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299 皆様のお世話になります。 ヴィターレ・ミキエルと申します。 よろしくお願いいたします。 第二次世界大戦時のイギリス軍のセントーMk.IV巡航戦車ですが、砲塔にスケールのような目盛りが書き込んでありますよね。上陸用舟艇から射撃をするため、砲塔全周に書き込まれた照準用目盛りだと言うことまでは何とか理解出来たのですが、どのようにして、あの目盛りで照準を合わせたのかがよく分かりません。ご教示して頂ければありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。
ヴィターレ・ミキエル

  1.  何ですかそれはと思って「砲塔全周に書き込まれた照準用目盛り」で検索をかけたら、「海上から射撃を行うときに、たとえ視界不良でも複数のセントーが同一方向へ射撃を行えるように基準として書き込んだ」ものだと出てきました。
     
    hush


  2. hush様 わざわざ調べて頂き申し訳ございません。わたくしも同一標的への射撃というのはなんとなく把握していたのですが、どのようにしてスケールを活用していたのかがよくわからないのです。思うに上陸用舟艇の要員が標的を選定し、砲塔のスケールを基準に「あと5センチ右、あと7度角度上げ」のような感じで各セントーの砲手に指示していたということでしょうか。戦果、効果なども知りたいところですがなかなか難しいですね。上陸作戦時に上陸用舟艇から戦車が砲撃をするという事を、わたくしは存じてなかったので、お詳しい方の解説をお聞きしたく思い質問をあげさせて頂きました。貴重な時間を割いて頂きありがとうございました。
    ヴィターレ・ミキエル


  3.  Tank Encyclopedia http://www.tanks-encyclopedia.com/ww2/gb/A27L_Cruiser_MkVII_Centaur.php というサイトに”It’s set up so an observer stood behind the tank on an assaulting landing craft can read immediately what direction the turret is pointing so he can lay them on to shore targets quicker.”とありますので、お書きになられている方法でいいようです。
     この塗装はオヴァーロード作戦のD-Day当日のみ、海兵隊のセントーで使われたようですが、当日は波が高く、あまり意味はなかったようです。
     参考 http://ww2talk.com/index.php?threads/run-in-shoot-by-ra-in-overlord-assault.16174/
     
    hush


  4. hush様 ご教示ありがとうございます。 ウェブサイトのご紹介、ありがとうございました。興味深い画像などが数多く紹介されており大変好奇心をくすぐる内容でございました。スケールの活用方法についてですが、hush様のご尽力のおかげで満足な回答を得ることが出来ました。お詳しい方のお話は大変説得力がございます。こちらの質問掲示板にお世話になって良かったです。ありがとうございました。
    ヴィターレ・ミキエル


  5. >4
     鄭重な御礼をいただき恐縮致しております。実のところ、オーヴァーロードよりネプチューン作戦のほうが興味がありますし、戦車にも空母と同じ名のケンタウルスなんていうのがあるんだなという程度の者です。
     ところで、興味深い画像云々で思い出したのですが、royal marines centaur d-dayでGoogleの画像検索をかけると、展示物やイラストでない、砲塔に目盛りをつけた実際のセントーの写真が見られます。Wikipediaに収められたものもありますので、ご存知かと思いますが、念のために記しておきます。
     
    hush


  6. hush様 質問にお答えいただいた上、大変有意義なWebサイト、画像検索ワードのヒントをご提示頂いて心から感謝いたしております。また何かありましたら、お世話になるかもしれませんが、その際にはお力をお借りできれば幸いでございます。
    この度は大変お世話になりました。 ありがとうございました。
    ヴィターレ・ミキエル



298 日本陸軍の牽引車の件で質問です。
九二式八屯牽引車 及び 九二式五屯牽引車の生産台数をお分かりになる方御教示お願い致します。
1944年中期あたりに前者を基本とした排土機が海軍向けに50台生産されているようで
オリジナルの方もそれなりの数が生産されたと思われるのですが生産数が掲載された
書籍等の情報が見当たりません。宜しくお願い致します。

