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なぜ日本の兵器は、高いんですか?価格は下げられないんでしょうか? 007 |
例えば、とある兵器に100円の研究費をかけたとします(安いな、おい)。
で、発売数が100個とすれば、1つ当たりの研究費は1円です。
しかし、1個しか作らなければ、1つ当たりの研究費は100円です。
で、もし1つの生産に必要な材料費や人件費の合計が50円だとすれば、100個作った場合、51円になります。
しかし、1個しか作らなかった場合、めでたく150円となります。
こうして、高額兵器が出来上がるわけです。
まだ他に理由があるとは思いますが、詳しくないので他の方に任せます。
かすた
sorya
ただ、日本の街中で売られている自動車にしても、東南アジアで現地生産・販売されているものは日本国内より相当安い値段で売られているんだけどな。
それに、兵器の価格って政治的な因縁や軍事援助など絡んでいて、そんなに単純じゃないんだけど。
アリエフ
最大の理由はコスト削減圧力が掛からないことでしょう。
@ この種の役所の予算は公共事業に象徴されるごとく予算枠そのものが既得権益のようになっていて、国防に必要な戦力とか技術革新によるコストダウンとかは関係なく、対前年比で何%の予算増を勝ち取ったかが、常に内局各課や関係企業の最大の関心事になっています。もちろん調達数の方は上限を設けられていますので、予算の伸びと関係企業の利潤を確保するためには、単価で稼ぐしかないので、単価を積極的に削る理由が無かったということです。
わざわざ無意味に豪華なものを買うのは防衛庁の習い性となっており、「たかが」数百億円位のムダな開発をしても、防衛予算全体からみれば、微々たるもんだからいいじゃないか、なんて浮き世離れした感覚が出るのも税金の予算枠は自分(メーカー)の既得権益と勘違いしている人がいるためです。
A それに加えていわゆる調達側と企業の癒着ともみえる不明瞭な関係があり、極力企業間の競争を排除した指名入札や随意契約によって、無理して値引きしなくても注文が取れる環境が長年続いていたことがあります。これが弊害を生じているのは一般競争入札を実施した途端、空自初等練習機の調達価格が半分近くに下がっちゃった事例をみても明らかです。
また、こういう状況は防衛庁に限らず、多くの役所や官僚化した企業で一般的にみられますが、こういう場合、こちらのメーカーの方が安いからといって、メーカー間の調達シェアをいじくろうものなら、担当者の左遷は必至であり、余程の覚悟無くして担当者レベルでの改善は相当困難です。
まあ防秘などの関係もあり、言うほど単純ではないでしょうが、単価を下げるには、この辺りの調達の仕組みと企業間の競争を如何に確保して、コスト削減圧力を作り出すかが大きな問題であり、これに手を付けずに単に輸入品を買ったところで、防衛庁に国際調達のエキスパートがいない現状では、商社に利潤をもってかれて終わりでしょう。単に国産だから、輸入だからという簡単な理由ではありません。これくらいは掛かるからと自分の都合を並べて、真面目にコストダウンをしないメーカーからはもう買わずに、多少性能で劣っていても他から調達する、くらいの意識改革がないと、コスト削減はなかなか難しいと思います。極論のように聞こえるとすれば、世界には開発されたものの高価格を理由に採用されなかった多くの兵器があることを思い出していただければと思います。
なお、会計検査院にいた友人の言葉を借りれば、防衛庁の調達関係はまさに奇々怪々であり、少なくとも全省庁で最も会計検査に非協力的な役所、だそうです。
ナイショナイショ
他の国と比べて本当にいないのか、具体的な証拠を上げていただきたいですね。それに、どこの国でも国防予算の中身、特に兵器開発・生産分野というのは他の種類の予算に比べても不明瞭です。輸入やライセンス生産の兵器にしても、製造国との関係上、兵器の内部の機器構成や契約価格の詳細まで明らかにできるものではない。
