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まことに不謹慎な質問ですみません。 ガダルカナル・ニューギニア・フィリッピン方面で飢餓戦を戦われた方々が、 救出され・または久しぶりの食料にありつけたとき、腹一杯食べた方の中には、次々に 亡くなられてしまった方もいたと聞きます。なかには箸をつかみ、飯盒に顔を突っ込んだままで 亡くなられた方もいたとか。 また、いくら食べても満腹感がえられなかったとか。 なぜ、このような事態が引き起こされてしまったのでしょうか。 どなたか教えてください。 はにまる |
- 戦国時代、兵糧攻めによる落城後、飢餓状態にあった城内の農民が解放され飯を食べさせてもらい満腹になった翌日、彼らはほとんど死んでいたというような話もある。
で、このような話は、最近よく耳にする激痩せや大食いといった摂食障害によるものと思う。下のサイトに詳しく説明されているが、体を飢餓状態にしてしまうと、体は本来の生命力を発揮して必死で生き残ろうとし、体にできるだけたくさんの栄養をとるように命令する。また脳の視床下部の食欲中枢が正常に働かなくなってしまい、満腹感、空腹感がわからなくなってしまう。
このため、飢餓状態で満腹感を感じないまま大食いし、それが弱っていた体に却って負担をかけたのではなかろうか。長期間の空腹状態で消化器も弱っていたと思うわけ。
こういう場合は、無理に大量の食事を取るのではなく、スープやお粥など消化に良い物を適当量食べて体を徐々に慣らしていった方がよいとか。
ついでに、朝と夜の食事の間隔が長く、空きっ腹で寝る前にどか食いする相撲取りの食生活は短命の基だとか。私も気をつけねばならん。
(参考)
http://ed.cutie.cx/eating2.htm
アリエフ
- 常ならぬ極端な飢餓状態ですから、脱水もともなって、身体の代謝としては低血糖や電解質のアンバランスが異様な状況で存在している筈です。もちろん貧血なども加わっているでしょう。であれば、食事による不足物の摂取以前に、まず輸液による循環液量確保、そして電解質値の補正と血糖値の確保に留意しておかないと、電解質バランスの異常から心不全による急死も有りえますし、血糖値異常が大きければ、脳浮腫などもきたす恐れがあるでしょうね。急な大量摂食による消化管系への血流集中(脳をはじめ他の部分は虚血傾向?)も関係するかもしれません。あっと云う間に急性循環不全=ショック状態に陥ってしまいやすい状況です。いずれにせよ、単に飢餓/空腹というよりも、全身のあらゆる代謝バランスや循環が崩壊寸前にまでなってしまった状態を想定したほうが理解しやすいように思います。
MB
- ちょっと関連話題。先の米軍によるアフガン攻撃の際、米軍は現地難民に対して人道援助用糧食HDRを大量に空中投下しましたが、HDRを食べた難民の多くが腹痛や下痢などの体調不良に見舞われたそうです。これも、食糧不足で消化器系が衰弱した身体のまま固形物の多い食事(HDRの基本メニューは固形系のメインディッシュ2パックにクラッカー、フルーツペストリー、ビスケット等。流動食といえるのはジャムとピーナツバターのみ)を摂ったのが原因だったようです。含まれている合成保存料等の影響もあるでしょう。
わしも風邪ひきの時に健常時と同じ食事をして下痢に悩まされた経験があるので、この辺は実感済です(;^_^A(苦笑)
超余談ですが、サープラス店で入手して食べたHDRのメインディッシュ(米のローフ、大豆とミックス野菜の煮込み?)は最悪な代物でした(;^_^A クラッカー等のスナック類はそれなりにいけたんですが・・・
ブラック・タロン
- >いくら食べても
うちの学校の生化学の教官は、飢餓状態が続くと消化酵素を作るための原料すら生命維持のために消費してしまうので、食べても消化できずに死ぬ、と言ってました。
大名死亡
- たくさんの詳しいご回答、有難うございます。
飢餓の後に急に食事を採ると、電解質バランスの異常で心不全を起こし、
ショック死に近い症状を引き起こしてしまうなんて驚きました。
脳下垂体の麻痺で満腹感が得られなくもなってしまうんですね。ガダルカナル島から
ブーゲンビル島に収容された後、「力水」と称する砂糖水を与えられ、徐々にお粥を与える
といった治療を受けた方もいると聞きました。今思うとそれはとても理にかなった治療だった
のですね。
南方諸島の島嶼戦全般に興味があり、最近調べ始めた未熟者です。みなさんを困らせる質問も
あるかと思いますが、これからもよろしくお願いします。
はにまる