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739  戦術兵器とと戦略兵器はどこで区別されるのでしょうか? (例えば核兵器とか) 

 あまりにも初歩的な事なのでお恥ずかしいですが、何度聞いてもごっちゃになってしまうので、どなたか覚えやすくお教え頂けますでしょうか?

 
みかん

  1.  戦争の目的遂行のための企てが戦略、戦闘のそれが戦術です。
     第二次世界大戦で都市等を爆撃することによって、戦意を失わせたり、工場を破壊することによって戦争を続けるのを困難にすることは戦略です。
     対して、一つの戦闘、たとえば真珠湾攻撃で水平爆撃と雷撃の順番をどのようにするかと言うのが戦術です。
     したがいまして、戦略核兵器とは都市や国家を無力化するために、戦術核兵器は直接向かい合う敵兵力を攻撃するためのものを言います。
     ICBM(大陸間弾道弾)は都市や国家を攻撃するためのものですから戦略核兵器、核爆雷や核魚雷は相手の潜水艦を沈めるためのものですから戦術核兵器となります。
     私も、長い間、この二つがごちゃになっておりました。
    みかんさんだけではないと思います。

    hush

  2. hush 様をはじめとして碩学諸氏の見解が出てくると思いますが、未熟者の駄レス(見解)を書かせていただきます。

    戦略兵器:戦争そのものに直接影響を与えるように使われる
    戦術兵器:(敵前での)戦闘の道具として使われる

    くらいの見分けをしております。大まかな目安として。

    ややこしいのは、

    同じ兵器で、戦術的にも、戦略的にも使われるモノがある
    (B−17、B−24、巡航ミサイル等々)

    戦術と戦略の、間を埋める兵器思想や、運用を思想としている兵器がある
    (冷戦期欧州配備の短、中距離ミサイルには、「戦域核兵器」という運用が考慮されていたモノがあったはず。。。これは意味が違うかも。。)

    のようなことが多々あるので、兵器単体で、厳密に区別して考えると、ややこしくなると思います。

    よって、いい加減かも知れませんが、

    兵器単体で見ても、戦術兵器か戦略兵器か、厳密に区別ができないことも多い。
    むしろ、運用する部隊とか、運用される状況によって、区別が段階的に違ってくるのではないか、と考えております。

    核兵器は、配備されているかたち(機材の性能、配備部隊、配備地の立地等)で、戦術、戦域、戦略、という区別が比較的簡単な例だと思います。


    書いているうちに気になってきたこと。。。。
    たとえば、米本土沿岸のトライデント級原潜の弾道弾発射阻止の任務を帯びた攻撃型原潜、というのは、戦術兵器といえるのだろうか。。。。戦略的なニオイが強すぎる気がする。。。。

    まだまだごちゃごちゃの未熟者で失礼しました。(大汗




    まつかぜ

  3. 運用上は厳密な線引きは不可能だと思います。
    戦略兵器として要求開発された兵器であっても戦術的な運用が可能なものはいくらでもありますし、戦術兵器であってもそれが存在することで相手国に戦略的な圧力を強要する存在もまた枚挙に暇がありません。

    ただ、核兵器については、定められた幾つかの条約や協定からすれば、無理やりな感はありますが一応の区別は可能となっています。
    これらも後付け的に既に存在する核兵器やその発射システムを分類したものに過ぎないわけですが。
    まなかじ

  4. 確かに厳密な線引きは不可能であるわけですが、今日、一般的には戦略兵器削減交渉(START)の対象となっているものが戦略兵器、他は戦術兵器という扱いになっています。条約の定義によるわけで甚だ便宜的ですが。
    かつて第二次戦略兵器制限交渉(SALT−II)の頃、ソ連のバックファイア(Tu−22M)は戦略兵器の部類に入るのか、米ソ間で真剣に議論されたりしました。結局、ソ連から米本土を往復攻撃するには能力が不足している(キューバの基地に着陸すれば米本土攻撃可能という意見もあったが)ということで「戦略兵器」とはならなかったものの、戦略兵器に準じた兵器として保有数が制限されました。
    中距離爆撃機として扱われているバックファイア、SS20(旧ソ連)やパーシングII(米)といった中距離弾道弾について「戦域核」という言い方がありますが、これも国際交渉・条約の定義に基づくものです。
    アリエフ

  5.  皆様、丁寧なレスをありがとうございました。 m(_ _)m
    みかん


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