それに、多くの本に書かれているのは新製品の調達価格ですが、兵器のような精密機器には相当額のランニングコストがかかることをお忘れなく。これを含めて兵器のトータルコストが高いのかどうか議論すべきですね。
アリエフ
UAEに国際調達のエキスパートがいないからかな?でも、アメリカにとって中東地域の安定上、重要な意味を持ち、積極的に軍事的支援を行わないと国防政策上、不味いことにもなりかねないイスラエルに対し、UAE並みの値段でF16を売りつけることができるのだろうか?同国の自主開発のラビ戦闘機を開発中止させたことの代償という噂も聞くが。
アリエフ
次回の株式総会では紛糾必死。
まあ、ライン放っておくよりかは赤は少ないかなレベルだけど。
sorya
sorya
てサンクスだな。もう面倒だから工程見積もりすんのやめるわ。
ついで。わしの見積もりだと、安いといわれる軽装甲車。90と同じ年間取得量だっ
たら三億は固い。
sorya
アリエフ
等と最近思ったりする私は悪い人でしょーか(爆)。
ちなみに、軍事系各誌の外国製は安いってのは何割も割り引いて考える必要が
あります、だって、各誌に海外のメーカーが広告載っけている訳で、提灯記事
を書いてないとは限らん訳ですから。
何故それだけの値段なのか、良く考えてみる必要があるですよ。
ooi
心の琴線に触れられたようですが、別に本論とは関係ないので、防衛庁
内にどなたか経験豊富な方をご存じでしたら、このフレーズは喜んで撤
回させていただきます。自分が考察したいのは予算枠の問題と調達シス
テムの方です。
後の部分ですが、自分は輸入、ライセンス生産の方が安いとかコスト
の中身が明瞭とか言っておりませんし、思ってもおりません。
>9 自分は、コスト削減とは徹底的なコスト管理の上、省けるムダを
全て省いたその後に、更に本来必要なコストも含めて、見直し削り込む
ことだと習いましたし、そう思っています。
soryaさんは、生産ライン部門を分離すれば、90式は1/3くらい
コスト削減できると以前に書かれていたと思いますが、生産コスト削減
のための努力とは、まさにそういった生産システムそのものの全面的見
直しに繋がるわけです。
随意契約や指名入札は、企業にそこまでの努力を強いる制度ではあり
ませんので、コスト削減圧力が無いと書きました。誤解を招いたようで
すが、コスト管理をしていないなんて思っておりません。
ただ、素面になって読み直すと自分の文もひどい文章で、今後はきち
んと推敲してから書き込まなければいけません。これについては素直に
反省です。
ナイショナイショ
ビル鋼材のトン当たり単価なんてここ10年で1/3ぐらいに削られて末端工場は真っ赤っかなんですよ。
阪神大震災とかの時崩れた建築物と崩れなかった建築物の差は末端業者の詰め腹の割合みたいな物です。
実際コンクリート橋はニュース映像の様に壊れましたがコストが高くて公共事業の悪の様に言われていた
鋼橋は一つも倒れませんでした。
誰もがどんぶり勘定でぼろ儲けしている訳ではないです、単純な競争入札して技術の無い所に丸投げ
なんかされたら目も当てられないです、工員さんの技術維持だって大変です。
それを考えるとコスト高でもきちんと作って演習に使えている国産兵器は良い線行ってると考えます。
凄く安い兵器を輸入したいならT-55千台とか、MIG-21百機とかロシアとかの超中古兵器をごっそり買えば良いです。
T-55なんて数十万円で買えるらしいし、十分な戦力は揃いますよ。
後輸入兵器のソフトウェア代も忘れてはいけないです。
たとえばイージス護衛艦1300億円のうち半分前後がソフト代らしいです。
文字通りアメリカ軍の血の値段ですので簡単にはまからない様です。
だーくまたー
果たして何割がまともに動くやら(^_^;)。それを操る兵員の頭数も足りないし、養成コストも計算外ですよね。
>少数生産
