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167 連合艦隊の参謀で、航空甲参謀や航空乙参謀などという役職が出てきますが
この甲、乙の意味はなにでしょうか?
ただの第一(先任)、第二(次席)とかの意味ですか?
それとも、担当が異なるのでしょうか?
源五郎

  1. 一般に、同一の主務の参謀が二名以上いる場合は、その先任者を「甲参謀」、
    後任(次席)者を「乙参謀」などと称します。「甲」「乙」にはそれ以上の
    意味はないですが、一般には主務事項の分掌を甲参謀と乙参謀で更に細かく
    分けているのが実体ではないかと思います。

    これは、司令部(というか、所轄という表現のほうが適当かな)によって異な
    るのではないかと思います。例えば、南雲機動部隊と称される「第一航空艦
    隊」(司令長官南雲忠一中将)の航空甲参謀は著名な源田実中佐(海兵52)、航
    空乙参謀が吉岡忠一少佐(海兵57)でしたが、当初航空参謀の配員が一名だっ
    のが後から吉岡参謀の発令があり、吉岡参謀はほとんど源田参謀のアシスタ
    ント的存在だったとも伝えられますが、これが他の艦隊でも同様(乙参謀が
    甲参謀のアシスタント的存在)かどうかは、幕僚の人的構成などによって違っ
    てくるものではないかと邪推します。

    なお、甲、乙の区別があったのは、聯合艦隊司令部ですと、確かある時期は
    機関参謀もそうだったように思いますし、もしかしたら他の艦隊司令部にも
    あった可能性はあります(末期のGF司令部で、「戦務乙参謀」とかいたよう
    な覚えがある)。

    司令部職員の定員は「定員令」に定められるところに拠りますが、定員令上
    は、幕僚たる参謀の階級と人数のみを規定するだけで、参謀のマーク(術科
    の専門)までは指定や規定はしておりません。よって、辞令上の命課は単に
    「第○艦隊参謀」のみであって、「航空参謀」とか「先任参謀」とかいうの
    は、司令部内での呼称と小生は捉えています。ただし、実際の配員において
    は、人事局でその艦隊の性格などを勘案して、それに見合った人員を配員す
    るのを例としておりました。
    今泉 淳

  2. 詳細な回答、ありがとうございます。いつもながら、なるほど、そうだったのか、と感心してしまいました。

    以前、〇〇乙参謀という役職(たしか機関乙参謀だったような気がする)で
    名前が記載されている本を見たことがあり、このとき甲参謀の名前が記載されてなかった
    ので、ひょっとしたら甲乙で参謀の職務が異なっているのかな?とも考えてました。

    源五郎

  3. >末期のGF司令部で、「戦務乙参謀」

    「作戦乙参謀」だったようです。
    今泉 淳

  4. 補足です。

    >参謀のマーク(術科の専門)までは指定や規定はしておりません。

    これは、「補職される者のマーク」という意味のつもりでした。加えて、定員
    表には、「砲術参謀」とか「航海参謀」などの指定もありません。「○○参謀」
    の「○○」を「マーク」とは呼ばないのですが、そのような誤解を招く表現だ
    ったので、補足いたしました。

    今泉 淳


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