陸奥屋

  1. 九二式八屯牽引車 1,657台
    九二式五屯牽引車 422台

    これは兵器生産状況調査表から私が集計した結果です。
    Taki


  2. Taki様 調べて頂きありがとうございました。
    その数値は制式化より昭和20年までの期間の生産台数と考えて宜しいでしょうか。
    陸奥屋


  3. 1931年から1945年までを集計したものです。他の牽引車の集計結果も私のサイトに掲載しています。
    http://www3.plala.or.jp/takihome/car.htm
    Taki


  4. Taki様 詳しく有り難うございました。
    陸奥屋



297 ショト装甲の効果について質問です。
レオパルト2などのショト装甲(楔形装甲)について、当初は楔形装甲の内部がそれぞれ別方向に急傾斜した多重の傾斜装甲が仕組まれており、L/D比が高くせん断力に脆いAPFSDSをへし折る効果を期待されているとされていましたが、実際には内部は中空であり、また厚みもごく薄いものでそれは間違いと訂正されました。現状、貫徹力の高いHEATを主装甲にモロに刺さらせない為のものであるとされています。

しかしNERA(非爆発反応装甲)を充填すれば、それぞれの装甲の層に達したタイミングで別方向に膨らみ、内部のそれぞれの装甲は歪な動き方をしてAPFSDSを細かくへし折り、流動化している先端部を残しその力を喪失させ貫徹力の局限に効果を発揮するのではないでしょうか。
つまるところそれぞれ90度逆向きの多々重反応装甲の様なもの、といいますか…
自分でも原理はあまりよく分かっていないので、ちょっと訳わかんない事を言っているかもしれません。
パンジャンドラム

  1. 技術の原理の細かい処は判らないので一般論だけ。

    反応装甲とは、被弾した際にその周辺を反応させて貫通を食い止める装甲です。
    原理上、一度食い止めたらその箇所は装甲としての用をそれ以前ほどには果たさない訳で。
    非爆発というからにはそれほどではないのかもしれませんが、周辺へのコラテラルダメージも在る訳で。
    そして不正規戦中心の現状では、
    高初速砲・ロケット・リニアモーター等何らかの手段で高速に加速してやらねばならないAPFSDSなどよりも
    自作すら出来る自己鍛造・成型炸薬・或は単に多量の爆薬による攻撃の方がずっとずっと脅威です。

    若し現在の技術で「戦車対戦車の対称戦」を追求するなら、というお話だろうとは思うのですが…
    にも。


  2. 高初速砲・ロケット・リニアモーター・位置(重力)・等、何らかの手段で高速に加速してやらねばならないAPFSDSなどよりも
    にも@追加。


  3. というか質問の意図がよくわからないのですが

    あの装甲にこういう仕掛けをすればもっといいんじゃないの? という意味ですか?
    でしたら、その技術が登場したのはいつか、それで見込める費用対効果はどれくらいか、
    といった問題を考えた上で、最終的には設計者や採用者に聞くしかないと思いますが
    通り


  4. >>3
    まぁ、「こうしたらこうなるんじゃないの?」という類の質問です。
    実際、当初言われていた様な、「内部が反対方向に傾斜した装甲が仕込まれていて、せん断力によりAPFSDSを破壊する」とされた(誤認に基づく)楔形装甲像って、内部にNERAを充填すれば実現可能ではないかと思い立ったもので深い考えはありません。
    ただこれについて忌憚のない意見をお聞かせ下さればなぁ、といった想定での質問です。
    パンジャンドラム


  5. NERAというものは魔法の装甲では無い訳で、実装された戦車は「無垢の鋼製装甲よりも軽量にかつコストの安い対成形炸薬弾装甲」にすぎません。
    ERAよりも効果が低くERAと同等の効果を得るためにはERAの4倍の重量を必要とします。
    また、一枚(一組)は薄いので機関砲クラスのAPFSDSにはERA同様に効果があっても120mm級のAPFSDS弾に対する効果はERAと同様です。
    APFSDSに効果があるという
    はいどーも


