水夫の反乱鎮圧や、上陸時の戦闘のために船に水夫ではない専門の歩兵を乗せたのが海兵隊の始まりです。どう使ったかというと、浦賀に来たペリーの様に未開の現地人を圧倒するために使ったのですが、残念ながらペリーを出迎えたのは銃剣付き小銃で武装した幕府の洋式銃隊でした。
現代では高度に組織化された水陸両用部隊にその名のみをとどめている、といったところでしょう。
ＢＵＮ

アメリカ海兵隊は陸、海、空軍とは別の独立した軍種であり、他国にはない組織です。起源はＢＵＮさんの記載にある通りなのですが、発足当初から陸軍、海軍から独立組織としての存在意義が問われ続け、組織目的の改革に努力してきた歴史を持っています。アメリカが太平洋に進出し対日戦争を想定したオレンジ計画を作成する中で、海兵隊は太平洋の諸島への上陸作戦を主任務とするものとして組織・装備を整備していき、太平洋戦争や朝鮮戦争等での活躍を経て今日に至っています。
陸軍と差別化するメリットとしては、海兵隊自体が揚陸戦強襲艦（ＬＨＡＩタラワ）や航空部隊（ＡＶ８Ｂハリアーなど）まで持っていて、指揮命令系統が分断されることなく、スムーズな上陸作戦が展開できるということでしょう。上陸作戦は最も危険の大きい作戦ですから。
なお、他の国でも上陸作戦用部隊はありますが、海軍の一部だったりします。
アリエフ

海兵隊は少なくともイギリスや韓国にはありますよ。
陸続きならともかく、海に面した地域に侵攻する場合には海岸から上陸する事になります。その為の部隊が２０世紀の海兵隊です。海兵隊が強行上陸して橋頭堡なり港を確保した後で陸軍の部隊が上陸します。基本的に重装備は制限されるので強兵である事が要求されます。
現代では陸軍の空挺部隊と並んで紛争地帯に真っ先に送られます。各地のアメリカ大使館の警備を担当するのも海兵隊です。
高瀬

米海兵隊が海軍からも独立した組織としての趣を早くから（太平洋戦争中が顕著）持ち始めているように、現代の「高度に組織化された水陸両用部隊」が「海兵隊」と名乗る必要などどこにもありません。陸軍でも、空軍でもどこに所属しようと本質は変わらないでしょう。
ＢＵＮ

確かに。米軍の場合、海兵隊（とか陸軍とか海軍とか空軍とか）というのは軍政上の組織で、実際の作戦は統合コマンドの下に一括されているわけですしね。→4.
(N)

＞３
説明不足で申し訳ありません。確かに、海兵隊あるいは海軍歩兵等と称する部隊はロシア、中国など多くの国にあります。ただ、アメリカ海兵隊に比べ、組織上（軍政上）海軍からの独立性は弱いわけで。ところで割と最近でもカーター大統領の頃、アメリカ連邦議会で海兵隊の組織、独立性の縮小論が出たことがあったっけ（実現はしなかったが）。
なお、９６年版ミリタリーバランスで調べてみたら、イギリスでは海兵隊のうちの陸上部隊は陸軍からの抽出でまかなっていたりするなど、アメリカ以外の各国でも組織、装備にかなり多様性があるようです。
アリエフ

回答の中、「ペリーを迎えた幕府歩兵部隊が洋式銃装備だった」というのが実は味噌だったのですが、皆さん知ってました？
私は正直言って少し衝撃でした。
ＢＵＮ