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401 旧海軍の戦隊、水雷戦隊レベルの司令部の組織、要員等について調べたいのですが、よい資料が見つかりません。よいHP、地方都市でも手に入りやすい本などありましたら教えてください。
山奥の人

  1. 私も海軍はシロウトですが、「海軍制度沿革」と云うのを見ると、年代を追って関係法規が並んでおり、編制のところにご覧になりたい情報が生で載っています。けれど役割分担の細部は、またそれぞれ細則があるようで、そこまでは載っていません。(司令部の水兵や機關兵は、それぞれ科ごとに「計○名」となっているのみで、それぞれの職務までは載っていない、そのうち何名は掌何々と指定あるものもある、というレベル)この本は多巻もので、現在は個人での入手が古本屋さん経由となりますが、有名な本なので、県立図書館レベルなら揃いで蔵書に入っていると思います。とりあえずご参考まで。
    この後は、きっと詳しい専門の方が、より良い本を御紹介くださるでしょう。
    あるめ

  2. 質問者がどこまでを求めているかによって回答は若干異なります。

    「手に入りやすい」については、絶版でなければインターネット経由でも買え
    るわけで、購入の困難度は地方であるかないかには依存しないと思われます。
    ただし、適切な書物があるかどうかに関しては、甚だ否定的な見解を持ってい
    ます。

    そういう意味で、「手に入りやすい」をここでは「図書館で手にとって見るこ
    とができる」という意味まで拡大して解釈いたします。

    さて「どこまで」の件は、単に司令部の定員、すなわち司令官以下幕僚や司令
    部附等の各職に対して員数や配員されるべき官階などの情報だけであれば、
    「海軍制度沿革」の「巻十」の「1」と「2」の「定員」に関する記述として掲
    載されています。

    例えば「巻十の2」の七五八頁には昭和十二年四月二十三日改正の海軍定員令
    による戦隊司令部定員表が、第三十三表として、
     
    ---------------+-----------------+----+----------+-------------
            | 幕     僚 | 計 |司 令 部 附|  計   
    ---------------+-----------------+----+----------+-------------
            |         |  |兵  曹 九|
    司令官 中少将  |参謀 中少佐   一|士官|主計兵曹 四|下士官十三人
        大佐  一|   少佐、大尉 一|三人|水  兵 五|
            |         |  |主 計 兵 一|兵六人
    ---------------+-----------------+----+----------+-------------

    のごとく掲載されています(縦書きのものを都合によって横書きにしてありま
    す。Webに乗っけるとスペースが詰まってしまって、罫線が乱れてしまうかも
    しれませんが)。

    なお、この第三十三表は戦隊司令部のみならず「聯合艦隊、艦隊、戰隊司令部
    定員表」となっており、艦隊(連合艦隊を含む)や戦隊の司令部の定員の原則数
    に加えて、艦隊や戦隊の種類に応じて幕僚や司令部附の増員数などを示すもの
    であります(この表は、ちょっと見るとある意味で独特です)。この定員表は、
    艦隊令に定められる区分としての戦隊を前提としているのか、防備戦隊や警備
    戦隊は別に表を定めております(それぞれ、防備戦隊令や警備戦隊令によって
    定められているので、艦隊令で定められる戦隊とは別扱いなのかもしれません)。

    さて、「組織」「要員」に対してこれで良いのならそれで終りですが、これら
    はあくまでも定員を示すに過ぎませんので、関連する法令についてたとえば
    「艦隊令」などを通読する必要はあるかもしれません。もっとも、「艦隊令」
    から得るところはあまり無いかもしれませんが、何を調べたいか分からないの
    でここまで言及する必要もあろうかと思いました。

    一方、配員の実態に関しては、太平洋戦争期の司令官以上であれば例えば「日
    本陸海軍総合事典」や、大佐で司令官補職された人が大佐のまま予備役になっ
    ていなければ「日本海軍史」の「将官履歴」でも司令官の補職、解職年月日ま
    で把握できると思います(履歴から抜き出すのは大変かもしれませんが)。

    幕僚の配員までを網羅するとなると、例えば戦史叢書の各巻の本文中、作戦参
    加部隊の司令部の主要職員が掲載されている他、付表に関係部隊の主要職員一
    覧がある場合があり、ここに幕僚の補職、解職などの年月日が示されています
    が、網羅的かつ正確なものかどうか自信をもっては言えません。

    また、アテネ書房「連合艦隊海空戦戦闘詳報 別巻1」の「海軍歴代指揮官名簿」
    には、艦隊機関長や副官なども含めた指揮官や幕僚の在任期間が「図示」され
    ています。しかし、

    ・補職、解職年月日は記載されていない
    ・同書に断りがあるように、元々の資料に「記載の誤りや誤記が多い」
    ・それら誤りを復元にあたって完全に直しているわけではない
    ・小生として精査に調べたわけでは無いものの、一読して明らかに変だと思わ
    れる部分が散見される

    など、かなりの問題があるように思われます。これらを補う為には、それなり
    の知識と、海軍辞令公報等を丹念に追う努力と根気が必要だと思われます(そ
    の気になればできない相談ではないですが)。

    いわゆる幕僚までならばこれでなんとかなりますが、これ以外の司令部附の士
    官や特務士官・准士官の配員状況は、これまた海軍辞令公報(士官)や官報、鎭
    守府公報(特准)を追う必要があって、かなり困難を極めると思います。また、
    下士官兵の場合は公報等には載らなかったはずと記憶しますが、もしそれが正
    しければそれはその方面からの追跡が不可能であることを意味します。

    なお、所轄によっては戦時日誌が残されており、これらにその月における司令
    部職員の職、主務、官階、氏名などが記録されており、幕僚のみならず司令部
    附の実際の主務も分かりますが、戦時日誌そのものは全所轄の全期間のものが
    残されているわけではないので、こちらからのアプローチには限界があります。

    なお、海軍辞令公報や戦時日誌は防研でないと閲覧できないことは言うまでも
    ありません(行けば簡単に見られますが)。

    今泉 淳

  3. あるめ様、今泉様、有り難うございました。
    早速調べてみます。
    質問者


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