  6. NERAというものは魔法の装甲では無い訳で、実装された戦車には「無垢の鋼製装甲よりも軽量にかつコストが安く安全な対成形炸薬弾装甲」として採用されているににすぎません。
    しかしERAよりも効果が低くERAと同等の効果を得るためにはERAが1枚に対し4枚必要と言われますから4倍の重量を必要とします。
    また、一枚(一組)は薄いので機関砲クラスのAPFSDSにはある程度効果があっても120mm級のAPFSDS弾に対する効果はERAと同様といえます。
    APFSDSに効果があるという重ERAのようにすると鋼板と他材質を使用した多重空間装甲と何ら意味が変わらなくなります。NERAは使用する金属板が薄いからこそゴムのようなエラストーマの膨張で効果が見込めるのですから。つまり、初期のチョバムアーマーですから、重量的にそのような装甲を充填することは重量的に不可能です。

    したがって現状のショト装甲(隔壁装甲もしくは空間装甲という意味)は楔型表面(恐らくNERA構造)と内部の隔壁(右に1枚、左に2枚)による成形炸薬弾のメタルジェットの一次減衰と機関砲弾(特ににAPFSDS などの貫徹効果減衰を企図しているものと思われます。
    したがって「せん断力によりAPFSDSを破壊する」というのは戦車砲弾に対しては当てはまりませんがドイツ軍の大佐が「KE弾にも効果がある」と発言したのはあながち間違いではないと言えます。
    はいどーも



296 ソ連か、ドイツか忘れてしまったのですが、戦車の計画で砲塔の軸が前に10~20度くらい傾いた物があったと聞いた覚えがあるのですが、名前など詳しく知っている方はいますでしょうか?
疑問

  1. これでしょうか。
    http://www.dom1n.com/aw/armored-warfare-obiekt-490/
    名無し



295 いくつか調べたのですが良く分からないので質問させてください

APFSDSについてなのですが自衛隊では現在93式APFSDSを使ってると
思うのですがちょっと調べてみると
M375 105mmAPFSDSというものでてきて???となりました。

疑問点としては

・74式戦車では現在砲弾は何を主に運用しているのか?
・16式機動戦闘車は新規設計の1口径減らした低反動砲という事ですが
 74式と運用砲弾は完全互換しているのか
・M375とは何なのか?(M735砲弾のライセンス版?)

となります、質問部分が多いですが分かる範囲で教えてもらえると嬉しいです
ももんが

  1. >74式戦車では現在砲弾は何を主に運用しているのか?
    ・91式105mm多目的対戦車榴弾
    ・00式105mm演習弾
    ・93式105mm装弾筒付翼安定徹甲弾

    >16式機動戦闘車は新規設計の1口径減らした低反動砲という事ですが
     74式と運用砲弾は完全互換しているのか
    運用弾は完全互換です。
    根拠:陸上自衛隊仕様書
    16式機動戦闘車砲塔用特殊工具セット
    https://www.mod.go.jp/gsdf//chotatsu/document/pdf/02/52.pdf

    75式粘着榴弾2型(HEP)を使用するというような話もあるが真偽不明
    なお、16式機動戦闘車の105mm施線砲はL7の51口径を1口径増やした52口径の低反動砲(ロングリコイル)です。

    >M375とは何なのか?(M735砲弾のライセンス版?)
    M735の誤謬だと思います。
    はいどーも


  2. 教えて頂きありがとうございました。
    ももんが



294 三一式野砲、日露戦時の状態の露軍M1902の砲車および砲弾車の運動時の重量を、できれば陸軍の文書の出典元とともにお教え下さい。

誰か答えて下さい。

293 馬匹牽引砲の前車と砲(弾)車の連結方法のあらましを教えてください。
特に、初期から、ルーズな軸と輪で傾くことが可能だったのか、よりソリッドな方法あったのかについて、馬車が後者であることと関連して関心がございます。

