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374 旧日本軍の「特務仕官」とは、どのようなものなのでしょうか?
いわゆる「特務機関」とは違うような気がしますが。
よろしく、お願いします。
千葉

  1. 特務士官のことでしょうか?
    これは士官教育を受けていない、兵隊からの叩き上げで士官の階級まで上がった人のことです。
    #ノンキャリですな、要するに……

    超ベテラン、とほとんど同義です。なお特務士官制度そのものは戦時中に廃止され、叩き上げでも単なる「士官」となりました。

    tac

  2.  下士官あがりの士官のことではないでしょうか。


  3. 仕官⇒士官の誤りです。
    千葉

  4. 海軍の階級で、兵学校出身でない士官を指します。つまり、叩き上げです。
    一方、士官は兵学校卒のエリートです。
    命令系統は士官のほうが上になっています。
    これは特務大尉と少尉でも変わりません。
    何らかの理由で上級者がいない場合、命令権は少尉が握ることになります。
    こうした区別をするのは、海軍の軍制が貴族社会のイギリスをモデルにしていることに由来します。いかに経験があろうと、一般人がエリートに命令することはできないのです。
    かすた

  5. 陸軍の場合は、どうなのでしょうか?
    千葉

  6. 陸軍は優秀な下士官を選抜し、1年間士官学校で教育して少尉に任官させてます。
    実は海軍にも同様な制度はあって、1年間兵学校で教育させて特務士官に任官させるコースもありました。

    TETSU29

  7. 陸軍には「特務士官」という名稱がなく、下士官あがりの将校は、1.戰時進級特例により特務曹長から少尉に進級した者。(日露戦争後には、これによる中尉が各中隊に見られた→その後、2.に制度が移った) 2.少尉候補生として特務曹長・曹長(飛行兵は軍曹)から試驗を受けて士官學校學生となり、これを卒業して少尉に任官したもの。(大正9年以降) 3.特別進級により特務曹長の古手が豫備役少尉に任官し、引続き隊で勤務する者。(戰時)
    に大別されます。
    指揮権などの権限は、兵科どうしならば海軍のような軍令承行令は無かったので、士官學校卒業の将校とまったく同等です。しかし進級は士官學校卒業生が優先され、平時は中尉どまりが多かったようです。日支事變後、大尉以上に進む人が多く出始め、最高級者は中佐です。
    あるめ

  8. いろいろと、ありがとうございます。
    千葉

  9. 基本的に太平洋戦争当時のことを前提に書きます。

    >これは士官教育を受けていない、兵隊からの叩き上げで士官の階級まで上がっ
    >た人のことです。超ベテラン、とほとんど同義です。

    特務士官とは、兵、下士官、准士官を経て各術科の実務に長じた者を選抜して
    高等武官に列せられた者を指します。

    俗に言う広義の「士官」は、更に細かく分けると士官、予備士官、特務士官に
    分類が可能であり、一般に正規の教育を受けた者が一番目の「士官」に相当し
    ます。例えば兵科、機関科、主計科にはそれぞれ海軍兵学校、海軍機関学校、
    海軍経理学校などの「生徒」の学校がありますが、例えば軍医科、技術科(造
    船、造機、造兵)士官には生徒学校は存在せず、一般大学を卒業後所要の教育
    を施され、正規の士官の範疇に入ります。また、主計科を始めとする二年現役
    制度も生徒出身ではないですが、「正規の士官」という位置づけになります。

    # もっとも、予備士官から士官への転官などもありますので、これら記述は必
    # ずしも網羅的ではないです。

    その意味で、

    >海軍の階級で、兵学校出身でない士官を指します。つまり、叩き上げです。
    >一方、士官は兵学校卒のエリートです。

    は、「兵科将校ならそうだが」となるのですが、厳密にはその限りではありま
    せん。

    一方特務士官は、兵出身者が下士官を経て兵曹長に任用され、兵曹長から優秀
    者を選抜して任用するものであり、各術科の実務に長じた者を優遇する制度と
    位置付けられています。

    特務士官の配置は、艦内にあっては掌長(掌砲長、掌航海長等)が通例で、科長
    の命を承け科長所管の兵器、要具、需品等の供給及び整備を掌ります。これら
    配置は特准(特務士官、准士官)の独壇上であり、いわゆる正規の士官が配置さ
    れることはありません(兵学校出身者の少尉が掌航海長などに配置されること
    はない)。

    正規の初級士官の配置(例えば航海士、砲術士、通信士等、兵科なら兵科の系
    統のどの配置でも有り得る)は特准の配置と一般には重なりませんが、特准で
    も海軍兵学校、海軍機関学校、海軍経理学校などに置かれる「選修学生」課程
    を修了することで、本来なら尉官の配置(砲術士とか機関附等)に就くこともあ
    ります。これを「尉官代用」などを称します。また、分隊長に補職されること
    もあり(「士官代用」などと言われる)、この場合は当直将校の勤務などもあり
    ます。

    特務大尉の中で成績、人物ともに優秀な者で特務士官から士官(少佐)に任用さ
    れた者を「特選少佐」「特進の少佐」などを称し、これによって「正規の士官」
    に組み入れられます。なお、特選の制度は従来「特務大尉→少佐」しかありま
    せんでしたが、予科練出身者(操練、偵練出身者も)に限り特務士官の各官階か
    ら士官へ特選によって任用する制度が戦争末期にできています。

    >なお特務士官制度そのものは戦時中に廃止され、叩き上げでも単なる「士官」
    >となりました。

    これは、昭和17年11月1日に実施された大改正に関する件だと思います。

    勅令六一〇号によって特務士官の「特務」の冠称を廃止しましたが、要する場
    合に限り「特務士官タルモノ」を付記するなど、特務士官の制度は残っていま
    した。また軍令承行令に関しても内令一九八七号にて改正がされていますが、
    これも特務士官を明確に区別しています。その意味で、名称は統一されていま
    すが、特務士官の制度がなくなったわけではありません。

    今泉 淳


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