我が国は有事となって本当に兵器が必要になったとき、海上封鎖によって緊急輸入という選択肢を閉ざされる可能性が高いです。わざわざ効率の悪い年間少数生産による調達をかけているのは、国内の兵器製造ラインを稼動状態で維持するための保険代だと聞いたことがあります。
ささき
という点もありますよね。
90TKの120mm滑腔砲にしても日本○鋼所で作れることを証明したからこそ
価格を下げられたと聞きますし。
タイ駐在員
JK
この位の値段にはなるし、単価の中に他の必要経費が上乗せさせられ
ている事情を考えれば、言われるほどには高くない」というのが意見
の大勢のように思います。
それはそれでいいのです。ただ、モノの値段が決まる場合、買う側
と売る(生産する)側がいるわけで、じゃ買う側の方の事情は何だろ
うというのが、自分の素朴な疑問です。
発注者側の事情として「政府の予算には、(例えば、公共事業に見
られるような)予算の枠のようなものができており、各省庁の既得権
益になっている。防衛庁についても同様で、どうせ調達数の上限は決
まってるし、予算の範囲の中ならできるだけ贅沢なもの買った方がい
いじゃないか、と考える土壌があるのでは?」と考えたのです。
誤解の無いよう付け加えれば、一般競争入札を全面的に採用しても、
自分は問題が解決するとは思ってません。入札を採用できない分野も
当然残るでしょうし、談合とかも起こるでしょうし、制度だけ手をつ
けてもダメです。
また、今のまま輸入に切り替えても、ブランド物と同様、日本向け
価格を高く設定されて終わりでしょう。
高くても買う客に、値引きなんかする理由は無いのです。
買う側に焦点をあてて、このスレの質問の答を愚考すれば。
「なぜ日本の兵器は、高いんですか?」ー「買う側が、高くても良しとするから」
「価格は下げられないんでしょうか?」ー「買う側が、コスト削減を最重要視して、安くて良い物を選び、値引き交渉や企業間で競争させるように努力すれば下がる(可能性はある)」
だと思うんですよ、結局は買う側の選択という、至極つまらない理由
が自衛隊の兵器の値段を決めていると思います。
Mig-21は極端でも、本来、装備の選択にあたっては、F−22では
あまりに高すぎるから、性能は劣るけど、JSFとかラファールで「我
慢」するかとか、単価を落とすために調達手法を見直すか(調達期間の
圧縮ーフィンランドがF−18導入時にやった手法ー等)とかいう検討
は当然にされるべきです。
今のままの防衛庁のやり方なら、ライセンス生産F−22を年間4機
ずつ30年にわたって調達とかになりかねません。そりゃ高くもなりま
す。
企業の育成、技術開発能力の維持といっても、最先端技術が必要な分
野はともかく、全ての分野について、今後もずっと行うのかどうか、流
石に考え直す時期に来ているのではないでしょうか?
国民の税金だからといって、お金は無限に使えるわけでは、無いのです。
もっとも、防衛予算が右肩上がりになる時代では無い以上、装備調達
に関する防衛庁の認識は、実は既に相当変わらざるを得なくなっている
のではと思います。
議論ボードでもないのにすいません。これで最後にしますのでご容赦を。
ナイショ2
取得価格のみにとどまっています。
取得価格なんてーのは、実際問題氷山の一角なんですわ。米国が安く売っても巧く
行く理由の一つがこれ。
本当に必要なのは「運用システムとしての価格」の思考なんです。
これを忘れるとこの話は突然荒唐無稽になります。
例えば、F-22の代わりにユーロファイター(例えばね)を導入しませう。
取得価格はF-22のん分の一です。じゃ、今後も予算少なく済むね。
そんな訳ない。
まず、工具の規格が違えば単位も違う、燃料供給システムの規格が違う、、、、、
と様様な弊害が一気に押し寄せます。そりゃカネ出せはインチ&アメリカ式のシス
テムを作ってくれるかもしれないですが、それをするためには膨大な予算が必要に
なるわけです。リードタイムから全てディレイdです。
これが例えばF-15とユーロファイターを同時に運用となれば更に致命的です。
こんなことが簡単に起こるとおもってくらさい。
