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469 あの…おバカな質問ですみません。
アメリカ軍の誇る空挺部隊に「第101空挺部隊」ってありますよね。
雄叫びの鷲のエンブレムを頂く勇猛果敢な部隊で「バルジ大作戦」でもドイツ戦車部隊を相手に戦ったそうです。

でも、何で「101」なんでしょう…
さすがに101番目の部隊じゃないと思うのですが…
ディズニーの「101匹ワンちゃん」が由来なのかなぁと思って知り合いに聞いたらため息をついて「ミリタリーマニアの彼氏を早く作りなさい」とバカにされました(泣)ほっといてよ!
…そんな訳で(笑)どなたか教えてくださーい!
小説家志望のOL

  1. 正確には、第101空挺師団ですね。
    この師団は、一次大戦の後、予備役の歩兵師団として編成されました。
    実態としては、ほとんど司令部のみで書類上存在するだけの部隊でした。
    最初は全く期待されていなかったということです。
    同時期に編成された予備役歩兵師団と同様に百番台の番号が割り振られ
    ました。今でも当時のお仲間である百番台予備役歩兵師団のいくつかが
    生き残っています。
    ちなみに部隊の歴史自体はもう少し前まで遡れるのですが、師団番号が
    与えられたのはこの時です。また、この時にはすでに鷲のエンブレムを
    師団章にしています。
    空挺師団に改編され戦闘能力を持つのは、二次大戦に入ってからです。
    つまり、スクリーミングイーグルの名や第101の師団番号は、その精強さ
    ゆえに与えられたものではなく、たまたまそうだったというだけです。
    もっとも、空挺師団化の指定を受けるときに番号と名前が影響したかも
    知れませんが、そこまではちょっと分かりません。
    露西亜艦まにあ

  2. この質問と回答は『なぜ・なぜ・なぜ』の浮世寝問いになりそうです。

    たとえば、もう一つの歴戦の空挺師団で現在米軍唯一の現役空挺師団である『第82空挺師団』はなぜ82なのでしょうか?という疑問も出てきますよね。

    細かいですが『第101空挺部隊』というより『第101空挺師団』と言った方が皆さん違和感がないと思いますので第101空挺師団とさせていただきます。
    第101空挺師団には前身があり、大戦間に予備役で編成された第101歩兵師団の流れを汲むもののようです。ではなぜ101なのか?
    第101歩兵師団のさらなる前身は第一次世界大戦終了直後に生まれたようですが、第101歩兵師団になってからも、けっして完全に充足された第一線の歩兵師団というものではなく、なんかそのへんの寄せ集めをとりあえず一つの組織にしておこうというような意図で編成されたもののようです。
    101という番号も、まあ他の各州ごとを原則に編成されている他の師団と区別するためにとりあえず三桁にしておけというような意味合いからだったのでないでしょうか?。(最終的に米軍は第101空挺師団より後でできた第100歩兵師団を含めて第108歩兵師団まで持つ事になる)
    ちなみに第82空挺師団の前身である第82歩兵師団も歩兵師団時代から特定州ゆかりではなく、オールアメリカンだったようです。

    1942年9月に『第101歩兵師団』は『第101空挺師団』に生まれ変わります。
    初陣は1944年6月のノルマンディ上陸作戦でのコタンタン半島への降下。映画『プライベート・ライアン』のライアン上等兵は第101空挺師団所属でした。
    続いて『遠すぎた橋』のマーケット・ガーデン作戦、1944年9月オランダへの降下。
    1944年12月のバルジ戦では飛行機からの降下ではなくトラックでアルデンヌに送り込まれ、アルデンヌの小さな町バストーニュで空挺師団らしからぬ長期の拠点防衛任務につくはめになります。このバストーニュでのエピソードも色々あって面白いのですが割愛。バストーニュの町の中心広場は『アンソニー・マッコーリフ広場』。今でも第101空挺師団はバストーニュの重要な観光資源です。
    続いて、ドイツ本国への侵攻作戦でも降下を実施しています。先日東京で展覧会があったロバート・キャパはこのルール地方への降下作戦に従軍、自身も落下傘降下しています。

    第101空挺師団はベトナム戦争を経て、現在は落下傘降下ではなく、ヘリコプターによる急襲を任務とした空中機動師団という性格になっています。

    結論;私の推測は『由緒正しい一桁、二桁師団と区別したい性格の師団なので三桁にしよう、そして最初の三桁師団だから101としよう』だと思います。ではなぜ1917年からあるオールアメリカン師団である82を受けついで83にしなかったのか?おそらく101はそれすらも憚られるボロ師団だったからではないでしょうか?。82と101の両空挺師団はライバル意識という以上に仲が悪かったようです。



    SHI

  3. ↑。大部分かぶってしまった。早朝なのに。
    SHI

  4. ↑ 実態はどうであれ、第83から第99までの歩兵師団も有りましたよ。

    露西亜艦まにあ

  5. 訂正です。
    ちょっと自信がなくなったので米軍の公式サイトで調べなおしたのですが、
    第101師団が最初から予備役だったというのは間違いで、1918年の11月から
    同年12月にかけてわずか一ヶ月少々の間ではありますが、現役の歩兵師団
    として存在していたようです。
    もっとも、実戦力としては存在しないも同然ですが。
    露西亜艦まにあ

