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171 アントワーヌ・ド・サンテクジュペリの童話「星の王子さま」は皆さんもご存知だと思います。私は小学生低学年のころに初めて読んだのですが、その当時は印象は「あまり面白くない」というものでした。それ以後数年おきにあの本を何度も読み返したのですが、今に至るまで「理解」できないでいます。で、浅いながらもヒコーキを好きな人間がこのままでいいのだろうか、と人知れず悩んでいます。こんなことで悩んでいるのは私だけなんでしょうか。よろしければ、あの本についての皆さんの感想をお聞かせ下さい。
なんでや?

  1. 冒頭の作者の序だけ理解すればいいんです。「星の王子様」は占領下の祖国で震える同胞の為に書いた童話の形をとった詩のようなもの、と見当がつきます。それゆえに「寝そべって読んで欲しくない」などと書かれているのであって特別な感性とか大人への風刺などがある訳ではありません。あるのは祖国の一大事だけなのです。この辺が勘違いして読まれているような気がします。前作のフランス崩壊時にメッツ上空で自分の体験した空中戦を延々と描く「戦う操縦士」(誰も読まないのか、新潮文庫も品切れ)の次に書かれた作品なのですから。
    「最期の出撃時に非武装のP38で出たのは、憂国の情に燃えたサンテックスが機銃による撃墜などという迂遠な手段では無く、必殺の体当たりを期しての事だ。」等と酒を呑んでは口走る為、「あなたのサンテグジュペリ観は歪んでいる」といった身に覚えのない暴言をしばしば受けますが、時代背景をしっかり把握できない日本の一般青少年諸君よりここに集われる方々のほうが余程「星の王子様」正しく読む下地があると思います。
    作品に書かれている以上のことを云々するのはファンの仕事であって我々のすることではありません。
    サンテグジュベリの把握は「実録空戦作家」で世界デビュー、Fw190D試作機に特攻体当たりで散華、と、これでほぼOK、何の心配も無し!(本当か?)
    BUN

  2. 酒とクスリのせいで多少筆が滑りましたが、「特攻体当たり」は私が酒を呑んだときだけに見える真実ですが、Fw190D試作機がサンテグジュベリ機を撃墜したとする資料は実在します。
    BUN

  3. 「戦うパイロット」新潮版を持ってます。これはおもしろかったですね。
    悲壮感あふれる偵察飛行が特攻隊を連想します。
    でも「星の王子様」は読んだことがない。こんなことでいいのだろうか。
    #ゴミだ。すいません。
    こういち

  4. 読まなくったっていいんだと思う。日本ではロマンチックに語られているけれども、大戦中米国で作家活動をしていたサンテグジュペリは喩えて言うならば「国士」みたいな存在だったのではないかと思います。「戦う操縦士」は出征兵士の愛読書として広く宣伝され、事実そのように読まれ、成功した作品です。(日本で堀口大学訳で読むとさっぱりその感じがわかりませんが)
    ですからたとえば澤地久枝のミッドウエー物を読み、戦死した敵米海軍の兵士の愛読書がサンテグジュペリだった、等という記述に巡り会うのもロマンチックな偶然ではなくて、あれを愛読書とする兵士という物がベタな存在だったことによるのです。

    BUN

  5. 回答ありがとうございます。
    なるほど、詩のようなもの、だったんですね。だったら、私が理解できないのは無理ないです。残念ながら詩に関するセンスは(も)全く持っていませんから(笑)。
    でも、私があの当時のフランス人だったら「星の王子さま」はあまり読みたくないですね。余計気分が沈んで、王子さまみたいに死にたくなる。
    以前に、あれは彼が記録目当ての飛行の途中、エジプトかリビアの砂漠に不時着し、その後発見されるまでの数日間に絶望の淵で考えたことがベースとされている、と聞いたことがありそれをそのまま童話?にしただけだと私は思っていました。
    ただ、あの本は恋人や子供へのプレゼントとしてよく売れているらしいんですが、いつから「ロマンチックな」お話として捉えられるようになったんでしょうね。また、そういう捉え方自体もバレンタインデー同様に売る側の戦略の一環として産み出されたものなのかな。
    「戦う操縦士」は読んだことはありませんが、ドイツ軍包囲下のベルギーのアラスへの偵察飛行を行った時の体験を軸にして書かれた作品だということは知っています。「有名人」の飛行ゆえ護衛の戦闘機を多数つけねばならず、関係者も大変だったと聞いた覚えがあります。でも、あの作品が多くの連合軍兵士の士気高揚に役立ったのであれば、本人のみならず、関係者の苦労も報われたといえるんでしょうね。
    なんでや?

  6. 本場フランスでの(現在の)読まれ方も日本のそれに近いと思います。去年サンテクジュぺリ生誕百年で、記念切手も出る大騒ぎがあり、たくさん出た星の王子様グッズやCD-ROM版も「かわいい」系の作りかたでした。このCD-ROMのエピソード編によるとサンテクジュぺリという人は顔もごついけれどかなりタフな人だったようです。また別に昔読んだものにサンテクジュぺリの操縦技術はあんまりうまくない上に荒っぽく飛行機をよく壊したとあったような。
    SHI

  7. 操縦が下手というか、操縦士というより管理職としての勤務が長かったこともあり、腕はあまり良くなかったようですね。最後の愛機ライトニングもどう見てもいい加減中古機のようだし。
    しかし、かわいい、だけじゃお札にはならないと思いますよ。お札になるのも「国士」?としての評価が今もあるからなのでしょう。
    BUN

  8. 雑レス
    現在のつまり最後のフランスフラン札一家:以降ユーロになりますので。
    20FFR;ドビュッシー(作曲家)
    50FFR;われらが サンテク
    100FFR;セザンヌ(画家)
    200FFR;エッフェル(建築家)
    500FFR;キュリー夫妻(科学者)
    これを見るとサンテクジュぺリは政治に何かなした人というより「作家」として選ばれているような気がします。では、19世紀から20世紀にかけてのフランス最大の作家はサンテクか?といわれても困りますが。お札の図案は星の王子様とアフリカを中心とした長距離飛行家としてのサンテクジュぺリというようにとれます。
    SHI

  9. 上記のお札の人物を比較して、その文化的、科学的業績を比べると我らがサンテグジュペリは明らかに下駄を履かせて貰っているのが明白ではありませんか?(笑)。セザンヌやドビュッシーと並ぶ芸術家とはいくら何でも無理がある上、「お札」人物達のカバーするジャンルの中で「作家」の分野はフランスは唯一人材が非常に豊富なはず。やっぱ貰ってますよ「愛国点」。
    BUN

  10. ↑お札に出る人物を選択するとき、知名度や功績の他に顔形が重要なポイントになるそうです。なるべく偽造されにくいような顔形(彫りが深いとか?)が選ばれるそうで。日本の5000円札の新渡戸稲造も、サンテクもお札向きの顔だったということもあるかもしれません。
    アリエフ


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