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質問です。零戦に搭載されているキャブレターは「中島二連降流一〇〇型」ですが、ドイツのDB601に搭載されたキャブレターの名前が知りたいです。またどのような性能だったかも知りたいです。よろしくお願いします。 メジュロン |
- DB601にはキャブレターはありませんよ。燃料直接噴射ですから。
便利少尉
- そうでしたか。じゃあ性能は日本の物とほぼ同じ、ということでいいんでしょうか?
メジュロン
- >2
怯まずにお尋ねします。
なぜ、キャブレターの性能が気になるのでしょうか?
APOC
- キャブレターは、旋回時の燃料を強制的に送ります。アメリカの戦闘機には満足なキャブレターが無く、使用法で対処したと聞いたからで、戦闘機動に大切なのではと思い有名な機体(自分の中で)で聞きました。
メジュロン
- >4
了解しました。キャブレターや噴射ポンプとしては、そのエンジンに必要な時に必要な分だけガソリンを供給できれば、充分な性能と言って良いでしょう。DB601の噴射方式は機体の姿勢や荷重の変動に対しても有利でした。ただ満足なキャブレターが無かったら、アメリカ戦闘機はあんなに活躍できたでしょうか。
APOC
- >4
キャブレターは1930年代には航空機用として駄目というか限界が確認されています。
そこで各国とも燃料噴射に走ったんですが、米国の場合、これに失敗しまして(初期のものが余りよくなかった)しかもキャブレターの出来が良かったので、第二次大戦でもキャブレターが主流になっていました。
よって、発動機に混合気を提供する能力では、ドイツや日本の燃料噴射よりは劣ります。しかしながらキャブレターとしては優秀な部類でした(中島のも米国式のをかなり参考にしてますね)
SUDO
- 航空機用キャブレタを論じる場合以下の分類に分けて考えます。
A:狭窄筒を通る空気の状態による分類
・空気圧入式
・空気吸入式
もしくは
・昇流式
・降流式
B:狭窄筒の数による分類
・1個
・2個もしくはより多く
C:燃料の圧力調整形式
・浮子式
・浮子なし式(ダイヤフラム式)
D:燃料流出の状態
・燃料吸入式
・燃料噴射式
A:
空気圧入式とは、過給器から出た空気をキャブレタに導く方式です。
この場合、既に圧力がかかってるので高度補正が要らず、気筒単位等に複数の気化器を配置できるので燃料分配に於いて有利、吸気温度が上がってるので氷結の心配が無く気化も良好というのが有利な点です。
吸入式は過給器の吸入口に気化器を備えるもので、燃料気化による冷却が図りやすいのと、調整があるいみし易いのが利点です。
昇・降流式等は狭窄筒の上下どっち側に空気を流すかという事ですが、降流式は空気通路に付着した燃料を運搬しやすいのが利点とされてます。
B:
狭窄筒は多い方が混合は良くなり、構造複雑、空気流入抵抗増大となるので、3つぐらいのが多い。
C:
浮子式は構造簡単だが、飛行機が激しい動きをする時の対策を講じる必要がある。
ダイヤフラム式はそういった対策が要らないが、通常時の調整は浮子式程は精密ではないので、燃圧を高めにして補うといった別の処置を必要とする。
D:
吸入式、つまり従来型の気化器と、燃料噴射式では、構造複雑なところが燃料噴射式の最大の問題点になる。
米国で一般的に用いられたのは、ベンディックスやチャンドラーの「浮子なし」の気化器です。
特に加速装置・エコノマイザーにいたる大半の制御をダイヤフラムに頼るベンディックス型は吸入式気化器としては一つの頂点に立ち得るものでした。
ただし、どうしてもセッティングの詰めが甘くなり、ダイヤフラムの調整が難しい上に激しい動き(上下左右のGを頻繁に切り替える等)をすると追随に一瞬遅れが生じる可能性は否定できません。ただしそれらのコピーでしかない中島の気化器も同じ事です。
SUDO
- >#7 SUDOさん
>米国で一般的に用いられたのは、ベンディックスやチャンドラーの「浮子なし」の気化器です。
>どうしてもセッティングの詰めが甘くなり、ダイヤフラムの調整が難しい上に激しい動き(上下左右のGを頻繁に切り替える等)をすると追随に一瞬遅れが生じる可能性は否定できません。ただしそれらのコピーでしかない中島の気化器も同じ事です。
栄も誉も、気化器はフロート式だと思うのですが
セミララ
- >8
あ、これフロートだったんですか、ベンディックスのコピーだと思ってました。
ご指摘有難うございます。
SUDO
- 皆さんありがとうございます。詳しい人ばかりで助かりました。
メジュロン