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461 昭和20年3月19日の343空の大戦果は正確なんでしょうか。洋書では詳しく書いてないんですが。

  1. 米側の記録ではF4U 6機、F6F、SB2C数機ずつ(柳田邦夫「零戦燃ゆ」)の10機程度の損害だったようです。343空の損害は空中だけで12機(彩雲も加えれば13機)が落とされ、搭乗員15名戦死、4機大破、5機炎上の損害で、しばらく作戦不能


  2. (下の続きです)でした。しかも米軍の損害は対空砲火によるものも含まれると考えられ、具体的に何機とは特定しにくいようです。前月の関東地区空襲での日本側約80機、米側60機の空戦での損失数を比較すると、零戦主体で戦ったのこちらの空戦のほうが大戦果と言えます。ですから米側は「ゼロとドックファイトするな」とはいっても残念ながら「ジョージの新型に気をつけろ」とは言っておりません。


  3. スプルーアンス伝に22機との記述もあるようです。


  4. キング元帥の報告書では、19日〜21日の間に116機を失ったとあります。内訳は不明ですが。


  5. ホーネットU搭載のF6Fだけで8機を失ってます。


  6. 空母ベニントンのF4Uは3機損失、8機被弾の損害を受けてます。(いずれも米側記録)


  7. どうして米軍が、紫電改についてそれほど恐怖感を抱かなかったというと、撃墜報告は82機にものぼり、戦果誇大に気づかなかったためです。紫電改の撃たれ強さを判らなかったんです。


  8. たった54機の出撃(当時としては大編隊ですが)では10機も撃墜していれば大戦果と言えるのでは?それ以上のスコアには信憑性が無いように思えますが・・・。やっぱ神風が吹いたんでしょうか。それとも源田実が吹いたせいでしょうか?


  9. 2月の関東空襲の損害60機につては58機動部隊の参謀会議で敗因分析が行われていますが、3月の空襲に対しては問題となった様子がありません。従って空戦そのものよる損害は許容できる程度のものだったのではないでしょうか。米側の戦果報告は82機とのことですが、2月の関東空襲では320機に及んでいます。ほぼ4倍の誇大戦果ですが、キルレシオを考えると20機も空戦で落とされていたら大問題なのでは?


  10. 結局、伝説は伝説として、深く突っ込まない方が無難ですね。



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