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小説やマンガで刀をつくる場面で、よく良い鉄・悪い鉄という単語がでてきますが、良い鉄悪い鉄って何なんでしょうか? 紅葉饅頭 |
日本刀に使われる玉鋼は木炭による還元法を用いた不純物の少ない鋼で、C 1.0〜1.2%、Si 0.02% Mn 痕跡 P O.008〜0.03% S 痕跡 Cu 痕跡 といった成分の硬い鋼です。
また、熱し過ぎたり、溶ける寸前まで過熱してしまった鋼は脆くなり再度溶解しなおさないと利用する事ができません。過熱鋼、燃焼鋼、死鋼というものがこれらです。
BUN
BUN氏の言う、製鉄後の熱処理の不備による死鋼等もあるけど、製鉄時に発生す
るものもあります。
ここでざっとたたら製鉄の手法をいうと、コークスを熱源とした高い温度 (2000度
以上) で一気に作る現在の製鋼法と違い、木炭を用いた低温(1500度近辺)での還元
製鉄法がそれにあたります。
この方法を用いると低温な分だけ燐、硫黄といった、「鋼として用いるには不適当
」な不純物の混入が少ない、伸びのある良質の金属を得ることができるという利点
があります。
ただし、このたたら製鉄にも弱点があります。ケラの中にスピネルといったガラス
状物質、チタン化合物の結晶が析出するのです。しかもかなりの大きさでです。わ
し等の世界では鉄滓(てっさい)というんだけど。この存在によって、良質なはずの
たたら製鉄法で作られた鉄であっても、そのままでは刃物に適さないために折り返
し鍛錬法を用いて鉄滓を分散させるわけですが、当然鉄滓が多いものの方が鍛錬に
手間が掛かるし、鍛錬しても性質の良い鉄にはならないわけです。
まあ、それはそれとして、ケラ押し法によってられたケラ(鉄の塊)は、鉄槌等を用
いて細かく破際し、その後選別を行うわけですが、主に鉄滓の少ない順から「玉鋼
」「白目」「つくり(造り?)」(白目の小さい塊)といった刀剣などに用いる材料と
、「歩ケラ」「ケラ細」(歩ケラの小さな塊)等の包丁鉄、左下鉄の原材料になるも
のに分けられます。
多分に、この選別作業での話だとわしなんかが思うです。
ちなみに、昔も結構いい加減な連中がいたらしく、白目も玉鋼と偽って出荷しちゃ
ったりしてたこともあったみたいだけどね(笑)まあ、刀匠によっては (わしの師匠
だった人もそうだけど) 玉鋼の中でもまた更に選別を行ってたこともあるみたい。
sorya
ないとなれば、今後無視されると思うよ。正直。
少なくとも、わしは紅葉饅頭氏の質問は無視することに決めたし。
sorya