誰か答えて下さい。

292 統制エンジンの怪

九八式軽戦車などに搭載された空冷の統制6気筒(日野重工 DB52)は130馬力/2000回転と、出力がやや高めです。(参考までに九八式6トン牽引車に搭載された水冷の統制一○○式(いすゞ DA50)は120馬力/1800回転です。)

しかし12気筒の空冷統制エンジン(三菱AC)は240馬力/2000しか出ないようです。
これはなぜでしょうか。こちらは過給器無しでも260馬力出てもいい気がするのですが。それともSA12200VDみたいにデチューンされているのでしょうか。

パンジャンドラム

  1. 単純に考えて増加馬力分だけ軸、軸受を大きく重くしないと耐えられません
    つまり伝達ロスは馬力とともに増えると考えてみると130馬力X2から増加伝達ロスを引いた値となる
    こんな考え方でいかがでしょうか

    tu



291 日本陸軍の十五糎榴弾砲は弾重量が少な過ぎると思うのですが、42〜43kgが主流だった米独の同級火砲と比べて榴弾効力面での違いはどの様になっているのでしょうか。炸薬比が高いと破片が粉々になり却って威力を減じるということも考えられますが。
パンジャンドラム

  1. カテゴリを間違えました。申し訳ありません。
    パンジャンドラム



290 九〇式野砲、三八式野砲、三八式改造野砲(短)の砲車および砲弾車、四年式一五溜の砲弾車の、運動時の重量を、できれば陸軍の文書の出典元とともにお教え下さい。
四年式一五溜の砲身車砲架車だと砲兵戦術講授録原則之部第三款野戦重砲兵に「砲身車及砲架車の両区分を以て運動し 重量は両車輌共約二○○○瓩」とあるように、ということです。

  1. 九〇式野砲の砲弾車以外の重量は「日本陸軍兵器資料集」並木書房に載ってます。書き写すのは面倒なので本を見てください。この本は泰平組合カタログの復刻ですから、陸軍文書に等しいです。
    Taki


  2. 多謝。



289 イギリスの巡航戦車は共通の頭文字Cを付ける事になっていたようですが、歩兵戦車には共通の頭文字は設定されてなかったのでしょうか?後チャーチルは紛らわしいとは思わなかったのでしょうか?
ヘルにゃんこ

  1.  イギリスの歩兵戦車はマチルダ、ヴァレンタイン、チャーチルですので、頭文字は共通しておりません。むしろ、ビショップ(司教)、プリースト(司祭)、セクストン(寺男)、ディーコン(助祭)と教会関係の名をつけた自走砲や、カンガルー、テラピン(スッポン)、ディンゴ、リンクス(ヤマネコ)というように動物名をつけた装甲車のほうが目立っているように思います。
     なお、巡航戦車はMk.VにカヴェナンターからCを頭文字とする愛称をつけたようですが、これは巡航を意味するCruiserに由来します。
     チャーチルの場合は国威発揚の意味でつけられたようですが、その頃は、巡航戦車の形式も少なく、まさかCで始まる名がその後何十年も使用されるとは思わなかったのでしょう。
     
    hush



288 日本海軍の将官用の乗用車について聞きたいのであります。海軍航空隊や陸戦隊の士官クラスになるとスタッフカーとして九五式小型乗用車が使用されていますよね。
では将官になるとどの車種を用いていたのでしょうか? 陸軍の場合民間の輸入車だったり、日産70型やフォード三七式やトヨタAA型のような車輌を使っていたそうですが、海軍だけはいくら調べてもわかりません… 個人的には海軍でも将官は輸入車を個人で購入したり、上記の車輌を使っていたと思っています。しかしこれには根拠が無いのでご教授していただけないでしょうか。
みかん段ボール

  1. 挙げられているような乗用車です。J-Tank 26号に海軍自動車教習の写真が掲載されていますが、写っているのはフォード、ビュイックなどの外国車とトヨタAB型です。
    Taki



