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263 エニグマっていう暗号解読機は現代の技術でも解読不能なんですか?
made for you

  1. #236 に類似の質問があります。
     まずエニグマは暗号解読器ではなく暗号・復号機です。基本原理は入力された数字・アルファベットを別の文字に置き換える(A->Z, B->U, C->R...のように)ものですが、一文字入力するたびに歯車が回転しパターンが変化する(二文字目は A->G, 三文字目は A->T, 四文字目は A->W のように)というものです。このパターンの組み合わせは三つ(のち四つに増強)の歯車で実現され、組み合わせは「天文学的な数」にのぼるので、対応表などを用いた解読は不可能であるとされていました。
     しかし攻撃者(暗号解読者)がエニグマの原理を知っていたなら、個々のアルファベットの対応ではなく歯車のパターンを解析すればよいことがわかります。そして軍用通信の内容には定型的なものが多く、同じパターンが反復して出現することが多いのです。反復して使用される単語を足がかりとしてパターン解析してゆけば、コンピュータの助けがなくともエニグマは解析可能ですし、現実にポーランドやイギリスでそういった解析作業が行いエニグマを破っています。
     米軍ではこの暗号攻撃法を警戒し、発信する平文の前後に聖書や小説からランダムに抜き出した語句を付加することで定型パターンの反復を防いでいたようです。有名な「世界は貴殿の行方を知らんと欲す」や「尻尾を団扇で煽られたし」といった語句は単なるジョークではなく、あえて軍事用でない文を混ぜることで暗号解析を困難にする狙いもあったようです。
     さて現代のコンピュータは 1940 年代からは想像もできないほど強力です。家庭用パソコンですら数十ナノ秒でアクセス可能な主記憶を数百メガバイト持ち、一秒間に数十億回演算可能な CPU を備えているのです。原データとなる暗号文さえ豊富にあれば、たかが歯車四つのパターンくらい数分もかからず解けてしまうでしょう。
    ささき

  2. >歯車の数
    「当初4つで、のち5つに改良」の間違いでした・・・
    ささき

  3. >歯車の数
    ありゃ、やっぱり3→4だったような。うろ覚えで書いてるので詳しいことは関連書籍を当たってください。エニグマは暗号学の古典的テーマですから、英文ならばいい資料が沢山出ています。ただし読みこなすのは楽じゃないぜよ。
    ささき

  4. http://www.ugrad.cs.jhu.edu/~russell/classes/enigma/
    ここ、エニグマのシミュレーションがあって遊べます。ただ置き換えされていくだけど、なんかおもしろい。

    AJOR


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