69 |
最近復刊されたリデル・ハートの「第一次世界大戦」を早速購入して読み始めたのですが、当時のヨーロッパの状況に関する基礎知識がないため、開戦に至るまでの経緯がさっぱりわかりません。 ちょっと勉強したいので、どなたか、19世紀後半から20世紀初頭にかけてのヨーロッパの外交関係を中心とする状況がわかるような図書をご存じでしたら紹介して下さい。 できれば一般向き(歴史学の専門書ではなく)で関連地図が付いていれば申し分ありません。よろしくおねがいします。 TS29 |
- 希望に添えるものではないかもしれませんが、「皇帝達の夏」(ドイツ軍戦争計画の破綻)。視点は特異なものですが当時の情勢を雰囲気として知るには面白いかもしれません。
ISBNコードは4-7952-6001-X 高輪出版社 1300円
BUN
- 早速のご回答ありがとうございます。
価格も非常にお手頃なので、明日にでも注文してみましょう。
TS29
- まず、三国同盟(ドイツ・オーストリア・イタリア)と、三国協商(イギリス・フランス・ロシア)が存在することを頭に入れておいてください。
事の発端は、オーストリアとセルビアの喧嘩です。
セルビアの後ろにはロシアがいます。オーストリアがセルビアにちょっかいを出すなら、ロシアは黙っていないぞ、というところです。
しかし、オーストリアとドイツは同盟を結んでおり、ロシアがオーストリアにちょっかいを出すなら、ことの理非を問わずドイツはロシアと戦う(という姿勢を見せる)というのがドイツの方針でした。
これらは、基本的にはブラフの範疇で、オーストリア以外のどの国も本気で戦争するつもりはなかったと思います。
しかし、オーストリアは本気でセルビアを叩くつもり(というか、ロシアに対してはドイツの応援をあてにしていたのですが)だったので、ドイツはロシアとの戦争を覚悟します。
ロシアとフランスは同盟国なので、二正面作戦の危険を避けるべく、ドイツはまず最大の脅威であるフランス軍の撃滅を狙います。
このへんが飛躍しているところで、当時のドイツ外交の無能ぶりが目立ちますが、ドイツ参謀本部としては何年も練り上げられた既定の方針でした。すなわち、有名な、シュリーフェン・プランです。
こうして、ドイツ軍のベルギー侵入によって大戦の火蓋が切って落とされることになります。
まなかじ
- ↑大戦のきっかけはオーストリア皇太子夫妻殺害では?
で、その後セルビアにオーストリアが宣戦布告セルビアにロシアがついて同盟と協商がここぞとばかりって展開では? 教科書にもそうありますが・・・
紅葉饅頭
- ↑それは「きっかけ」であって、「原因」の根はもう少し深いところにある、ということですね。
片
- 失礼な話かもしれませんが、高校あたりの世界史の教科書、参考図書がよいのではないでしょうか。希望に一致すると思います。
それから、各出版社から出ている『世界の歴史』といったようなシリーズの該当巻を読んでいけば良いのではないかと思います(でも、個人的なことを言わせてもらうなら、最近出た講談社?だったかの『世界の歴史』シリーズは執筆構成に統一が取れていなくて嫌いだ)。
バトゥ
- ををっっ!しばらく見ない間にこんなにたくさんのレスが・・・みなさんありがとうございます。
まなかじさん、解説ありがとうございます。あの当時はまだ各国の王族は外交へある程度の影響力をまだ持っており(国により程度に差はあったようですが)、おまけに互いに複雑な姻戚関係にありました、そのあたりの知識を身につけないと第一次大戦がわからないのではないかと考えています。
紅葉饅頭さん、片さん、そう!それなんです。私が長年疑問におもっていたことは!なぜ、1件の暗殺事件があそこまでの大戦争に発展したのかが中学の歴史の授業以来全然わからなかったので、今更ながらに勉強しようとしているのです。
バトゥさん、高校の世界史の参考書とは盲点でした・・・(高校時代は地理を選択してました)ちょっと本屋で覗いてみます。
TS29
- TS29さん これ(自分のレス)中学の教科書ほぼ丸写しなんですが・・・
紅葉饅頭
- なんでも、鎌倉時代が江戸時代よりも古いということを知らない大学生がおり、教授が叱った所、「私は日本史は履修しなかった。」と胸を張って答えたそうです。
若年者の方は、このようなことにならないように、ご注意下さい。
あるいは、例の「教団」の方々も、このような傾向の方々が多かったのかもしれません。
全体的流れを理解するには、自分の経験から言えば「世界史用語集」のようなものが有用でした。
これに「歴史地図帳」のようなものがあればいいでしょう。
高校レベルのものでも、エルサレムにおける複雑な宗教の起源が解ったりして、結構面白いものです。
SAW
- >1
んー。一応私の経験では
青木裕司著『大学入試・青木世界史B講義の実況中継』語学春秋社
のシリーズがお勧めです。はっきり言うと?な記述もありますが複雑なWW1前の情勢などを理解するには役に立ちます。それと山川出版の『世界史B用語集』や『世界史地図』で充分だと思います。
高校の参考書や教科書は色々問題が(用語集の記事は学生バイトだったり、教科書もごにょごにょ)ありますが入門としては役に立ちます。
もしこれらで満足できないなら、少し専門的な本を追って紹介させてもらいます。
あと紅饅頭さん。文章をよく読んで見ましょう。あなたのレスだと「墺太子暗殺」から「同盟と協商」が戦争へ発展した理由がないですよ。
いおーじま
- ↑一行目の「<1」は余分で、最終行び「紅饅頭さん」は「紅葉饅頭さん」の間違いです。人につっこみ入れるまえに自分の「文章をよく読んで見」るべきでした。
いおーじま
- うおっっ!さらにレスが続いてる。
なるほど、高校の学習内容も馬鹿にはできないということですね。近代戦に限らず戦史全般に興味があるので、基礎知識の強化のために、一度世界史を通して勉強して見みます。
(15年前のこの熱意で勉強していれば・・・)
TS29
- 戦史ならば入門として学研の歴史群像グラフティ戦史シリーズと中里融司「覇者の戦術」 新紀元社
WEBでは
http://plaza4.mbn.or.jp/~tactic/index.html
あたりでしょうか。
いおーじま
- 英国が参戦した理由ってのがベルギーとの協定でしたっけ?
Alphabeta
- 総論を掴むには、ありきたりで恐縮ですが、中公文庫の
「世界の歴史」
が、とっつき易いと思います。
高校の教科書のパワーアップバーションとお考えになって良いと思います。
1巻〜18巻でしたっけ?
もちろん、1巻から読むのが何よりですが、
各巻別個に読んでもさして問題はありません。
その際、手元に山川出版辺りの「世界史地図」を置いておくと、
スムーズに飲み込めると思います。
雪風2
- で、第一次大戦開戦への経緯を探る上での一番のキーワードは、
ズバリ、
「ビスマルク(おふねにあらず)」
だと思っています。この人物に関する書籍なら、大抵のものは役立つでしょう。
雪風2
- で、です。
紅葉饅頭さん。
なぜ、サラエボで銃弾が放たれたのか、それを考えてみましょう。
嗚呼、ディプロマシー・・・
雪風2
- 追加としては、英仏独露の外交関係の変遷でしょう。
特に独逸の新航路政策や陸軍海軍外務省の政策が別の方向を向いていたり、あとMitter Europa 構想などもキーワードの一つです。
いおーじま