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戦記本、特に分析や批評モノ(太平洋戦争の研究本なんかの類)において信頼できない本にはどのような傾向があるのか簡単に教えてくれませんか? ナコルル |
- 簡単にいうと、誤植が多い本はまったく信頼できません。
私の手元にある本では、コーエー刊『戦艦名鑑』や
新紀元社刊『死闘の海』あたりが酷いです。
本を買うにあたっては、軽くでも読んでみて誤植が見当たらないか
チェックすることをお勧めします。
DashMax
- 「圧倒的な強さを誇り敵機を寄せ付けなかった」のように、大袈裟な形容詞の付いた断言口調は話半分にとらえておくべきでしょう。
ささき
- 2.とかぶりますが零戦とヘルキャットを単純比較して「零戦は人名無視・生産性軽視の性能一本の戦闘機だ。こんな機体を作る日本人に近代戦戦う資格ないんだ」といったような偏った断言をするような本は信用できないと思っています。
ロックマン
- 戦記(体験談と称する)についての判断基準です。
第一は、入隊年月日・期別・部隊名・転属時期・部隊名などを明確に記述しません。
第二は、在隊時の、同期生・先輩後輩(所謂戦友)の氏名や関連記述が極端に少ない。
従来の出版本でも見受けられましたが、最近のHPなどにはしばしば見受けられる
傾向です。体験者が見ればすぐに見抜けることでも、未経験者には分りません。
年齢的に、HPなどを見る体験者が殆どいないのが、彼等のねらい目なのです。
疑問がございましたら、ご一報ください。 http://www.warbirds.jp/senri/
蒼空
- どんな本でもおなじですが、信頼できる本は
1)主張の根拠が挙げてある。
2)その根拠となる事実の出典が示されている。
3)その出典の詳しい表示がある。
これが基本で、最低1)を、出来れば3)までやってくれれば、ある程度信用できます。図鑑や基本的な解説書などでは一々資料が示されていない場合が多いでしょうが、その場合も、出典や参考文献の詳しいリストのあるものの方が、一般的に信用出来ると考えていいでしょう。
また、議論の分かれる問題を扱う場合ですと、
1)自分と違う考えの説も紹介している。
2)自分と対立する説も敬意をもって誠実に紹介しようとしている。
3)自説の不利な点、不十分な点についてもはっきり書く。
これも1)〜3)の順で、後の方までやっていればいるだけ、信用出来ると考えられます。
ただ、この場合「資料の取り扱い法が誠実で正しい」からといって、その人のいってることが「正しい」とはなりません。ただしその問題を自分でも考えようとする場合は、こういう人の資料を基本にするといいでしょう。
カンタニャック
- 皆様とかぶるのですが
どちらか一方のみをほめちぎったり、「全くダメだった」「全てが完成されていた」というように極端なプラス評価、マイナス評価を下したがるのは眉唾物だと思っています。物事そんなに極端ではないと思うもので。
あと、一面のみを見て「○○より○○のほうが強い」と安易に言い切るのもどうかと思います。
>4 参考にさせていただきます。生証人というべき方がいらっしゃるのはとても心強いです。
レギオン
- 基本的に、蒼空さんやカンタニャックさんのおっしゃるとおりだと思いますが、
個人的にまだ今の段階(時代)では、
「関係者の顔色を見て書いている。」
「情報が非対称であるにもかかわらず、国際的な比較をしている。」
なんて問題もあると思います。
バウアー中尉
- バウアーさん、いい所を突いているけれど、それは回答じゃないですね。
しかし、安易な形での比較というのは害があります。
誰にでも見破れるような形であれば良いのですが、仮にそれがもっともらしい場合、新たな誤解を育てかねません。
また関係者の顔色を見る、という事も難しい問題で、存命の方々がいる場合、少しの敬意も払わずに書くのもどうかと思います。
BUN
- 私のHPに「終戦異聞」の頁があります。有名作家の「宇垣特攻」につての記述を分析しております。参考にしてください。 http://www.warbirds.jp/senri/
蒼空
- 1、誤植が多い本はまったく信頼できない
とのことですが眉唾物として知られる三○正○氏の本ではミッドウェーで日本空母に命中した爆弾が1000ポンドのところを500ポンドと書いたり、戦艦ローマを攻撃した独爆撃機の数を9機のところ6機と書いたりしているようですが(それぞれ日本空母の打たれ弱さとフリッツXの高命中率を強調するためらしいですが)そういうの操作をするのが信頼できない、ってことなんですね。
ロックマン
- うーん、
エンタープライズ爆撃隊はVB(爆撃中隊)とVSB(偵察爆撃中隊)
から構成されていて
VSBは500ポンド爆弾を搭載していた筈なんですが・・・
秦郁彦氏も戦艦ローマ等襲撃時のフリッツXは
全部で6発と書かれているんですが事実は如何に。
私ならパウル・ハウサー入隊時(1898年)に
「ドイツ帝国陸軍は存在しなかった」と
なぜかわざわざ書き
(学研武装SS全史I、149ページ)
ヘルマン・フェーゲラインSS少将が
レニングラードで警察大隊長だったと書いた
(学研「武装SS全史II」、128ページ)
中部大学講師守屋純君の名前をあげたい。
Kleist
- 11>誤解を与えてしまったようですみません。正確に言えば一部500ポンドで大部分は1000ポンドです。それを彼は全部500ポンドと書いてました。
ロックマン