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630 先日、家の押入れの中を弄くっていたら去年亡くなった祖父(父方)が書いた手記らしきものを発見しました。
中身はまだ詳しく確かめていませんが書かれてから60年くらい経過しているものもあって、かなり痛んでいるところもあり、解読不能な個所もあります。
こういったものはどのように取り扱えばいいのでしょうか?
涼月

  1. 貴重な史料なので、大事に保管しなければなりません。紙が工業製品の洋紙の場合(羊皮紙・和紙などで添加剤を加えていないものは除く)は、酸性紙と云って、そろそろ紙そのものがポロポロに劣化する時期なので、必ず複写をとっておき、そっちを研究用・閲覧用に使用し、本チャンの現ブツは、できるならば脱酸処理を行い大事に室温調整をした金庫ないし保管室にしまっておきましょう。
    和紙は劣化しませんが、虫が食うので、毎年、湿気の少ない天気のよい「高燥」な日を選んで「虫干し」して虫を退治します。(瓦斯燻蒸の手もありますが、業者にタイマイとられるし、健康にもよくないし、書庫そのものを瓦斯で密閉消毒する方法なので隙間の多い民家にはお勧めできません)
    「羊皮紙」あるいは「酸性紙ではない繊維紙」の場合は、水溶性インクを使用していない限りは、清浄水で丸洗いする方法が利きます。ただし、これには特殊な技術がいり、西洋古典史料の保管と鑑定と復元補修を取り扱う専門家でなくてはできないワザなので(經濟洋古書コレクションを維持している一ツ橋大学あたりにいらっしゃるような気がしますが)、自分でするのはまったくお勧めできません。
    一番よいのは、然るべき文書館・図書館に寄贈するのが良いと思います。費用向うもちで丁寧に保管してくれます。ただし公共的な組織以外では(大学図書館などでも)、書庫に収蔵されてしまい、寄贈者さえ自由に閲覧できないようになってしまうリスクもあります。目録をとるのにお役所仕事以上の歳月がかかり、自分の寄贈物を所蔵目録で確認できるのは、寄贈後十何年のちと云う事態も覚悟しなければなりません。(そのため寄贈礼状や受領証はシッカリ保存して「寄贈」行為の証拠にしておきましょう)そのかわりに上に述べた脱酸処理をはじめ、メンテはわりとよいです。
    中味が価値あれば、「なになに史料集」として費用向うもちで印影本出版(写真復刻)になる可能性もあります。
    古本屋や好事家の手に渡ると、死蔵されてしまう可能性があるので、寄贈する時はなるべく公の機関、それも幾つか文庫(特殊コレクション)を持つ名の通った所を選ぶのがコツです。
    あるめ

  2. ということで試しに都内有数の大学図書館に行ってみましたら、誰でも手にとって見れる書架の390(軍事)の分類のところに、海軍練習生の直筆日記が造作なく置いてありました。さすがに帙入りとなってはいましたが。
     表紙裏を見てみると、どこかの古書店から館員の誰かが販売目録で見て購入したものらしく、館外貸出しもその大学の人ならば自由にできます。大きな図書館は、名が通っていても、理解のない館員の手に掛ると、こういう無神経な取扱いも平気でするので、寄贈相手は慎重に選ばないと、存外な取扱いを受けます。
    あるめ

  3. ありがとうございます。
    一応、簡単な目録(BirdsTownの私のところに掲載しました)を作ってみましたが、それ以上のことは現状では難しいです…。
    親に聞くところによると祖父はこれらを元に本を出版したかったそうです。

    引き続き、アドバイスがあればお願いします。
    涼月


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