124 |
大東亜戦争当時、日本海軍の船が修理などで造船所行きとなったとき、それまでその船に配属されていた乗組員は他の船に配置転換されるのでしょうか? また修理が完了した船の乗組員は、以前の乗組員が集められるのか、新たに乗組員を配属させるのか、どうなんでしょう? 源五郎 |
範囲からで書きますと、そもそも内地に帰還して海軍工廠の船渠に入
れられたからといって、乗組員がいなくなるわけではないです。固有
の乗員も修理作業に関係するものと、私自身は考えています。ただ、
所轄長や司令部の判断、あるいは艦の事情によっては休暇などが許さ
れることもあり、これをして修理中は固有の乗員全員が在艦する必要
が必ずしもないことを示唆するものでしょう。「艦の事情」とは、例
えば潜水艦などは、その勤務の性質上、帰投後に温泉などでの休暇が
用意されていました。
一般論としては、このような機会を通じて人の入れ替え、すなわち入
転出はそれなりにあると思いますが、修理中の乗組員を全部入れ替え
るとか、そういうことは多分ないと思います。無論、固有の乗員が戦
死してしまったとか(沈没した潜水艦を引き揚げた場合)はその限りで
はありません。
個人的に思うに、乗員の訓練ってのは結構大変で、人がそろったから
といってすぐさま戦闘航海に耐えられるかといわれたら、慣れとか練
度とか、色々な問題があると思いますね。だから、例えば軍艦とかが
転籍(佐世保→横須賀とか)する際、下士官兵及び特准は全員入れ替
えですから、仮に予備艦とかであったとしてもさぞかし大変だったの
ではないかなあと想像するものであります。
今泉 淳