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あるサイトで軍事マニアの人が「ガンダムでやたらと部下を殴る地球連邦軍の軍人は軍事描写がおかしい」という書き込みをしていました。私は今まで軍隊では日常的に上官が部下を殴打する(シゴキ)ものだと思っていたのですが、具体的にどこが間違っているのでしょうか? モーグリ |
- 他国軍の話は分かりませんが、米軍では上官が部下に暴力をふるう(hazing)ことは厳禁(規律としては)されています。
Vinegar-Joe
- 一般社会と同じじゃないでしょうか?
公には×。
実際は、気に入らないヤツ、若手にはパンチ♪!★☆
でしょう?
みなさんどう思いますか?
ogurenko
- 自衛隊に入隊して約20年になりますが、殴られたのは一度だけ、殴った事はありません。部隊によって、また個人によって殴る殴られるという頻度は異なると思いますが、少なくとも私自身は「日常的に」殴打する光景というのは見たことがありません。なお自衛隊の場合、私的制裁は禁止されており、殴った事実が判明すれば傷害の疑いで捜査されることを付け加えておきます。
また現在の米軍は殴る蹴るではなく、腕立伏せを延々とやらせるとか、部下の顔の間近で相手の人格、尊厳をこきおろすセリフを怒鳴りつけるとかいった方法でシゴくことが多いようです。
質問者が言われる「軍隊」というのは旧日本軍の事と思いますが、そこでは「日常的」に殴打があった部隊が多いことは御存知のとおりです。他の国の軍隊については、伝聞や根拠のはっきりしない書籍・雑誌の類の情報しか知らないので、私にはコメントできません。
藤
- 軍隊は一般社会に比べ厳しい規律と統制の伴う社会であり、特に軍事作戦では極限状態の緊張を強いられることもあります。もちろん、いじめやしごきなどの暴力は禁止されているわけですが、例えば、敵に見つからないように物音一つさせないで待機していろ、という命令がかかっている中で、敵の銃声に耐えきれず発砲してしまったり、取り乱してしまうような兵士がいたら作戦は失敗どころか全員を危機に曝してしまうことになります。そういう状態では、上官などが「黙ってろ!」とビンタ食らわせたりしてとにかくおとなしくさせるのも止むを得ない手法だろうと思います。
ただ、こうした強制的手段を取る必要がないのに日常的に暴力が展開されている部隊であれば、むしろ規律や上官の管理能力に問題があると考えるべきではないでしょうか?
アリエフ
- >やたらと部下を殴る地球連邦軍の軍人
「それでも男ですか!?、軟弱者!!」ですか?、「親父にだってぶたれた事ないのにッー!!」ですか?、ジャブローでの「ビンタを避けるとは生意気な!」(だったか)ですか?、ケースバイケースですから状況をはっきりさせて頂かないと…
与太はさておき、私的制裁については前に質問させていただいたことがありましたが(見つからない)、その後読んだ河野 仁『〈玉砕〉の軍隊、〈生還〉の軍隊』(講談社選書メチエ、2001年)の中に、ガダルカナル戦に参加した日米両軍の記述の中にこれに関するものがありました。
アメリカ軍の場合、陸軍州兵部隊と海兵隊では規律の厳しさに格段の差があり、
海兵隊での懲罰は「訓練中に銃を落としたら、一晩銃と一緒に寝る」、「白手袋で敷居を指でなぞり、汚れがついたら演習場の周囲をマラソン」、「ハンドポケットしたら、ポケットに砂を積め込む」などで、州兵の場合は備品検査不合格の場合外出許可証の制限・発行停止が用いられたそうです。
ただどちらも日本軍のような古年兵の暴力による制裁は、ほぼ皆無であったとのこと。
あと他の国の事例は極断片的なのですが、ドイツ軍の場合、良く知っている人のサイトで質問してもはっきり出てこなかった、ということと、旧ソ連軍では相当の数の自殺者が出ていた、と言う記述を目にしたことがあります。
おまけで海兵隊冗談話では、ここが面白かった。
http://www.sorekika.com/dame.jsp?idx=313
では、ビビビビビ…(水木しげるのビンタの擬音)
バツ
- Zガンダムでは「修正」と称して士官クラスの軍人が部下を殴りまくってました。
ガンダムでは士官(職業軍人)が部下を殴るケースが異常に多いです。普通は古参兵(一等兵〜上等兵)か下士官だと思うんですが。
モーグリ
- >私は今まで軍隊では日常的に上官が部下を殴打する(シゴキ)ものだと思ってい>たのですが
時代(あるいは戦時と平時)、国、部隊(あるいは艦艇)、個人の資質によって差異があるというべきではないでしょうか。
同じ帝国海軍の艦艇でも家族的な雰囲気のフネと「鬼の○○」なんてフネもあったそうです。
帝国陸軍でも地方の部隊だと「シャバ」に出たときにどういう血縁地縁ができるか解らないので「比較的」とは言えあまり無茶が出来なかったそうですが、そのあたり都会の部隊のほうが厳しいことが多かったそうです。
(中野学校に行ってた叔父は一度も殴ったことはなかったそうですが。)
Jでは「非公式」にはいろいろあるのかも知れませんが、少なくても外部に漏れたら大問題でしょうし、バブルのころは隊員が辞めないように「体罰」はるか以前のレベルだったらしいなんて話を聞いたことがあります。
ただ、得てして「閉鎖空間」であることや「階級社会」であることからモーグリさんが言われるような軍隊や軍人が往々にして存在することは事実でしょうね。
>具体的にどこが間違っているのでしょうか?
