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第二次大戦中、代用血液として、海水が使われたそうですが、具体的にどのように使われたのでしょうか。 にわとり |
サラ系
まつおか
BUN
BUN
その濃度はたしか0.7%。生理食塩水と呼ばれています。
恐らく、海水を薄めて生理食塩水を作り、血液代わりに使っていたのではないでしょうか。
かすた
書いてあるそうですね。椰子繊維から作った糸が縫合に使用できる,というのも
聞いた事があります。
大塚好古
J
第一用途は血液循環量の確保です。失血した場合、それが予想される場合等に使い
ます。リンゲル液の場合は、ちぃっと成分が違うのですが、使い方はほぼ同じです。
もっとも生理食塩水の場合は血液よりもClが多いし、栄養素もバッファも何もないか
ら、病院ではリンゲル液を使います。
海水の使用についてですが、煮沸した海水に、浸透圧計で測りながら水を足して代
用するということは、可能ではあります。確かにこんなものはかさばるわけですから、
補給物資にリストアップするのは、アメリカ軍でも敬遠されるかもしれません。そう
いう意味で、使われたことはあるかもしれません。
しかし不純物の問題がある。海水は微生物の巣窟ですし、煮沸したとしても蛋白質
等が残留していると、ショックを起こす可能性もある。もし蒸留施設が充実している
ならば、海水なんか使うよりも、蒸留水に塩類を調合して使ったほうがよっぽどいい
と思うんですが…
現在縫合糸として使用されているのものとして、材料で大別すると、絹、ナイロン、
その他(吸収糸が多い)ですが、私の上司が「戦後、椰子繊維を使うことが流行った
けれど、ナイロンに押されて廃れてしまった」と話していた記憶があります。
この辺、ちと面白いですね…調べてみたい…
ごるぴゐ
クラマ
出張先からなので、検証できないのですけれど、記憶です。
無頼庵
にわとり
のエピソードとして記されています。
新潮文庫から文庫本で出ています。
本屋で確認してみてください。
T.M.
>阿川弘之氏の「軍艦長門の生涯(下巻)」内に、海戦時(たぶんレイテ海戦時)
これに、生理的食塩水を使ったことが載っていることは分かっていたのですが、
あいにく現物が見つからずに確認できておりませんが、これはミッドウェー海
戦のときのことだと記憶します。
ちなみに、私の記憶と推測に間違いがなければ、「軍艦長門の生涯」の執筆時
に阿川が参照したとも考えられる、この件の当時者たる第十七駆逐隊軍医長久
米利郎軍医大尉(当時)の手記そのものには、確かに主計長に塩を焼いてもらっ
て、生理的食塩水を作ってどんどん注射したとの記述があるのですが、決して
海水を使ったとは書いてありません。まあ「これならなんぼでもある」という
表現が暗にそういうことを示しているのかも知れませんが。なんとも言えませ
ん。
件の「軍艦長門の生涯」の下巻のみなぜか見つからず、記述の検討ができない、
さらには久米軍医大尉の記述と「軍艦長門の生涯」に書いてある件が同一の件
なのかなどの確認ができない等の理由から今まで控えておりましたが、とりあ
えず、今ちょっとだけ時間があってここに書く余裕があるのと、速報する意味
で書かせていただきました。
ただ、「軍艦長門の生涯」には手記の内容とはもうちょっと別のことが書いて
あった記憶がありますので、私の記憶が正しいとすれば、阿川弘之が独自に久
米氏に取材をしたとか、別途何かの資料によって記述を補った可能性はあるか
もしれません。
今泉 淳