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書籍で見かける飛行機や艦船の図面はどのように作成しているのでしょうか?作図者の名前が記載されていることが多いことから写真などを元にして図面を起こしているように見えるのですが。 以前柳原良平の船の模型の本に影響されて戦前船舶(日本郵船のS型貨物船、大阪商船の愛国丸 etc.)を作っていたときは製造元作成らしき詳細な図面やデッキプランが利用できたので安心できたのですが、飛行機を改造などする場合に図面をどこまで信用して良いか迷っています。 当方米国の大戦機を中心として製作しているのですが、資料の入手が比較的容易なように思えるかの国でも図面は写真を元にして作成されている場合が多いのでしょうか? エラガバルス |
- 模型雑誌に、こんなことが書かれてました。
−−−図面を正確なものだと思ってはならない。極端な例だと、写真から作図したものだってある。フィーリングで書くイラストと同じレベルの場合もありうるのだ−−−と。
これを読んでショックを受けたことがあります。
また、実機を計測したからといって、正確な図面ができると断言できないそうです。実機計測からでは、公差が分からないのが理由だとか。
だから、模型を改造する場合、図面を完全に信用する必要はないと思います。むしろ、あっちこっち改造してると、完成が遠ざかってしまうので、図面なんか無視した方がよいかも。往年のモノグラムの製品のように、全体の雰囲気が良ければ、それでいいのではないでしょうか? ボクは、そう考えてますが。
ツカドン
- プラモの設計をした経験があるので、アメリカ機の場合に実際に使った方法をお伝えします。
まず、アメリカ機の場合はたいていはメーカーや公文書館、各博物館にマニュアルがあります。日本の当時のメーカーとは異なり、実物の部品図から全体図まであることもありますが、模型用でかえってそれでは使えないこともあります。
1/1と1/48を人間が見たときの感じ方が違うとや、設計に手を着けてから模型用の図面を全く新たに描くまでに時間が短いなどの理由があります。したがって、マニュアルのステーションナンバー(フレーム、リブ等の位置を示す)と主要部分の寸法、できれば実測値をもとに基準とすべき寸法を出し、それから細部の検討に入ります。
さて書籍の図面はそれがなされているものもあれば、それらの資料をそろえることなく描かれたものも多いようです。場合によっては過去に他で描かれたものをトレースしたものもあります。ですから、自分で集めた資料で図面を描いてみると、全然違うことも多いでしょう。
ただし、ステーションナンバーがわかっていれば、以外と写真からそのほかの形や寸法を出したら、なかなかよかったという場合もありますので(一部のモノグラムの旧製品など)、いちがいにその方法が悪いとは限りません。
国江
- >ツカドン様
はじめまして。
Scale Aviation最新号にもそのようなことが書かれていましたね。
私の場合タミヤのできのいいキットみたいに胴体や翼の合わせ目を消して色を塗れば完成、みたいなキットだとつまらないので、できるだけ手のかかるほうがいいんです。
いわゆる未完成病には毎日少しでも良いから作業をする、1機完成するまでは絶対に他のキットに手をつけないことで対処しています。
いずれにせよフルスクラッチするならともかく、改造のレベルだと図面はあくまで参考程度、写真を元にディティールアップするのがよさそうですね。
>国江様
はじめまして。実際にキットの設計をされていたということで、大変参考になるコメント、ありがとうございます。
> 1/1と1/48を人間が見たときの感じ方が違う
これは私は図面を元にして船の模型を作っていたときに良く感じました。
1/200で作っていたのですが、おそらく製造元が作成したであろう精密な図面を利用していたにもかかわらず、図面どおりに作ってみると煙突が写真より小さく見える、後ろに寄っているように見える、みたいなことがしばしばありました。
実物の印象に近づけるためにはデフォルメも必要なんですね。
その点、ツカドンさんも書いてらっしゃるように昔のモノグラムのキットは細部は大雑把であるものの、組んでみて「写真で見た感じとずいぶん印象が違う」ということが少ないので好感が持てます。
エラガバルス