287 九四式六輪自動貨車の九八式20mm高射機関砲搭載型について質問です。
wikipediaの記述を見る限り、車載型九八式20mm高射機関砲の車台については日産製自動貨車と豊田製自動貨車が整備されたとは書かれていますが、九四式六輪自動貨車を車台に使用したのは試験時のみという風に受け取れるのですが、実際に高射機関砲を搭載した九四式六輪自動貨車は量産されたのでしょうか?
みしま

  1. 九四式六輪型の量産は確認できません。部隊で使用中の写真は日産やトヨタしかありません。
    Taki


  2. 試作のみだった可能性が高いわけですか。ありがとうございました
    みしま



286 ネットでアメリカ製シャーマン ファイアフライという記述を見ました。これはイギリスの17ポンド砲を積んだファイアフライをアメリカでも量産した。ということでよろしいのでしょうか?それともアメリカのM1対戦車砲
M1対戦車砲を積んだイージーエイトのことうを指してるのでしょうか?(
まさのり

  1. ”シャーマン ファイアフライ”で検索をかければ詳しい解説が出てくる質問なので簡単に答えます。

    シャーマン ファイアフライは、英国ウーリッチ造兵廠でM4中戦車の75mm砲を17ポンド砲に換装、装備の一部を英国式に変更したものです。つまりアメリカ製の車体に英国製の17lb砲を積んだものです。これ以外にシャーマン ファイアフライは存在しません。

    アメリカは採用を検討して、M4A3ベースのファイアフライ中戦車を試験しましたが、M1戦車砲を積んだタイプの計画が進行中のため採用せず。1945年に、どうやら間に合わなくなり慌てて106両のシャーマン ファイアフライを英国に発注したものの終戦で取り消しています。
    タンジェント


  2. タンジェントさん回答ありがとうございました。
    因みにM1対戦車砲とM10GMC、M18GMCが積んだ
    76.2ミリ砲は同じと考えてよろしいのでしょうか?
    まさのり


  3. 申し訳ないありません。M18GMCはM1搭載でした。
    M10GMCのみです。
    まさのり


  4. M10GMCはM7装備です。

    まさのり殿、上でも書きましたが、ウィキペディア辺りを調べてから質問されることを御勧めします。
    タンジェント



285 ソ連軍が使用した事で有名な「ピアノ線トラップ」について質問です。
履帯にピアノ線が絡まって溶ける事で、固まって動けなくなる。
ノモンハンでは連隊長車はじめ、これで動けなくなって対戦車砲で仕留められた車両が多数いました。
しかしやられた当事者の認識をみるとどうも、「不覚!」、「痛恨の、、、」みたいな印象でしかないようです。実際それより後にもこの戦術が活躍した事例を聞きません。
そりゃ、「戦車が無力化できる!!」、というほどのものだったら以降の戦車の突撃は封殺される事になるわけですから、これに対しては何らかの対策があるのでしょうか。

私としては、この話を聞くたびに「え、こんなんで日本戦車止められちゃうの…ファンやめようかな…」と心が重苦しくなるわけです…()
パンジャンドラム

  1.  詳しいことは、わかりませんが、やはりノモンハンで、その「ピアノ線トラップ」に苦しめられたので見つけ次第、榴弾で吹っ飛ばしたのかもしれないです。
    板野ファン