「未来の高度なメカを扱うエリート集団でそういう野蛮な行為を行う軍人が出てくるのは可笑しい。」と思えば間違ってるでしょう。
「部下を殴打する軍隊や軍人は過去にいた。未来といってもそういう体質の軍人がいても不思議ではない」と思えば間違っていないでしょう。
SAW
- 旧軍では、伝統的にビンタが容認されていたのは事実です。ただ新兵から自殺者や脱走者がでたりするので、建前上の私的制裁の禁止令がでましたが、実際は奨励されていたようです。
中隊の人事掛特務曹長(のちの准尉)が、内務班長に、最近はだらだら初年兵がたるんどるから、すこしは気合をいれたらどうか、と暗にほのめかす場面もあります。
内務班で古兵が初年兵にビンタをくれたり、いろいろな種類の私的制裁を行うのは、教育手段のひとつとして必要なものと認識されており、戦前ではビンタをはったからといって刑事上の罪に問われることもありませんでした。鼓膜が敗れたり、歯が折れたりすると、内部で問題になりましたが。
初年兵に私的制裁をするのは、若者宿のイニシエーションの慣習が軍隊の内務班に入り込んだからとも云われています。いろいろ試練を課して、肝試しをしたり、年齢序列を保持するために、秩序の違反者には序列を理解するまで厳しく体罰を与える事は、上級者の義務であるとも認識されていたフシもあります。理屈ではなく、体で覚えこませる必要が軍隊教育にはあって、戦場で理屈抜きに反射的に体が動くようにするには暴力的な教育訓練が奨励されていたのでした。
その反面、部隊によっては、全く私的制裁の無いところもあり、郷土の気質と若者教育の伝統のありかたにより大きく左右されたようです。標準的な部隊である東京や大阪の聯隊では、標準的な私的制裁が存在しました。また特殊な部隊では、特殊なありかたが見られ、例えば鐵道聯隊では、初年兵は毎日全員が教練に出場する前に洩れなくビンタを貰うという奇妙な習慣があり、これはレールなど重い器材を扱うので事故が多く、それを避けるには、いつも気を張った状態で作業をさせなければいけないので、娑婆気の抜けない初年兵には常に強烈なビンタをはって気をピンピンさせておくと事故も少なくなるという理由からそうなっていたと云います。これは大きな猛獣のような反抗的な軍馬を扱う輓馬砲兵隊でも同様な理由で、ビンタが盛んだったと聞きます。まことに軍隊は特殊な境涯であるわけですが、実はこのような暴力が教育手段として使われる状態は、軍隊以外の社会(娑婆)でも常時認められており、學校、徒弟教育でも、先生や兄弟子というのは生徒にビンタを張ったり体罰を課すものとされていました。お医者でも外科では、手術中に助手がミスをしそうになると、気付に下駄(術者は下駄履き)で足を蹴ったとは、外科修業をしていた私の親戚の体験談です。浄瑠璃修業でも、兄弟子は新米をどんどん足蹴にして教育したといいます。(人形で手がふさがっているので足を使う)。學校の体育会系クラブのシゴキも有名ですね。アンダーグラウンド集団では、案外にタテ社会の序列や制裁が生きています。つい最近まで、こういう暴力的教育は意外なところで根強く生きておりました。
これが社会の縮図である軍隊の内務班に持ちこまれるのは不思議ではありません。
ただ戦前の軍隊でも、兵隊どうしで、古年次兵が年次の下の兵隊を殴るのは容認されましたが、下士官は上級者になればなるほど、余り兵卒を殴らないし、そういう役目は上等兵や古兵クラスに任せていたようです。将校が兵隊を殴っても咎められませんが、兵隊の評判は悪くなります。上級将校が下級将校を殴るのは、士官學校での上級生・下級生の間柄を部隊に持ちこむ場合は可でしたが、それ以外では多少、異常な光景とみなされるようです。
そのガンダムでしょっちゅう部下を殴っている人は、下士官クラスであれば別におかしくもなく教育義務に忠実なだけであり、将校であったならば下士官に任せておけばよいのを自分で実行するのは多少どこか偏執狂的なところある、という感じでございます。
あるめ
- 記憶モードですが「修正」というのは海軍兵学校の上級生徒が「鉄拳」で下級生徒を「指導」する用語だったように記憶しています。
