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674 653の方に影響されての便乗質問です。第二次世界大戦時の陸軍省と参謀本部、大本営との関係を教えて下さい。

  1. 軍政事項を扱うのが海軍省や陸軍省、軍令事項を扱うのが軍令部や参謀本部になります。前者は議会の議決に基づいた法律や予算を基に兵力の大きさや組織を定める権限を持ち、後者は議会に関係なく軍隊を戦争や演習で動かす作戦面での権限を持ちます。この両者の権限の範囲は曖昧で陸軍と海軍によっても違ったし、時代によっても違いました。また現在のように文民統制の原則はないの前者と後者は並立的で、後者は天皇の「統帥大権」を根拠に直接権限を与えられている事になっています。


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  3. (続き)海軍軍令部は明治26年に参謀本部から独立しましたが、戦時には両者の方針がかみ合わずに齟齬をきたすことが予想されたので戦時だけの存在として「大本営」というものが早速翌年始まった日清戦争の時に作られました。これは天皇の司令部で、陸軍の参謀本部長と海軍軍令部長以下の陸海軍の参謀が天皇を補佐する形になります。実際に日清戦争の時には大本営は広島の第5師団司令部に前進し、天皇もそこで起居したそうです。


  4. (続き)ここでの御前会議には天皇の他に陸海軍大臣や首相も出席し、戦時と言うことで軍令関係に限らず軍政や国政に関することも決定されました。こうした大本営は日清日露まではうまく機能したのですが、太平洋戦争の時には大本営の陸軍部(=参謀本部)と海軍部(=軍令部)を調整する存在としては天皇だけという事になっていた訳ですが、軍部自体の権限が肥大し、天皇の存在が事実上形骸化していた当時はうまくいくべくもなかったのです。



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