  2.  本来、戦車は鉄条網や塹壕等の障碍物を乗り越えるために開発されたものです。したがって、戦車の履帯に鋼線が絡まって動けなくなるというのは、ありえないことのように思います。しかし、「藤田兵器研究所」様が公開されている、ノモンハンの再現実験の写真では、見事に絡み付いて、これは、除去しないと動けないだろうと思われます。
     http://www.horae.dti.ne.jp/~fuwe1a/newpage443.html
     戦車が使用された当初は、塹壕を突破されて恐慌をきたしたドイツ軍ですが、すぐに塹壕の幅を広げて対処しています。同様に、鉄条網においても、改良は加えられたはずです。特に、ソ連は冶金に関してはすばらしい技術を持っています。当然、鉄条網に関しても、材質の改善を行い、切れにくく、絡まりやすいものを開発していたはずです。
     お示ししたページでは、「陸軍歩兵学校築城研究班が再現したソ軍の低鉄条網で、実物よりも太めの鉄線を利用して作製されている」とあるように、日本では、ソ連の鉄条網と同じものは作れませんでした。ここでは、実際の材質についての記述はありませんが、鉄線ではなく、一般に書かれているようにピアノ線だと思っています。
     ところで、ピアノ線というのは、バネ鋼の一種です。つまり、炭素鋼であり、工業用としてはワイヤーやコイルバネ、それにPCコンクリートの緊張材として使われていますので、ごく身近なものです。しかし、飛燕に搭載された200mmマウザー砲が日本国内でコピーできなかったのは、使用されているバネを再現できなかったからだとされるように、世界レヴェルのピアノ線も国産できませんでした。
     また、ノモンハンで日本の主力だった戦車は97式中戦車だそうですが、これの出力は150馬力(170馬力と書いてあるものもあります)だそうです。そして、それを達成するための機関重量は1.2t(全体では2.5t)、排気量は21.7リットルを要しました。しかし、150馬力といえば、現在の日本では1ボックス・カーの標準出力ですし、昔のスバルのディーゼルの2リッターが150馬力を出しています。実際、ほぼ同時代のソ連のBT7戦車に搭載されたディーゼルは(T34等にも搭載されています)、排気量が38.8リットルもありますが、450馬力を出しています(これの最終形は700馬力までいっています)。
     もちろん、ドイツのII号戦車の搭載したガソリン・エンジンは140馬力と、97式より非力ですが、その代わり、97式より6tも軽い8.9tの重量しかありません。実際、鈍重で知られたドイツのティーゲル戦車よりも1t当たりの出力は低く、ソ連のピアノ線の強度がどれだけは存じませんが、動けなくなるというのもむべなるかなと思います。
     真偽不明ですが、ヴェトナム戦争でも、同様の方法で戦車を動けなくしたという記述もあり、これは、対戦車戦ではありふれた防御法のようです。ただ、日本の場合は、ノモンハンで初めて出遭ったので、きちんと対応できなかったということでしょう(1会戦分の砲弾補給にも苦労した旧日本軍に、見つけた鉄条網のすべてに榴弾を発射するようなことはできなかったと思いますが)。
     参考:http://www.luzinde.com/meisaku/tanks/chi-ha.html
     
    hush


  3.  200mmマウザー砲>20mm
     重巡洋艦か。
     
    hush


  4. 回答ありがとうございます。
    で、でた、旧日本軍弱小列伝…確か2005年ぐらいからある古いサイトらしいですね。
    馬力の割に車体が重いのは事実ですが、車体が重い分突進してきたときの慣性力、それを引き止める際の衝撃荷重、ピアノ線で耐えられるものでしょうか。むしろ二号戦車の方が動かなくなりそうな気もします。あとノモンハン事件に参加したチハは4輌ですので主力とはちょっと呼べない様な気が…撃破されたのはこの1両だけですね。
    でもともあれチハ以下の戦車はピアノ線でひっかかると見て間違いないでしょう。
    しかし疑問なのがその後です。
    ならばなぜその後の連合軍はチハに同様の戦術を使わなかったのか?という話です。
    ここまで出来過ぎた話なら敢えて使わない手はない、ならば使うに使えぬ事情があったのかもしれない、あるいは言い方を敢えて悪くすると相手が少々間が抜けていたという見方もできますか、ともあれピアノ線戦術というのを他に寡聞にして知りません。本当にありふれているのでしょうか。
    パンジャンドラム