「用語」の使い方を見ると(作品の方は見ていませんが)ある種の「誇張」が含まれているのではないかと感じます。(フィクションではある種の誇張はつきものですし、アニメの架空の軍隊だからと言ってしまえばそれまでですが)
人間ドラマを描こうとしたあまり「誇張」が過ぎ、日常的に士官が部下を殴打する風潮のある軍隊がモビールスーツのような高度な兵器を駆使してして戦闘ができるのかいなと友人は思われたのでは。
>普通は古参兵(一等兵〜上等兵)か下士官だと思うんですが
私もそのような事例が多かったと聞いていますが、「部下の前で副長を殴る艦長」とか「私服外出なのに、街中で敬礼しないと言って下士官を殴る士官」とかトンデモ士官がいたことは事実のようです。
ただ、このあたり軍隊がどうこうというより「個人の資質」いうべきでしょうか。
そういえば米軍でも「パットン将軍ビンタ事件」なんてのもありましたね。
SAW
- ゴミ。Zは監督に思いきり否定されちゃいましたからねぇ。「なんでこんなもん作んなきゃいけないんだ」という監督の恨みつらみが特に表出しているのでは……。軍人描写がおかしい、という以前に、人間描写そのものが変な作品ではあります。まあ、人類の半数が死ぬような前代未聞の大戦争をやってる世界ですから、精神が荒んでるキャラとか、電波系なニュータイプとか、プルプルプルプルプル〜とか、ちょっとキてる人が多くてもある意味不思議はないかと。
ノースバーグ
- 与太話ですが、宇宙空間での戦闘って地上とは比べ物にならない位、危険な環境にあるわけですから、ジオン軍に比べて地球出身者が多い連邦軍において「宇宙空間恐怖症」に陥る兵士が多かったりして、みんなピリピリしていたため暴力沙汰が多かったのでは?
そもそも、宇宙船の艦内でいつやられるかもしれないのに、宇宙服を着ないこと自体が精神的に非常に良くない環境ではなかろうか?
アリエフ
- あるWWIIドイツ国防軍兵士の回顧録では、銃の手入れが良くない(その他いろいろ怒られることもしている)新兵が教育係に「地平線に向かって匍匐前進」を命じられ、泥たまりの中に突っ込まされるシーンが登場します。
マイソフ
- 旧海軍の操縦訓練では、前部座席の練習生の頭を、後部座席の教員が棒でバカバカ叩きながら教育したそうです。飛行帽の上から叩くので怪我はしないけれど、痛かったでしょうね。
教員の方も命がけなので、遠慮なく叩いたのでしょう。
あるめ
- もはやJ隊では殆ど私的制裁はなくなったように見受けられますが、お隣の韓国では今なお続いているようです。ご存知と思いますが、かの国では健康な成年男子は基本的に軍隊に行きます。で、体験談ですが
1、入りたての頃の基礎訓練では基本的に殴られるものである
2、映画「フルメタルジャケット」のようにいつも自分を苛めていた古参兵を撃って自分も自殺しする事件がたまにある。(憲兵隊に配属された人の体験談)
3、他にもいろいろな「シゴキ」がある
4、脱走事件は結構あるが、24時間以内に捕まえたら部隊内で処理できる。が、イジメによる脱走は少ない模様。脱走原因で多いのは女性問題だそうな。(ほんとかな)
らしいです。実際退役間近の将軍の談話で「我が軍にはいまだに旧日本軍内務班の悪習が存在する」とありました。
ウーフー
- 少年飛行兵だった父に聞いた話です。父のいた学校の陸戦の教官の下士官(実戦経験者の)によく生徒を殴ったそうですが、その理由をこう説明してそうです。「実戦になれば敵を見たらすぐ撃たなければ、お前達が殺される。しかし、初めて実戦に出て躊躇せずに引き金は引けるモノではない。これを克服するには殴ってでも体に教え込み反射的に引き金を引けるようにしなければならない。だから教官はお前達が敵に撃たれる前に撃てるようにするためにを殴るのだ・・」と。
撃てる撃てないの真偽はわかりませんが、父は殴られた事を恨んでいる風でもありませんでした。私にとっても説得力のある説明だと思った記憶があります。 父は将校に軍刀を吊る革の紐(グルメット?)で殴られたそうです。裏地の青いフェルトと痛みを時々思い出すと言ってました。
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