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ドイツ国防軍で 「III/123 Light Howitzer Abt」 第221軽榴弾砲大隊第2中隊と訳すのでいいのでしょうか?辞典では中隊:companyとなっていますが、 「123 Artillery Kommando」はなんと訳するのでしょうか? Artilleryは大砲などと出ていますが、砲兵コマンダ?ではおかしいと思います。 教えてください。 III撃 |
- 「III/123 Light Howitzer Abt」 第221軽榴弾砲大隊第3中隊でした。
III撃
- >「III/123 Light Howitzer Abt」
Abt.はAbteilungのことで大隊を意味します。
つまり「123 Light Howitzer Abt」で第123軽榴弾砲大隊となります。
で、頭に「III(ローマ数字の3)/」をつけることで「第123軽榴弾砲大隊の3番目だよ」ということを示しています。
何が3番目なのかは明示していないわけですが、暗黙の了解事項として第3中隊と解釈されます。
>「123 Artillery Kommando」
Kommandoは「部隊」とでもしておくのがいいでしょう。
ところで「Light」「Howitzer」「Artillery」は英語、
「Abteilung」「Kommando」はドイツ語なんですが
どうしてこんな妙な記述をするんでしょう?
PT
- 正式には、ドイツ軍の中隊や連隊はアラビア数字、大隊はローマ数字で
番号を表記します。両方アラビア数字で書いている資料も多いのですが、
わざわざローマ数字を使っている以上、第221砲兵連隊第II軽榴弾砲大隊
のことを指しているのでしょう。
第221砲兵連隊はもともと第221歩兵師団に属していました。フランス戦
終了後この師団は解隊され、1941年になってこの師団の兵員を中心に、3
つの保安師団ができました。第221砲兵連隊にあった3つの軽榴弾砲大隊
はそれぞれの師団にひとつずつ配属され、150ミリ重榴弾砲を持っていた
第IV大隊は軍直轄部隊として独立しました。ちなみに、このとき第221砲
兵連隊司令部も独立部隊となりました。砲兵連隊司令部だけが独立部隊と
なるのは意味不明に見えますが、スタッフと通信機能を使って、複数の
独立砲兵部隊をまとめて指揮するために、この種の独立部隊はたくさん
ありました。この司令部は最終的にアフリカに渡り、第1アフリカ砲兵連
隊司令部と名前が変わって、チュニジアで全滅しています。
話を戻して、第II大隊は第444保安師団に配属され、東部戦線の南方
軍集団戦域で任務についていました。この師団は1944年5月に解隊されて
います。
ARKOは強いて訳せば砲兵司令部でしょうか。軍団や軍の持つ軍直轄砲兵
大隊などが特定の師団に配属されたとき、ARKOも一緒に配属されて、師団
司令部の下で、師団固有の砲兵連隊と独立砲兵部隊を統一的に指揮します。
通信器材を持った砲兵士官のチーム、と思えばいいでしょう。
マイソフ
- 第III大隊は同様に第454保安師団に配属され、南方軍集団戦域で
任につきましたが、この師団は1944年7月に全滅しています。
マイソフ
- 英語圏の軍隊でも、歩兵以外の兵科ではcompanyを使用しない
ばあいがあると聞いています。
ご参考までに。
SAW
- うーん
ドイツ軍部隊でローマ数字を使うのは
大隊ならびに軍団ですから
第123軽榴弾砲大隊第3大隊になってしまいますう・・
「III/123 Light Howitzer Abt」の文中には書き間違いがあるのでは?
「123 Artillery Kommando」は第123砲兵司令部が正解だと思います。
ななし
- 英語の部分と日本語本文で書いてある部隊番号が違うんですよね。
英語圏だと、squadron(騎兵中隊)、battery(砲兵中隊)がまず
思い浮かびます。辞書によってはsquadronのところに「戦車中隊」
とありますが、これは騎兵が戦車を運用した時期があったんでしょ
うかね。装甲車だとよくありますが。
ちなみに第123砲兵連隊は第123歩兵師団に属し、バルバロッサ当
時は北方軍集団、のち1943年秋以降は南方軍集団で戦い、1944年3月
に大損害のため解隊されました。
マイソフ
- >7
湾岸戦争にも参戦したバリバリの機甲師団ですがなにか?