  5. >4
    >ノモンハン事件に参加したチハは4輌
     それは失礼しました。

     ピアノ線で戦車が動かなくなるというのは、かなりショッキングな話なわけですが、これを鉄条網に戦車が突入し、炭素鋼製のワイヤーに絡みついてとなっていたらどうでしょう。
     また、2で提示致しました「藤田兵器研究所」様の記事によりますと、さまざまな対処法を考え出しています。また、鉄条網自体も、その気になれば見つけられるものと思われますので、迂回すればよいということになります。
     逆に、ソ連軍のほうから見るとは、対戦車障碍に、ワイヤー・カッターも何もなしに直接突入したよということなのでしょう。
     実際の所、これはトラップというより、ドイツの使用した「チェコの針鼠」と同じで、戦車を迂回させるためのものと考えたほうがいいのではないかと思っています。
     もっとも、ノモンハンのように、トラップになってしまったこともあるようで、tank barbed wire等で画像検索をすると、らしいものがヒットします。
     したがって、連合軍が「チハに同様の戦術を使わなかった」のではなく、旧日本陸軍が、これを対戦車障碍と認識し、対抗策を打ち出したり、迂回したということでしょう。
     
    hush


  6. なるほど、ありがとうございます。できれば起動輪や転輪のほうに工夫などされていることを期待していたのですが、やはり回避で十分対処していたのですね。
    しかし結局はこの程度の設置に当座の処置でお茶を濁さざるを得ないところに、仰った様なチハの車格馬力不足による限界が垣間見えました。
    パンジャンドラム


  7. 戦車第三連隊の七月二/三日の戦闘詳報では150米で発見出来たがピアノ線の抗力を侮り不用意に通過した戦車が被害に遭った。静かに通過した場合は通過出来た部隊があった。但し九七式中戦車と九七式軽装甲車の履帯は絡まり易い、と有ります。一応ピアノ線にかかり行動不能となり破壊された戦車は九七式×1 八九式×1 が戦闘詳報から読み取れますが遮蔽地でペンチで排除した車両が相当有った様です。
    poran


  8. poran様回答ありがとうございます。なるほど、勢いよく突入すれば勢いよくピアノ線が絡まってしまう…、確かにその通りの結果になっていますね。
    あと車種ごとの違いについても興味深いです。九七式軽装甲車は誘導輪が接地している事もいくらか関係があるのかもしれませんね。
    あと九五式軽戦車は馬力荷重に優れるので損害も抑えられた、とかも考えられます。
    ともあれ、ピアノ線というのものがわざわざ回避せずとも日本戦車装甲車にとってかならずしも確実な防御ではないのですね。少し安心しました。
    パンジャンドラム


  9. 95式と89式甲からなる戦車第四連隊の戦闘詳報にはピアノ線は出てこないのです。
    被害は我が戦車砲の射程外よりする45粍対戦車砲と戦車砲であるとなっています。
    対戦車砲は目標小で陣地変換が早く、戦車の稜線よりする砲塔射撃も発見しがたく損害を受けたのです。
    「ソ連戦車の走行射撃は脅威では無いが停止射撃の精度は極めて高い」と有ります。
    又ソ連軍は装甲車を餌として我が戦車を釣り出す等の戦法を使用したそうです。

    両連隊の戦闘詳報は大威力の戦車砲が必要としています。
     
    第三連隊の軽装甲車で手榴弾で破壊されたと思われる車両が1両有ります、これがピアノ線にかかった車両かも知れません。(他の命中団は砲弾では無く小口径の徹甲弾のみ)

    poran


  10.  石弘之、紀美子著「鉄条網の世界史」(2019年、角川ソフィア文庫)を読んでいましたら、以下のような記述がありましたので、参考までに引用しておきます。
     たとえば、日本の戦車部隊が悩まされた「低張鉄条網」である。直径40〜50センチほどの輪状や格子状にした鉄条網を地面に敷き詰めたものだ。
     そこに日本軍の戦車が突っ込むと、無限軌道(キャタピラ)を動かしている起動輪や転輪に絡みついて動きが取れなくなる。とくに、草原に隠すように幾重にも設置された場合には効果は絶大で、立ち往生したところをしばしば速射砲で撃破された。
     以上
     
    hush



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管理者 F4U : Ans.Q v1.40 [Shigeto Nakazawa]