統一ドイツがMig-29を運用しようとしてしくじった背景にいったい何があったのか
を忘れてはいかんと思うよ。
確かに効率の良い装備事業という考えは必要だと思う。けど、それを何を前提に話
するかで全然現実味が変わってくるという話でした。
sorya
anhbeo
結局いくら金掛けても稼働率がてんで上がらなかったんですよ。ドイツのは。
ただひたすら損耗していくだけ。アグレッサー部隊も立ち上げられない。
最後には新規の部品すら注文するのを止めて、良くある部品の共食いさせていたん
だけど、それでもジリ貧だったりしています。
そら10年とか20年掛けてロシア製に移行していったら、結果だけ違う状態になった
とは思いますが、それにしたってシステムの大幅変更による初期導入コストの異常
な高騰を招いていたと思いますね。
sorya
anhbeo
パキスタンや台湾がアメリカから新鋭機の輸出制限をくらって、困った事例もあります。米製、ロシア製、フランス製など、整備、運用の体系が異なる装備を混用している国は結構ありますが、そういった国は、そこからくるコストの増加は、供給先を1国に絞るリスクを回避する必要経費と割り切っているのかも知れません。
anhbeo
ですから高いか安いか評価するためにはシステムの一部に過ぎない個々の兵器のしかも取得価格を評価するのではなくして、システム全体として評価すべきなんじゃないかと思います。
もっとも防衛システムというもの自体が国によって考え方や目的も違うので価格の比較をすることがそもそも難しいような気もします。
さらには「公共事業」としての評価についても、地方公共団体の公民館やホールの価格対効果を監査するように簡単には行かないような気がしますが。日本の場合公共団体の監査そのものが始まりつつある程度ですから評価は本当に難しいと思います。
エラガバルス
下手すりゃ。
いや下手しなくとも転換訓練や教育コースから考えなきゃならんです。こういうも
のは。工具のft・in/m・cm以外にも実際の運用時、例えば距離・高度のyd・ft/mとの
違いも意外と厄介です。
sorya
考えなければ意味は無い、というご指摘は誠にもって正論で
あり、ご助言を頂いたとありがたく受け止めます。
只、こちらの装備は単価は高いが、システム価格では安く
なる等々について、資料を開示し説明する義務は、あくまで
予算を要求し、装備を調達する側にあることを確認しておく
ことは、装備事業の効率化を考える上で、極めて重要な点で
すので、蛇足ながら付言いたします。
公共事業ですら事業実行の見直しを受ける昨今、防衛庁も
当然危機感は持っているはずで、最近の調達では、メンテを
含めた総合コストの判断について、公表される事例も出てお
り、良い傾向にあるではと考えてます。
故あって、匿名
しかし、アメリカとイギリスでも、そんな克服困難な程システムが違うのでしょうかって気はします。イギリス仕様のユーロファイターなんか、どんなもんでっしゃろ。
anhbeo
もなれば、、、いきなり明日から導入すると言われたらめまいがするですね。正直
なところを吐露すれば。
わしの同期がC1からC130に機種転換したとき(整備の奴)のことなんだけど、転換訓
練はしたはいいが、暫くは要領が掴めずえらい苦労してたな。疲労が並大抵ではな
かったって。
締め付けトルクから全てが違うので常にマニュアルととっぴき。整備にえらい時間
が掛かる。TP機なのに暫くはトンデモネーレベルの整備でさえ時間が足りなくて、
メーカーに送ってた。当然これはコストの異常な上昇。
sorya
兵器に限りませんが、この種の、見積書では間接費一般で括られてしまうようなコストの比較はなかなか定量化困難というか、やってみなきゃ分かんない部分もあって、難しいところですね。
anhbeo
民間型Mi−8はもろ日本向けのスペシャルメイドだったそうなんですが、
やはり支援体制が整ってなかったせいで運用が打ち切られたとの話を聞いて
おります。
(テイルロターとか無線機材とかにものすごく手を入れていたそうな)
ooi