http://www.grunts.net/army/1stcav.html
米第1騎兵師団
- >8
あのう、7で問題としているのは「騎兵“squadron”」の事であって
「騎兵“ Division”」の話はしていないのよ。
現在に於ける『第一“Cavalry”師団 』は“Cavalry”の意味が変質した中に
唯一残った“名称”としてのエッセンスが保存されたに過ぎません。
擲弾兵部隊とは「擲弾を主たる装備とした兵科」の意味を指すのは遙か昔のことです。
つまり本件におけるマイソフ氏の提起は
騎兵の編成をそのままに(つまりその機能発揮を目指しながらも、騎兵の代替に)
戦車を以て運用された例があるのだろうか?という意味です。
これだからヤンキーは(ブツブツ)。
ナゾの人
- 多くの国で、騎兵は捜索大隊・偵察大隊として生き残り、その編成中に
装甲車や軽戦車を含んでいます。ドイツの場合だとルックス、アメリカの
場合だとスチュアートなどはこうした使い方をされた軽戦車ですね。こう
した車両を持った中隊ならばsquadronと呼ばれても不思議はないわけです。
squadronに「騎兵大隊」という訳語を当てている辞書もあります。アメ
リカ第1騎兵師団にあったreconnaissance squadronはまさにこれで、
士官・兵あわせて編制定数668名(太平洋戦争開戦時)の大所帯です。この
騎兵大隊の装備の中には「軽戦車13両」があって、当時は師団唯一の機甲
戦力でした。
私が「騎兵は…」と言ったのは、騎兵の伝統を受け継ぐ部隊なら主力
戦車を装備する中隊でもsquadronと呼ばれても不思議はないが、そんな
中隊はあるんだろうか、ということです。装輪式装甲車や兵員輸送車を
マスコミがよく「戦車」と表現してマニアの失笑を買いますが、squadron
に「戦車中隊」の訳を当てた辞書の編者も「軽戦車だろうが装輪偵察車両
だろうが戦車」という理解をしているのかもしれません。
マイソフ
- >10
イギリス軍の戦車中隊はsquadronというようです。少なくともWWIIの英戦車旅団の戦車大隊の中隊はsquadronとなっています。現在はどうなのか不勉強でわかりません。
波タカシ
- >11
現在でも Squardron です。
たとえば 2nd Royal Tank Regiment は、次の Squardron から編成されています。
Nero (司令部中隊)
Badger
Cyclops
Egypt
Falcon
合計でおよそ500名の人員と、58両の MBT を擁しています。
tac
- 皆さんありがとうございます。言われて探してみると、第二次
大戦下のイギリス軍戦車部隊については、次のページが見つかり
ました。
http://www.britwar.co.uk/lists/jsbritoob-a.htm
イギリス戦車部隊の場合、機甲旅団系ではregimentの実戦力は
大隊で、歩兵戦車の場合はほぼ同規模の部隊なのにbatallionと
読んでいますね。中隊の名称は、どちらもsquadronのようです。
面白いのは、対戦車砲中隊が砲兵式にbatteryであることです。
それじゃあドイツ軍はどうなのか、と調べ直して見ました。
ドイツ第1騎兵師団が第24装甲師団に改編されたことはご存知の
通りです。この師団の場合、装甲擲弾兵連隊と偵察連隊の中隊は、
歩兵砲中隊まで含めてSchwadronです。戦車連隊、対戦車大隊、
通信大隊の各中隊はKompanieを使っています。砲兵はやはり
Batterieです。対空砲中隊は、対空砲大隊にあるものは口径に関
わらずBatterie、対戦車大隊に配属された対空砲中隊はKompanie
です。歩兵師団偵察大隊の各中隊も、乗馬・自転車・重火器を
問わず、Schwadronです。もっともこれらは末期にはKompanie
になってしまったようです。
空軍直轄の対空砲大隊でもBatterieを使うようです。もちろん
独立突撃砲大隊も砲兵なので中隊はBatterie。対戦車砲大隊の中
でも、砲兵対戦車砲(固定)大隊という特殊な部隊があって、原則
として71口径88ミリ対戦車砲(PAK43またはPAK43/41)を装備し、
牽引車が砲の数の半分しかなく、砲兵科所属です。この部隊にい
る中隊も、Batterieであったようです。
マイソフ
- このお話は面白いですね。米軍騎兵師團の話がでたので追加しますと、米軍の騎兵隊は、もともとが龍騎兵・乗馬歩兵なので、中隊はcompanyと呼んでいます。西部劇を見ていると、みなcompanyと云ってます(「黄色いリボン」の騎兵中隊は、C company)。龍騎兵は、もともと乗馬銃兵で、成立当初は乗馬で機動し戰闘は下馬して行ったので、歩兵式の組織になっており、鼓手もいれば中隊も12個揃っていたと聞いております。しかし米軍騎兵隊は大隊組織がなく、必要なときに聯隊を区分して臨時大隊を編成するのみで(カスター将軍が戦死した時には、第7騎兵(聯)隊は、カスター直率の本隊と、別働大隊とに区分されていた)、大隊をbattalionといっていたか、squadronと云っていたか、よく分かりません。龍騎兵以外の兵種の騎兵では、中隊をtroop、大隊をsquadron(航空隊では中隊の意に使用)と呼ぶのもあり、どなたか詳しい方、このへんの使い分けをご教示願えれば有難く存じます。
あるめ
- >14
米騎兵隊の編成単位ですと、WWII時の機甲騎兵連隊は2つのCavalry Reconnaissance SquadronsからなるCavalry Groupとされていた時期があります。
騎兵部隊の編成単位は時期によりかなり変化しているようです。
Little Big Hornで全滅した時のカスターの第7騎兵隊につては
http://www.indianwars.org/laststand.htm
http://www.globalsecurity.org/military/agency/army/2acr-history.htm
下のところをみるとCuster's wing of the Seventh Cavalryとかいてあり、上のところでは divided his regiment into four battalions とあり、臨時大隊はbattalionのようですが、カスターの率いていた5個中隊は大隊よりも大きい単位のようです。
波タカシ
- ↑HP見ました。なるほど〜、5batallionsに区分していたのですね。リーノー大隊と本隊だけかと思っていました。第2騎兵隊は機械化で大隊の名称をtank battalionからsquadronに変えていったところが面白かったです。たいへん、ありがとうございました。
あるめ
- ありがとうございます。
アメリカの本やサイトを見ると
独語と英語が混じった文章が結構多いと思います。←(独語はわかりません)
>英語の部分と日本語本文で書いてある部隊番号が違うんですよね。
そうなんです間違えました。部隊名の数字にはあまり意味はありません。
III撃