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太平洋戦争中、日米英の数多くの商船、軍艦が損傷または沈没しましたが、その際に海に流出した重油や軽油、ガソリンはどうなってしまったのでしょう? 数年前、座礁したロシアの貨物船「ナホトカ号」1隻から流出した重油等が海岸に漂着、近辺住民等が苦心惨憺して回収作業をしていましたが相当な被害であることが伺えました。 たった1隻の事故でこの有様なのに戦時に流れた多量の重油は「現在も海岸に今だ残っている」と言う話を聞いた事がありません。やはり自然浄化でしょうか? グリスボックス |
- 日本海軍機の攻撃によって真珠湾に沈んだ米戦艦『アリゾナ』の船体から現在も重油が少しずつ漏れているというのは有名な話ですね。最近では環境汚染に繋がるとの理由で抜くべきではないかという意見が出ていて、遺族や退役軍人会辺りから反対の声が上がっているという話を聞いたことがあります。
ブラック・タロン
- ナホトカ号事故に関して言えば、
1)流出油が重油中心で揮発性が低い
2)厳寒期で水温・気温ともに低く、揮発しにくい
3)比較的近海で沈没し、海流により陸岸に漂着しやすい
4)1&2により、流出油がゲル化したことで回収を困難とした
ことに加え、
5)積雪期の北陸地方では現金収入が少ないため、日当五千円の清掃ボランティアに人が必要以上に集り
6)生態系保存の観点からすると行き過ぎた清掃作業が行われた
ことも一部で指摘されています。
また、ナホトカ号は小型とはいえタンカーですので、一般貨物船に較べて流出油量が多かったこともあります。
で、ご質問の戦時中の事例ですが、一般的な場合(外洋で沈没した場合)
A)タンカーでなければ流出油量は比較的少ない
B)被雷の影響で流出油に引火し、洋上で焼却処分されたのに等しくなる
C)海流のある外洋であれば、拡散速度が早く(薄まるのが早く)自然浄化も早い
ことが考えられます。
一般的に言われていることですが、この条件の差が影響しているのではないでしょうか。
能登