  6. そうだったのかー

    皆さん、私のアホアホな質問にこんなご丁寧で親切な解説をありがとうございます。バカバカしくて誰も答えてくれないんじゃないかとビクビクしてたのですが…ああ、良かった(笑)
    正しくは「空挺師団」なんですね。空挺ってパラシュートのことなんですね。
    無知な私は最初、空挺を空の競艇?と思ってました。ホント、アホですね、私…(泣)
    最近の本を見たら第101空中強襲師団とも書いてあったので変名したのかなぁ、と思ったのですが…最近はヘリコプターで空から敵をやっつけるんですね。
    でも、バルジ大作戦の時はあんなに勇敢だったので、全部のアメリカ軍から優秀な兵隊を選んで作ったエリート部隊だと思ってたけれどリリーフだったんですね。

    先日、ビデオで「13デイズ」を見たんですが、そこに昔101部隊の団長さんだったテイラー将軍が参謀で登場してました。出世されてたんですねー。でも、昔は笑顔の似合うハンサムな人だったのに、映画ではビールっ腹のオヤジになっちゃってる!…いやーっ!(笑)
    小説家志望のOL

  7. ん? 少々誤解が有るような・・・。
    二次大戦中に、第82と第101はアメリカで初の空挺師団に改編されました。
    これ以前にも部隊の歴史を遡ることができるのは既述のとおりなのですが、
    部隊の中身はほとんど別物になっています。
    なにせ、その直前にはほとんど司令部だけか書類上だけの存在だったので。

    よって、ドイツと戦っている時点では、仰るとおりのエリート部隊ですよ。
    露西亜艦まにあ

  8. >6
    現在の第101空挺師団の正式呼称は「101st Airborne Division(Air Assult)」です。
    これを全部訳せば、「第101空挺師団(空中強襲)」となり、空中強襲師団という訳語もあながち間違いとは言い切れなくなります。
    現在は落下傘降下は行わないのですが、第3旅団(第187空挺連隊)の通称は「Rakkasans」だったりします(笑)
    tac

  9. >6.最近はヘリコプターで空から敵をやっつけるんですね
     恐らく正確にご理解されていることと思いますが、「ヘリに乗って敵地へ移動し、降下・展開して敵を撃破する」のです。
     まあ、「空からやっつける」とも言えますが(「空から『やってきて』敵をやっつける」の方が良いか)。
     余計なお節介レスでした。
    T216

  10. ああ、私の言い方が素人なのでいろいろヘンな書き方しててごめんなさいです。
    そうかぁ、訳し方も日本語の語彙で変わるんだなぁ…
    でも、グレフルみたいないい加減な略語じゃないんですね。
    ちょっと反省しました。
    戦車師団も機甲師団とか装甲師団とか言い方は変われど意味は一つなんだと今日、ちょっと辞書で勉強しました。

    また質問することがありましたらよろしくお願いしますね。言葉がヘンなところは私の無知なところなので少し大目に見て下さい。これから勉強していきますので…

    本当にありがとうございました!(ペコリ)
    小説家志望のOL

  11. >9
     いや、101D には AH-64/D を主装備とする航空旅団(101st Aviation Brigade ”Wings of Destiny”) もありますんで、「空からやっつける」もあながち間違いではないかと……Air Assult と冠されているのはこいつらがいるからですから。ちなみにこの旅団は、全世界に36時間以内に派遣される準備を調えているという緊急展開部隊です。
    tac

  12. >11
     tacさんフォローありがとうございます。
     AH-64/Dが配備されているのであれば、確かに「空からやっつける」と言えますね。
    T216

  13. >11
    第101空挺師団以外でも、現在の米陸軍重師団にはアパッチ等を装備した
    航空旅団(または第4旅団)がありますよ。
    もっとも、規模的には第101のものが最大ですが。
    露西亜艦まにあ

  14. >13
    現在の米陸軍で Airborne というと、「兵力・装備を空輸ないし空中機動させることを前提とした装備を持つ歩兵部隊」を意味します。これに該当するのが 82ABD と 101ABD ですが、82 には AH-64 は配備されていず、OH-58D を使っています。
    なので、航空打撃力の高い 101 は、Air Assult の名称を冠されている……というわけです。同じようなことは第3歩兵師団(機械化)とか、第10山岳師団(軽歩兵)なんて例がありますね。通常編成と違うものには特殊名称を冠しているわけです。
    tac

  15. >14
    自信をもってお答えの様子ですが、情報源はどちらでしょうか?
    DoD Dictionaryより引用すると、
    air assault
    (DOD) The movement of friendly assault forces (combat, combat support, and combat service support) by rotary-wing aircraft to engage and destroy enemy forces or to seize and hold key terrain. See also assault.
    となっており、air assaultという言葉は、部隊が戦うために回転翼機で
    移動することを意味します。特に空中からの攻撃能力が優れていることを
    指すというのは、聞いたことがありません。

    また、野戦教書の内の一冊であるFM71-100 Division Operationsによると、
    米陸軍師団の分類は、
    Armored and Mechanized Divisions
    Light Infantry Division
    Airborne Division
    Air Assault Division
    Medium Division
    であり、空挺師団と空中突撃師団は別物の扱いになっています。

    師団名称の後に括弧がつくのは、別に特殊編成だからではありません。
    伝統的な名称と実際の編成による分類が一致しないために、その実態を
    括弧内に示しているだけなのです。
    露西亜艦まにあ


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