テロなどに対応する特殊部隊として、警察にはSAT（特殊急襲部隊）、海上保安庁にはSST（特殊警備隊）がありますが、これ以外に日本の公的機関等に特殊部隊があるという話は今のところ聞きません。
　近いものを挙げるとすれば、各都道府県警察の捜査一課に設置されている『特殊犯捜査係（特殊班）』があるでしょうか。家屋立て籠もり事件などに対応する捜査班で、中でも、警視庁捜査一課の特殊班はSITと呼ばれています。

　あと、陸上自衛隊第１空挺団ですが、これは構成員こそレンジャーの資格を持つ隊員ですが、あくまでパラシュート降下による地域制圧を主任務とする『空挺旅団』であり、特殊部隊とは性格が異なります。
　先頃行われた邦人脱出訓練では、第１空挺団の隊員で編制された『誘導隊』が展開しましたが、こうした部隊が空挺団内に常設で存在するかどうかは寡聞にしてわかりません(;^_^A

　陸上自衛隊には、今のところ特殊作戦部隊と呼べるような組織はありません。各普通科部隊に配置されている、レンジャー資格を持つ隊員を、必要に応じて招集し部隊を編制するようです。
　なお、今年から始まる中期防衛力整備計画で、九州・沖縄を管轄する西部方面隊に、『西部方面普通科連隊』が編制されることになっています。この部隊は、一般の師団等がすぐに展開しにくい離島などへの迅速な展開を目的とする、方面隊直轄の部隊で、ある意味陸自初の特殊作戦部隊と呼べるものかもしれません。
　また、海上自衛隊では、先頃の不審船事件を受けて、船舶検査などに従事する専門部隊『特別警備隊』が編制されることになっています。この部隊の訓練は江田島（広島県）で行われるそうで、陸自第１空挺団が指導にあたるそうです。
ブラック・タロン