるのですが、おおむね円または楕円断面の胴体であれば、中翼にするのが、最も翼胴間のつながりがスムーズ(フィレットをつけるにしても小さくて済む)になり、この部分での干渉抵抗や渦の発生を抑えられます。

    #爆撃機
     胴体内爆弾倉を使う限り、重心前後、すなわち主翼付近の胴体下半分が下方に向かって開放されている必要がありますので、必然的に中翼〜高翼になります。また、大型機の場合、低翼にすると機体の地上高がやたらに高くなり、特に前線基地での整備や搭載作業に支障がでます。
     当然、中央翼(の桁)は胴体を貫通しています。これを越える機体前後の通行をどうやって確保したか、とか、中・低翼の爆撃機の爆弾搭載法などは調べてみるとなかなか面白いですよ。
    Schump

  2. 戦闘機の低翼には、単座の操縦席からの視界が広がるメリットもあげられていますね。


  3.  中翼と低翼のいいとこ取りをしようという機体もありました。
     ヴォートF4Uコルセアは、概略円断面の胴体からなるべく垂直に主翼を生やし、かつ主脚取付点をなるべく低くするために逆ガル翼(内翼に注目すれば「斜めにした中翼機」)を採用しましたが、内外翼の折れ曲がり部分の空力特性に問題がありました。
     三菱「烈風」は、中翼というほどではありませんが、内翼取付位置を少し高くして胴体とのつながりが滑らかになるようにし、かつ内翼に上反角をつけないことで、脚の長さや機銃・燃料タンクの高さを「根元から上反角のついた低翼機」と同程度に抑えています。また、内外翼の折れ曲がりも少ないので、空力的な悪影響もなかったようです。
    Schump

  4. 戦闘機の場合、翼桁やボックスビームとパイロットの間で起こる陣取り合戦により、そこはかとなく偏ったレイアウトを生じる事があります。
    APOC

  5. 主翼は左右分割して造るよりも左右一体で造る方が軽く仕上がるのですが、中翼では胴体との結合が困難です。軽量化が重要になる戦闘機では、この一枚翼を低翼で結合する手がよく使われました。
    ガス欠飛行連隊

  6. ありがとうございます。低翼と中翼の因果関係がよく分かりました。
    特に爆撃機は、胴体の重心前後(主翼付近)に爆弾を吊るすので、中翼〜高翼が必然なんですね。戦闘機の利便性による低翼の必然性も分かりました。

    ただ、戦闘機のコルセアとか烈風が苦労して中翼の工夫をしていると言う事は、またグラマンのキャットシリーズは中翼ですが、翼は当然胴体を貫通していなくて、翼取り付け部の剛性の確保で重くなったと思うのですが、中翼化による抵抗の低減効果がそれ以上に大きいと言っていいのでしょうか??
    勿論、その場合は利便性を多少犠牲にしても、空力性能をトコトン狙うと言うコンセプトが前提ですが。
    でも、グラマンのキャットシリーズは、空力性能がそんなに良かったのでしょうか??疑問が次から次と湧いてきて済みません。

    あと、APOCさんの内容がよく分かりません。もう少し易しい解説をお願いしたいのですが。
    サブロー

  7. >6.
    単発戦闘機で中翼形式をとる場合、一般的なパイロットの着座位置を主翼の桁構造が貫通するため、操縦席が後ろへ追いやられたりします。
    また中翼といいながらP47のように、実質低翼機に下部胴体に相当するカバー構造を追加して側偏したものなど、それなりに苦労していると言う意味です。
    APOC

  8. また、この時代では殆どの戦闘機は中央翼が左右一体で胴体を貫通しています。
    APOC

  9. 航空自衛隊でも使われていたF104が主翼を左右別構造にしましたが、エンジンの周囲に閉じたフレームを設定できたために使えた手法です。
    中央翼が受け持つのは主に曲げモーメントです。第二次大戦頃の戦闘機では、主翼桁付近に操縦席の大きな開口部があり、実質的に貫通桁無しでは難しかったでしょう。細切れレスとなり申し訳ありませんでした。
    APOC

  10. >9.
    主翼桁付近の胴体に大きな開口部があり、曲げモーメントをフレームの変形応力で吸収するのは困難なため、実質的・・・
    に訂正。
    また、貫通翼桁は戦闘機に限らず標準的な構造です。
    暫くレス控えます。謝々。
    APOC

  11. >5の補足 左翼、右翼、中央翼(胴体と一体)を別々に造り、後で結合した主翼は一枚翼とは呼びません。一枚翼よりも重くなります。
    ガス欠飛行連隊

  12. >1 胴体内爆弾倉を使う限り、・・必然的に中翼〜高翼に・・
    便乗質問になるけど、構造の簡素化と強度の向上、それに胴体内爆弾層スペースの確保を図るのであれば、Do217のように主翼を胴体上部につけた肩翼型にし胴体と主翼中央部のブロックを一体型にする方式は合理的であるようにも思えますが、その反面、主脚が長くならざるを得ないなど低翼機の場合とは対照的な問題点があるから、それほど普及しなかったのでしょうか?
    Do217と構造は異なるかもしれないが、B24も肩翼に近いような配置。コンソリデーテッドが元々、飛行艇を多く手がけておりB24の設計もその影響を受けているそうですが。
    アリエフ

  13. >12 一般論で恐縮ですが、爆弾倉の設計によります。
    爆弾は爆弾架に、爆弾架は主翼構造に取り付けられています。爆弾架が主翼構造から遠いと荷重伝達上損です。肩翼配置は爆弾を上下に並べる深型爆弾倉と相性が良いですが、前後長が短いため、大型一発爆弾は納まらないのが普通です。ランカスターのように爆弾を前後に並べる浅型爆弾倉では中翼の方が合います。

    双発でエンジンナセルから主脚を出す機体では高翼でも低翼でも脚柱長さは
    ほぼ同じです。プロペラと地面とのクリアランス確保ですので。
    3車輪式の場合は前脚の長短が出ますけども。
    ガス欠飛行連隊

  14. >13「・・爆弾架は主翼構造に取り付けられています」
    一般論とされておりますが、米軍のB29の場合、深型爆弾層が主翼が胴体に取り付けられている部分の前後に位置しており、爆弾架が主翼構造に取り付けられている構造のようには見えないのですけど。
    それからショート・スターリング、ランカスターと同様、前後に長い浅型爆弾層ですが、主翼は肩翼に近い配置です。
    更にHe111やJu86、垂直落下式の爆弾層であり、胴体の上部まで爆弾層になっています。爆弾層付近に胴体内の主翼桁が通っており、この付近の構造強化に役立っているようですが、爆弾架が主翼構造に直接取り付けられているようには見えません。結構、有名な中・大型爆撃機で貴方のいう「一般論」の例外が見つかるもので。
    アリエフ

  15. >14 空中では、主翼が全ての重量を支えています。
    最終的には主翼に荷重伝達している、という意味です。
    ガス欠飛行連隊

  16. 皆さん、ありがとうございました。
    爆撃機では、爆弾架の設定の考え方で、中翼〜高翼になっている事が良く分かりました。戦闘機は、主翼左右一体による軽量化とパイロットの着座位置、利便性で低翼なんですね。
    あと、グラマンの中翼も貫通桁有りだったんですね。済みませんでした。
    それにしても、着座レイアウトの困難さがあるにも拘わらず、米国戦闘機が中翼に拘ったチャレンジ度の高さに感心します!!
    サブロー


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