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現在我が国の「20歳成年制」の起源について調べています。その関連で我が国の徴兵年齢について調べようと思ったのですが、予想外にいい資料が見つからず困っています。 1)我が国の徴兵制度の成立過程、特に徴兵告諭で20歳を徴兵年齢と定めた事情・理由、あるいはそれに関する書籍・資料等をお教えいただけませんでしょうか。 2)この時代(明治初期)の、諸外国の徴兵年齢(あるいは志願兵受け入れ年齢)が分かる資料がありませんでしょうか。 よろしくお願いいたします。 カンタニャック |
- > 2)
書籍じゃなくHP参照(しかも毎度のことながら英語HP)で申し訳ありませんが
http://www.teachervision.com/lesson-plans/lesson-5669.html
米国で明治少し前にあたる南北戦争での徴兵年齢は
北軍:20〜45歳
南軍:18〜35歳(後に17〜50歳)
ちなみに
WWI:21〜30歳
WWII:21〜35歳(後に18歳から)だそうです。
http://www.let.leidenuniv.nl/tcimo/tulp/Research/Armingzu.htm
ところ変わってオスマントルコでは1834年に軍隊近代化に伴い23〜32歳で徴兵したとの事(それ以前は15〜30歳)。
jas1
- jas1さん、ありがとうございます。いつもながら見事な検索のお手並み、感心しております(わたしが検索かけると、大体2000件以上か、一件もありませんになるもので…)。
ところで私の方でもある程度分かったので書いておきます。
1880年頃では、
日本(17歳以上志願可) 20歳徴兵
フランス 20歳〜40歳兵役
オーストリア 20歳で徴兵
ドイツ 20歳で徴兵
ロシア(17歳以上志願可) 21歳で徴兵
イタリア(17歳以上志願可) 21歳で徴兵
昔の和書からの孫引きデータなので今ひとつ信用できないと思っています。
もし、これらと違うデータがございましたら是非お教え下さい。
カンタニャック
- もっと良く調べたかったんですが(特にイギリス、フランス)、調べ方が悪いのか
良いHPが見つけられなくて断念しました(^^; その後わかったのは
日本
http://cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/tyoheirei.htm
1873:徴兵令布告 男子への満20歳3年間
http://ddb.libnet.kulib.kyoto-u.ac.jp/cgi-bin/retrieve/sr_bookview/BB00050000.VOL00031/Body/14-1-01.html
1889:改正徴兵令(17歳以上志願可)20〜40歳 陸軍3年海軍4年間
スェーデン
http://www.canit.se/~griffon/diverse/miltech/vplhist.html
1808:18〜25、1812:20〜25、1860:18〜25、1885:21〜32、1892:21〜40
このくらいしか解りませんでした。
英、仏、プロシアあたりがもっと解れば良かったんだけど、どうも欧米では時の為政者によって
コロコロ招集年齢が変わる感じですね。平時と戦時の違いもあるのかも知れませんが。
jas1
- as1さん、ありがとうございます。こちらは文献で検索していますので、丁度こちらが判らない部分をお教えいただけ大変助かります。
フランス 20歳〜40歳兵役
オーストリア 20歳で徴兵
ドイツ 20歳で徴兵
ロシア(17歳以上志願可) 21歳で徴兵(20歳とする別データあり)
イタリア(17歳以上志願可) 21歳で徴兵(20歳とする別データあり)
ベルギー 20歳
オランダ 20歳(常備兵となる者)
ポルトガル 20歳
ノルウエイ 21歳
スイス 20歳
トルコ 20歳(1870年の軍制改革で20歳になったようです)
うーんやはり、矛盾データが出てきましたね、昔の翻訳資料の場合、原文の満年齢をそのまま記載するか、当時の日本の読者にわかりやすいように数えに換算するかという問題があるので、一歳の違いはおそらくそれに起因しているのではと推定しています。
カンタニャック
- jas1さん、上の文頭で「j」が、落ちてました。コピー&ペーストするときしくじりました。すみません。
カンタニャック
- 明治陸軍はフランス式軍制を直輸入したので、最初の徴兵制度は仏式とほぼ同じ(引写し)とみてよいと考えております。20歳が何故徴兵適齢なのかは、フランスの徴兵制度と市民権(共和国に対する義務と権利)の関連でわかるのかなーと思っておりますが、はたしていかがでしょうか。
あるめ
- 明治初期の普仏戦争の敗北でフランス式軍制の導入はちょっと動揺(お雇い外国人=フランス人軍事顧問の受け入れを一時中断する)しますが、それまでの蓄積や言語の問題で結局フランス式が継続するようです。徴兵制も基本的にはフランス式ですが、有産市民から優先的に徴兵すべきという議論(いってるのは山県有朋、このころは理想主義者だったんだ)や学校教育制度確立後に徴兵制度を施行すべきという議論など、どのような形で近代的な国民兵役制度を移入すべきかについては、真摯な議論がなされています。
さて、徴兵年齢の問題ですが、あるめさんのおっしゃるとおり、近代国家においては、徴兵年齢・民事成年・選挙権年齢が、一体のものとして考えられるべきだと思います。
ところが、当時(1870年代)のフランスやドイツの場合、徴兵年齢は20歳、成年年齢は21歳なのです。日本は仏独の制度を承知の上で、徴兵年齢20歳、成年年齢20歳を採用しています。考え方としては両者を一致させる日本式の方が素直です(ただし日本は選挙権年齢については25歳制を採用しますが)。本当はフランス・ドイツあたりの徴兵制度史を調べるべきなんでしょうけど、なにしろ今私が書いているのは「民法」の論文なもので、どこまで手を伸ばすか(ていうか趣味に走ってるヒマがあるか)迷ってます。
カンタニャック