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漢字圏の「何々総理」「行政院長」という官名は「首相」と訳されるのに「総統」「(国家)主席」が「大統領」と訳されないのは何故なのでしょうか。 KAKURA |
- 中国と台湾についてですよね。「総統」「国家主席」の地位にある人は国家の代表として報道される機会が多いわけですから、最初は「国家元首の地位に相当」とか注釈がついていたかもしれないが、その肩書が我が国でも自然と知れ渡るようになってしまったからではないでしょうか。ナンバー2以下の「行政院長」といった地位にある人は、前者ほど報道されることも無く、国家元首の地位には無く「首相に当たる」とか注釈をつけないと日本の一般読者にはどれくらいの政府要人かわかりにくいからだと思いますが。
アリエフ
- 失礼しました。台湾は例外です。(おそらくその政治的特性から)。例えば同じ部長=MINISTERが中国なら相、台湾なら部長と日本の主要メディアでは表記されます。わたしがお聞きしたいのは中国国務院総理>PRMIER>首相となるのに国家主席>PRESIDENT>大統領とならなかったのは何故かってことです
KAKURA
- 中国共産党による一党独裁体制を取る中国(中華人民共和国)において、「国家主席」が国家元首の地位と支配政党である共産党の最高位との両方を兼ねる独特の地位だからでしょう。旧ソ連では共産党の最高位が書記長(第一書記)で国家元首が最高幹部会議長と分かれていたが、中国の場合、その区別すらない。同様な例が北朝鮮で、ハングルで「チュジャ」と発音するが漢字で書けば「主席」、中国の制度をそのまま導入したのでしょう。大統領には国家元首、政府の最高指導者の意味はあるものの、政権党の最高位を表すものではないから、「主席」=「大統領」とはできない、ということ。
アリエフ
- 間違えていた、中国共産党の最高位の地位(旧ソ連の書記長に当たるもの)も別にあり、江沢民は国家主席(元首)をも兼任している。しかし、旧ソ連の最高幹部会議長及び中国・北朝鮮の国家主席が、いわゆる大統領と決定的に異なるのは、国民の選挙により選ばれる仕組みになっていないこと。もちろん、独裁国家の指導者が大統領であるケースが数多く見られるが、憲法により形式的にでも国民の選挙による選出が規定され、大統領制と見られる外観を備えているからだろう。
共産党独裁のソビエト体制を前提とした国家指導者選出方法を取っているので、大統領制とも議員内閣制とも呼びがたい(この方式を「民主集中制」と呼ぶことがある)。
アリエフ
- しかし象徴大統領制をとる西側国では大統領は議会選出のところが多いはず。(この場合大統領には儀礼的外交権のみがある。)中国も主席が全人代選出で実権がないので同じシステムだといえるのでは?それに旧共産圏でも「大統領」制(おそらく中国や北と類似したシステム)をとっていた国はいくらでもあるのですし漢字圏の共産主義国だけを異化する必要はないのでは?それとも日本のメディアに某かの政治的意図があるのでしょうか。
KAKURA
- 追加>5 大統領が米国等と同様行政権をにぎりつつ議会選出され議会に責任を負うシステム(議院内閣制における首相を大統領と読み替えたもの。議員大統領制?)をとるところもあり、それなりに民主的にやってる国もあるようです(スリランカ等)。
KAKURA
- 大統領制といっても様々で議院内閣制等と完全に区別しがたい面があることは承知します。ただ、憲法上、一党独裁を明記し、複数の政党の代表が国家元首の地位をめぐり争うことが無く、しかも立法権、行政権、司法権の三権分立の原則に立っていない、こうした「民主集中制」の統治機構の中核たる「国家主席」は、アメリカやフランス等の「大統領」とは完全に異なるものと考えてよいと思います。
もちろん、英訳でPRESIDENTとしていても、実質的には「国家主席」に近い「大統領」多いわけだが、例えば、かつてのウガンダのアミン大統領など。
それに、マスコミが社会主義独特の体制だということを強調するために、あえて「国家主席」等の言葉を用いたとも思えるんだな。
アリエフ
- それではその国が共産国であるか否かがPRESIDENTの日本語訳を拘束すると御考えなのですね(中国国家主席も北の主席も公式訳はPRESIDENT)。わたしは必要以上の特殊性を印象付けないためにも、より中性的呼称である大統領を使用するのが望ましいと思うのですが。(非漢字圏共産主義国のPRESIDENTは大統領と翻訳される)
KAKURA
- 単に「中共の頭目であって中国(中華民国)の国家元首ではない」時期が長かっただけのことでは?
匿名
- 非漢字圏共産主義国の「大統領」
共産主義国でもソ連型の一党独裁でなく、複数政党制を取っていた国があったりします(例えばポーランド)。多分に発足当時の政治的事情からでしょうが、憲法規定上、複数政党制や国民の直接又は間接選挙による国家代表者の選出が定められていて、表面上、西側の大統領制に近かったりする。しかし、実際は国家統治の中核を担うのは共産党で、他の政党も社会主義を信奉し共産党と似たりよったりの翼賛的組織に過ぎない(社会主義ポーランドには農業党があった)。
要するに、西側とは実態的にかなり異なった「複数政党制」「大統領」だと思います。
余談だが、「民主集中制」という言葉(政治学の用語だが)って違和感あるんだよね。革命的人民による人民民主主義で自由と平等が完全に達成される統治体制というのが彼らの主張だが、実態は独裁・全体主義。これを「民主主義の一種」とするかのような表現はあまり使いたくないのだ。
アリエフ
- 大抵の共産主義国には(翼賛政党)があるようです。中国>http://j.people.ne.jp/info/data-p/party.htm おそらく(一党独裁恐怖政治)のイメージを中和するためでしょうが。旧共産圏に公選大統領がいたとは知りませんでした。中国共産党内部には大統領公選を主張する右派勢力もあるようです。
民主主義的中央集権制については、(民主)という言葉自体のさすところが西側と東側で異なるということでは?(国名に民主を冠する国はほとんど社会主義国ですし)
KAKURA
- 最初の問題に戻りますが、漢字圏の指導者については、漢字名称をそのまま使用するというのが我が国の慣習的な取り扱いと考えていいのではないでしょうか。
さて「首相」ですが、我が国において「首相」は正式の役職名称ではなく、「内閣総理大臣」の通称です。
中国の国務院総理を首相と呼んだのは、森内閣総理大臣を森首相と呼ぶのと同じで、「総理大臣」=「首相」という我が国の国内での慣行が文字数の節約を旨とする新聞等によって、漢字圏の「総理」に拡張されたのではと思います。
カンタニャック
- 御回答ありがとうございました。
KAKURA