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130 素人質問で恐縮です。陸軍省及び海軍省と大本営とではどちらの方が立場的に上だったのでしょうか?
如水

  1. 旧Ans&Qの674番に書かれているとおり、陸軍省、海軍省は軍政事項を、大本営(戦時に置かれる組織、陸軍部と海軍部がある。平時は陸軍参謀本部、海軍軍令部)は軍令事項を所管し、両者は対等の立場ということになっています。
    しかし、大正から昭和にかけて、大正デモクラシーによる政党政治が衰退していく頃、旧日本軍では大日本帝国憲法にある天皇統帥権の規定をもとに、軍組織は天皇の直轄であり他の政府組織とは独立しているという「統帥権独立」が強く主張されるようになり、軍事の指揮、運営について軍部以外の者(内閣総理大臣も含む)が直接、口を出せないとか、陸軍、海軍大臣は軍人から選ばれるという慣行にしてしまいました。
    そして、統帥権の中核たる軍令事項を扱う陸軍参謀本部、海軍軍令部は、陸軍、海軍の中でも治外法権的な組織であり、特に陸軍参謀本部の将校はエリート的な意識を持っていました。このため、軍の作戦指導、運営において、大本営(陸軍部と海軍部との連携は良くなかったが)が相当な発言力を持ち、陸軍省、海軍省をリードするかのような傾向が見られます。軍政部局は軍令部局の判断に口を出しにくかったのです。「軍部の独走」というのは、こうした二重の治外法権的組織だった軍の組織構造とも関係しています。
    アリエフ

  2. 実は674書いたのは私です。こちらでアリエフさんが的確な説明をされているので674の下手な文章など読む必要はないのですが、一つだけ書くと「大本営」というのは有事の際に作られるものなので平時の時の陸軍省、海軍省と参謀本部、軍令部とは力関係が全く違ってきます。
    本来「大本営」というのは有事の際に陸海軍を統一指揮下におくための統合作戦本部というのが本来の姿なのですが、太平洋戦争の時には参謀本部と軍令部が勝手に大本営陸軍部と海軍部を名乗って態度を大きくしただけという側面もあります。
    舞弥


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