これは以前結構やり合ったんで深入りは避けますが、今のところアメリカが真珠湾攻撃を知っていたという明白な証拠はありません。この説はだいたいが状況証拠によるものです。（それだっていささか強引なものが多いです。）したがって、説の一つではありますが、教科書を書き換えることはできないと思います。
　この説によると、知るべき立場にあり、かつ知っていたのは本土の一部のトップの人々だけなので、前線となったハワイでは奇襲となる訳です。
　あと、宣戦布告のことですが、高校で使っていた日本史の教科書（三省堂）には宣戦布告が間に合わなかったと書いてあった記憶があります。授業でもそう習いました。
　きっちりと宣戦布告の遅れが教えられるくらいですから、証拠が出てきて、通説となり、文部科学省の後押しがあれば、「知っていて真珠湾攻撃をわざと成功させ、しかも長い間その事をひた隠しにしていた」という一文が追加されるかもしれませんね。
tomo

日米交渉が決裂し日本軍が太平洋で大規模作戦を展開する可能性が高いことは、米政府にとってもわかりきっていた事だが、日本がいきなりハワイに大規模奇襲攻撃をかけると本気で考えていなかったのでは。ハワイへの攻撃が考えられるとしても、陽動作戦又は限定作戦程度ではないかとか、グアムやマリアナより先にいきなり本格攻撃してくるのかどうか、米軍当局も色々考えていたのだろうけど。
ところで、敵の侵攻が予測されるとしても、その進出方向や規模がわからず対応が後手に回ってしまう、あるいは敵軍が来るのを目の前にして、自軍の対応態勢が全然整っていないようなケースも奇襲のうちに入ると思いますが。
アリエフ

　この質問、今年の夏に公開されるであろう「パールハーバー」に伴って、頻出しそうですね。
　で、回答ですが。アメリカは、日本軍による真珠湾攻撃を全く知らなかったと思います。
　暗号を解読してた云々ですが、真珠湾攻撃の段階では、海軍暗号は解読されてなかったはずです。解読されてたのは、外務省の暗号だけです。これによりアメリカは、日本との戦争開始が間近であることは知ってはいましたが、具体的な日時、奇襲で始まるとしてその目標などは全く知らなかったはずです。
　また、事前に奇襲を知ってたなら、戦艦などの貴重な戦力を湾外に退避させてたはずです。いくら時代遅れとは言っても、貴重な戦力である戦艦と将兵を、むざむざと犠牲にする余裕は、アメリカにだってないでしょう。
　アメリカが真珠湾攻撃を知ってた、というのは、一種の都市伝説ではないでしょうか？　ヒトラーがユダヤ人だったという俗説と、あまり差がないように思われます。
ツカドン

↑　暗号は別にして、冷静に考えると、日本にハワイ、米西海岸へ侵攻する国力、兵力は無いと言えますし、開戦の経緯から言って東南アジアへまず矛先が向くでしょうから、そうとも言えないと思います。ただ、ここまで読み切って、また真珠湾であれほどの損害を受けると予想していなければ謀略の一つも仕掛けられそうですが、この前提そのものに無理があるように思えるんで、私は真珠湾謀略説は成り立たないと思います。
　そういえば、英は日本の暗号を解読していて、真珠湾攻撃を知っていましたが、米を参戦させるためにあえて警告しなかったって筋の説もありましたね。これもガセっぽいですが。
tomo

↑知っていた可能性までは否定しません。
けど、まさか空母６隻による空襲とまでは思ってなかったのでは？
英軍お家芸の潜入工作とか、その程度の認識だったのかもしれません。
勝井

皆様、有難う御座います。
前々から気になっていたことでしたので、つっかえが取れたような気がします。
奇襲といっても色々とあるんですね。個人的には、『追加』があって欲しいなぁ、と思っています。「はだしのゲン」を読んでいた頃は、当時の日本や天皇を酷く一方的に批判しているようなシーンがあったので、影響されていた時期（幼少）がありました。今思うと、とんでもなく危ない方向へ行ってしまったかもしれない、と胸を撫で下ろしています。皆様、本当に有難う御座いました。
横島

真珠湾の戦艦群が２列になっていたのは、航空機による魚雷攻撃の可能性が考えられたため、わざと戦艦を２列に並ばせて内側の戦艦に被害が及ばないようにしていたとのこと。

おまけ回答

↑ちょっと待った！
　確か真珠湾は水深浅く、雷撃は困難である旨、米軍で研究結果として報告されてたと思いますが。
　日本も散々苦労して、浅沈度魚雷を実用化してます。

　戦艦の２列配置は、単純に繋留スペースの関係なのでは？
勝井