441 |
米軍のアフガニスタン侵攻により捕虜となったタリバン兵やアルカイダ兵がキューバにある米軍基地に収容されています。かってソ連のミサイル基地を建設しようとして戦争になりかかったぐらいですから、アメリカと対立(敵対関係)していたキューバに米軍基地があるのは意外でした。どなたかキューバに米軍基地ができた理由をご存知でしたらお教え願います。 みえはる |
- キューバ革命前から賃貸してたんじゃないかな。(二束三文
らしいですけど。)
キューバが実力でとりかえそうとすると自分がタリバンみたい
になるので手付かずなんでしょうね。
ちゃんと賃貸料は指定口座に振り込まれているけどカストロ
政権は受け取ってないみたいですね。
この基地に関してキューバは非難してきたみたいですけど、
今回の捕虜問題に関しては、周辺の警備など全面協力を申し
出ているみたいですね。
SAW
- 確か賃貸料は年20〜30万円ぐらいだったと思います。
つまり、月2〜3万円だから地方都市の学生アパート並の金額であの広大な基地の敷地を賃借していることになります。
T216
- キューバと米国との今日的関係は一世紀ちょっと前の米西戦争の時点まで遡ります。
歴史を紐解けば、中南米は大航海時代に端を発する欧州の征服事業によって出来た「植民地」であって、19世紀末の世界にあっては悪しき旧世界の象徴、抑圧の残滓です。他方、米国とは“新世界”です。
当時は西領だったのですが、同地域の要衝にして米国の地政学的に非常に重要なキューバを米国の国内法によって独立を保証するという離れ業をやってのけて(今日の台湾関係法の雛形ですね)スペインより切り離しました。
これによって独立を保証してくれた米国をキューバはことさらに感謝し、基地の使用権を米国に恩典として(つまり米国に対してのみ特例的に安価で)提供し、米国は代金を支払う、という約束が今日まで続いているのです。
これが当時画期的であった(そして今日まで存続している理由の一端)のは、あくまでも「賃貸契約」であり、それまでの植民地時代の関係(宗主)や新たな支配関係ではないのだ、ということを示しているのです。
しかし上でも触れている通り、現カストロ政権は「これは当時の選択の余地のない強要された関係(つまり、それまでと手法を変えただけの植民地主義だ)」として契約を認めず基地の返還を求めていて、故に基地使用料は一切手をつけていない、(政権発足後換金されていないでキューバ銀行に眠っているという)と言われます。
先に理念という“綺麗事”を書き連ねましたが、そもそもの米西戦争こそが米国の御都合より開戦したものですし、キューバ処理についても米国の打算が当時より見え隠れしていましたので、カストロの怒りと言うものは十分に理解できます。
つまり、歴史主義的にはキューバに米軍基地があることは正しいのです。そしてただそれだけです。
ナゾの人
- 皆さんの説明で大体よろしいかと思いますが、細々した過程を。
大航海時代以来スペインの植民地だったキューバでは19世紀半ばに独立戦争が起きるが失敗。1895年独立戦争が再発、革命軍はアメリカからキューバに侵攻する(どこかで聞いたような)。
キューバに多額の投資をしているアメリカは1898年、メーン号爆沈事件を契機に「リメンバー・メーン!」の声が巻き起こり、アメリカ議会はスペイン軍のキューバからの撤退を要求。
スペインはこの要求を拒否し、米西戦争勃発。アメリカ人にいわせれば「すばらしい短い戦争」。同年パリ講和条約でスペインはキューバの主権を放棄、キューバは独立までアメリカの占領下に置かれることになった。
1902年キューバは独立するが、アメリカの要求で、アメリカの干渉権(キューバの独立とキューバ市民の人権を守るために必要な範囲でアメリカが干渉権を持つというわけのわからん規定)と海軍基地設置権を憲法で認容。1934年のアメリカ・キューバ協定でアメリカの干渉権は廃棄されたが、基地使用権は残された。
これがグアンタナモ基地です。
カンタニャック
- みなさんありがとうございました。これですっきりしました。
みえはる