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361 憲兵隊と、スペインやフィリピン(今は無い?)にある「警察軍」というのは、
任務や性格は似たようなものなのでしょうか?
豆腐ヨーカン

  1. 各国により組織や制度が違い一様ではないですが、一般的に憲兵が軍隊組織の中の規律維持及び取締りを主任務とするのに対し、「警察軍」「内務省軍」あるいは「治安維持軍」と呼ばれるものは、国防省所管の軍隊とは別に、内務省所管の軍隊的組織を指します。スペインの場合、内務省所管の治安維持軍は、軍隊を投入するほどでないが警察にとっては荷が重い公安・治安維持活動を任務としています。有事の際には軍隊の命令系統の中に入るそうですが。もっとも、憲兵隊、国境警備隊、情報収集活動、それに公安・治安維持的任務を全て担当していた旧ソ連のKGBのような組織もあります。さらには、そもそも警察が軍隊組織の一環という国とか、公安・刑事警察と交通警察とが別の役所が所管している国(旧ソ連)もあったりして、千差万別です。
    ところで、日本の自衛隊も発足当初は「警察予備隊」だった。軍隊ではなく、普通の警察では対応が難しい治安維持・警備任務に当たる組織だという意義が込められていたのだろうが。
    参考までに、スペインの軍、警察組織の概略を示したサイト
    http://www.spain-japan.com/xx/a-judicial2.html
    アリエフ

  2. (補足)ちなみに、中華民国(台湾)の憲兵に関する法律規定のサイトがありました。http://www2.odn.ne.jp/~cae02800/tw/law/mp.htm
    憲兵とは軍事警察の組織であり、軍隊内の規律維持以外に軍事基地や軍事上の重要拠点における国防上の理由からの取締り(民間人も対象となる)といったこともやっている。だから、「警察軍」としての治安部隊と性格・機能が似てきたり、連携して行動することもある。この辺も、国や時代によって様々だろうが。
    アリエフ

  3. アリエフさんのおっしゃる通り,軍・警察は国によって性格や職掌が異なります.
     フィリピンの国家警察軍 Philippine Constabulary は,アメリカの植民地統治の開始時に創設されましたが,国軍 Armed Forces of the Philipine は1935年の独立準備政府発足後まで存在しませんでした.事実上,治安維持活動と植民地防衛,つまり警察と軍とは未分化だったといえます(その間対外戦争はなかったので,警察業務が主体でしたが). 国軍創設と共に警察軍も解体され,国軍と警察に吸収されます(ちなみに国軍創設時の軍人のうち,2/3 は警察軍出身でした).
     1950年にゲリラ対策のための治安維持軍として警察軍が復活しますが,系統上は国軍に編入されています.ところが,警察軍が警察の職掌を侵害するなどのトラブルが頻発する一方,陸軍との関係も悪化します.
     要するに,フィリピンの警察軍は,国内の治安維持活動をおこなう軍組織,ということになります.

    にゃま

  4. スペインのガルディアシビルに関しては、総合法令
    の「国家権力の解剖」(1994年)にフランスのジェン
    ダルムリとともに紹介されています。
    この手の組織は、憲兵などと翻訳さることも多いようですが
    旧軍の憲兵や米軍のMPとは権限がちがったり、にたような
    名称の組織でも、国や時代によって違ったりして複雑
    なようですね。

    余談ですが日本にも、戦時には戦場の秩序維持および戦闘
    任務。平時には犯罪のとりしまりにあたる「火盗改め」
    という軍隊のようでもあり警察のようでもある組織が
    江戸時代にありました。
    SAW

  5. >火付盗賊改方
     江戸時代の1665年、火付け強盗や押し込み強盗等の続発で悪化した江戸の治安を守る特別警察として設置されたのが『火付盗賊改方』(火盗改)です(一時廃止されたこともあるが1866年まで続く)。警察兼行政局である町奉行(北町・南町)と異なり、火付盗賊改方は江戸幕府の若年寄に直属する一種の軍事警察で、少数精鋭ながら特別な機動性を与えられていました。十手なども町奉行所のものより大型のものを使っていたそうです。

     池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』でお馴染み長谷川平蔵宣以(1745〜1795)が火付盗賊改方の本役(長官)を務めたのは1787〜1795年の8年間。それまでの拷問に頼っていた取り調べを自白重視に改め、また無頼時代から培ってきた市井の情報網を使った迅速な捜査・逮捕で、市中の人気を博しました。
    ブラック・タロン


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