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358 去年、日本国憲法の授業をとっていたため、手元にポケット六法があるのですが、この中で「私戦準備罪」なる罪名を見つけてしました。本当にそんな事をする人がいるんでしょうか? と思っていたら、フレデリック・フォーサイスが企てたクーデター(失敗)も考えてみれば「私戦」のような気がしますが、フォーサイスは逮捕されていません。ほかの国にはこのような罪は無いのでしょうか?
豆腐ヨーカン

  1. 我が国の刑法93条の私戦予備・陰謀罪に相当する犯罪は、各国の刑法に明記されていると思います。国家による戦闘行為は別として、国の命令によらずに勝手に外国と戦闘行為を行うため、作戦計画を立てたり戦闘の準備をするような行為をその国が放置していたら、当該国との国交を破壊し国全体に悪影響をもたらすわけであり、国家主権の侵害ともなります。
    フォーサイスに係る事情についてはよくわかりませんが、特定人物を逮捕して刑事訴追するかどうかは、国家機関である検察の判断に委ねられています(起訴独占主義)。特定の事情により、検察が訴追する必要なしと判断した場合は起訴が行われないわけです。ただし、我が国でも被害者からの訴えなどに基づき、こうした不起訴の判断が正当か審査する検察審査会という制度がありますが(最近、交通事故をめぐる検察の不起訴措置について、この審査会が起訴すべきとする判断を下しているケースが結構発生している)。
    フォーサイスが国籍を持つ国と、当該国との外交関係上の軋轢や政治的圧力により、検察がフォーサイスの逮捕、起訴を行わなかったのかもしれませんが(単なる推測です)。
    アリエフ

  2.  他の国にも,このような法律はあると思います(推測)。私人による戦争をされたら,その国の外交作用を侵害しますから。
     ちなみに日本では,過去に私戦準備罪で起訴された例はないと記憶してます。少なくとも,戦後はないはずです。
     ところで,フォーサイスの件ですが。彼がアフリカ某国にてクーデターを画策したというのは,あくまでも噂の域を超えない話なんです。1970年代半ば頃,スペインの港で,武器を積み出そうとした傭兵グループが逮捕されました。で,彼らの口から「フォーサイスに頼まれてクーデターを起こそうとした」という情報が得られたのです。
     でも,彼が計画に関わっていたという証拠はありません。この話は,彼の著作を宣伝するためのでっち上げだ,と言い切る人もいます。ちなみに当のフォーサイスは,この件に関してはノーコメントです。
     結論としては,外国にも日本の私戦準備罪に該当する法律はある。けど,フォーサイスのクーデター云々は,あくまでも噂に過ぎなかったので逮捕されなかった,ということになるでしょう。
     
     
    ツカドン


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