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はじめまして。こういちといいます。この話題をどこに書き込むべきか分からなかったので ここに書き込みます。 僕は光学関係の研究をしているのですが、光学の専門誌に「OplusE」という有名な雑誌が あります。その本の人気コラムに「光の鉛筆」という光学の原理から歴史に至るまで平易に 解説した人気コーナーがあります。で、その記事がここ数ヶ月非常に熱いのです。 数ヶ月前に「イ号潜水艦の潜望鏡の無反射コーティング」という滅茶苦茶マニアックな記事が 連載されて驚いていたのですが、今月号は「国防と光学」ときました。 光学技術者向けなので専門用語が平然と使用されており一般の人が読むのは厳しいですが こんな内容の記事はそうそう読めません。艦隊砲撃戦などに興味がある人は今は意味が 分からなくてもとりあえずコピーしておく価値があります。 それにしてもこんな光学の本で注釈も無しに「ジュットランド海戦におけるステレオ測距儀」 って誰が分かるんだ。一部のマニアか自衛隊関係者用の気がする。 せっかくなので興味のある方は図書館などで見て下さい。今月号の特集はさらにマニアックなので 専門家以外は買う必要はないです。 こういち |
- ううう、こんな所覗くのは私かJさんぐらいしかいませんよう。(なにせ「予備」だし)
こう言う内容はここで書くより掲示板の方に書いた方がよいと思われますが・・・
まぐまぐマグロ
- その人ってトプコンの人じゃなかった?元
sorya
- すいません。どこに書き込むべきかよくわからなくて。
掲示板は場違いな気もしたし。それとドプコンって
私は知りません。たぶん人違いでは。
それはともかく、よろしくお願いします。
こういち
- こんなところで、隠れてこんな面白い話をしていたのか!
トプコン、東京光学は陸軍系ではありませんか?潜望鏡は日本光学のはずでは?
会社に無いかな、その雑誌、読みたいですね。
BUN
- この連載を書いているのはニコンの偉い人です。潜望鏡の話はニコン社史以外では
初出というような話を書いていたように記憶しています。無反射コーティングは
広く行なわれてる技術で私も何気なくプロセスで行なっていたのですが、その地味な技術が
大戦中に各国で開発競争されていたというのには驚きました。
こういち
- 興味を持ってくれる方がいらしたので簡単にどんな話かというと
無反射コーティングって言うのは硝子が光を反射しないように
特殊な薄膜を硝子表面に付ける技術です。
夜に硝子の窓から外を見ようとしても、こちらの姿が写って外が
見えませんよね。ところがこのような処理をすると外がちゃんと
見えるようになります。市販されているめがねには必ずしてありますので
漫画と違ってめがねをしている相手の目もちゃんと見えますよね。
この技術は戦時中に実用化されたそうです。これがないと夜間に潜望鏡や
測距儀をみても反射で外がよく見えず夜戦で不利になりますし、日中でも
透明でとおくまで良く見える方が有利です。実際には夕暮れ時や薄暮時に
大きな差が出るそうです。
当時のドイツ・アメリカ・イギリスはこれらの分野で先行しており、日本は他国のレベルから
後れていましたが横須賀海軍工廠と日本光学が戦時中に様々な試行錯誤で
追いつこうとした話です。
ちょっと本が手元にないので間違ってるかもしれないので興味がある人は
見てもらうとして
・潜水艦にこれが行われたのは44年から
・日本製は耐久力に問題があり潜望鏡の硝子を外からたたくと薄膜が剥離してしまった。
・他の列強国は既にほとんどの光学兵器に装備されていた
・この技術を戦後の民生品に転用した例
等の逸話が書かれていました。
今や日本の光学技術は他国の追随を許さない世界一の水準になっています。光学の
一端に携わる者として今の技術はこれらの先人の努力の積み重ねがあってこそ
だったんだなと認識できる面白い記事でした。
こういち
- 会社の図書室にあった!
どの号を手に入れれば良いか、宜しかったらお教えください。
しかし、「こういち」氏はひょっとして御同業かな?
コーティングの第一の目的は空気とガラスの接する面毎に光量が低下し、潜望鏡のような複雑な光学系では「真っ暗」になってしまうことを防ぐ、明るさ確保だったと思います。
早く読みたいですね。
BUN
- 潜水艦の件は9・10月号です。
それと私は光学に関わってますが、
本籍は半導体なのです。最近は本格派より
私みたいな人間が多そうですが。
こういち
- ありがとう。
BUN
- どこの会社か忘れましたが、腕時計のガラスに施された無反射コーティングを見た海軍の偉いさんが「夜間爆撃をかける銀河の搭乗員が計器の反射で困っている。風防ガラスにこの処理を施せないか」と持ち掛けてきて、苦労してあれこれ実験したが結局実用的なものはできなかった、という記述を何かで読んだことがあります。
ささき
- そういえば、随分以前になりますが。旧海軍使用の対空双眼鏡
を覗いた(星空を)事があります。
一部の天文マニアの間ではかなり高価にて取引されていたよう
です。
今では、ニコン或いはフジノン等から大口径双眼鏡が一般向け
に発売されているのですが、往時はマグロ漁船とかそれこそ旧
軍の双眼鏡しか無かった様なので。
しかし、漁船用は対空型では無いので、天頂付近を見るのは非
常に厳しい体勢を強いられるんで、旧海軍の対空双眼鏡はマニ
ア垂涎の逸品だった様です。
コーティングの具合は余り良く覚えてはいないのですが、現在
多様されているマルチコートでは無く、シングルコートであっ
た様に記憶します??
ちなみに、無コートのガラス面では入射した光の8%程度を反
射してしまうのに対して、マルチコートでは1%程度、ペンタ
ックスのSMCコートでは0、2%程度の反射率であった筈です。
僅かな差ですが、何枚(ことによると10面以上)もの、ガラ
ス面を通過するのですから、掛け算すればかなりの光量損失に
なり、無コートとマルチコートでは10面通過で倍近い光量の
差に繋がります。
昼間ならともかく、夜間だとその差は歴然ですね‥‥
その本、読んでみたいなぁ。
takukou@天文オヤジ
takukou
- この間でた最新号も同様な話題で日本の測距儀開発の秘話がいくつか。
その中で印象に残ったのは1次大戦勃発でドイツはもちろんイギリスも
日本向けの軍事用測距儀を輸出しなくなったので、当時最新鋭の榛名に載せる
測距儀が入手出来なかったとか。これじゃ最新鋭艦も目隠ししているような
もんだ。
そんな訳で戦時中に国産の測距儀を作り始める話が簡単に書いてあります。
こういち
- 私も無反射コーティング(可視、赤外)の研究をしてた事がありました。無反射コーティングは現代では真空蒸着法かスパッタ法でコーティングするのが主流だったと思います。
しかし戦時中にこれらの技術があったとは思えません。ゾル-ゲル法による湿式スピンコートだと思いますが、自信がありません。よろしければ教えて下さい。
また、高屈折率材料、低屈折材料には何を使用してたのでしょうか??
無頼庵
- さて、戦車の表面を赤外線無反射コーティングすると・・・・。
無頼庵
- そんで、戦車の塗装の下地内側にも赤外線無反射コーティングをすると・・・
無頼庵