QQCCMMVVGGTT
750 18世紀以前、陸戦では歩兵が方陣を組んでの戦闘がよくあったみたいですが、こと日本国内に関しては少ない(全然ない?)ようで。なぜでしょう?
ぽぷら

  1. そもそも日本国内における陸戦、ことに野戦は、1600年の関ヶ原合戦によって終わりを告げてます。その後幕末までの200年以上、日本人は大規模な歩兵部隊による野戦をしていないのです(大阪夏の陣が貴重な例外ではある)。
    で……それ以前、戦国時代に方陣を組んでいない理由は何か?ってことになるかと思いますが、方陣を組むような組織になっていないというのが理由かと。
    まあ、騎兵がほとんど存在しないのですから、方陣を組む理由もあまりないのですが。
    tac

  2. 1.多数の歩兵を動員するような中央集権的な国家形態が存在しなかった、と いう政治的理由。
     (封建制下の軍隊は、騎乗する身分様々な武士と、その従者的な徒歩兵が  構成する大小マチマチな戦闘ユニットの集合体であり、訓練・装備・指  揮系統などの点で必ずしも統一されておらず、当然、四角形の陣形を組  む事はあっても、いわゆる『方陣』と言える様な陣形の構築は難しいで  しょう。)
    2.歩兵が正面きって大規模にぶつかり合うような大平原が少なく、山が多い 起伏の大きな地形では、歩兵が緊密な陣形を組んだとしても、陣形が乱  れ、敵に付け入られる可能性が高く、戦術的メリットが大きくない。
     (緊密にファランクスを組んだギリシャ軍が、陣形が崩れたところをより  散開したレギオンのローマ軍団に攻撃され、敗れた戦例があります。
      戦国の足軽って結構軽装ですよね。経済的理由もあるでしょうが、あん  まり重装備だと、起伏が激しいと辛いですよね。)
    といった理由もあるかと。
    レギオン

  3. 近代西洋流の方陣戦術とは規模的にも手法的にも異なるだろうけど、日本でも戦国期あるいはそれ以前から、戦場において槍を持った歩兵の集団同士での戦闘が行われていました。ただ、こうした戦闘は文献資料にあまり記載されてないのです。どうしても武将同士の騎馬戦闘が話の中心になってしまうわけで。
    アリエフ

  4. ナポレオン時代になっても、歩兵は方陣を組んで戦闘してるみたいです。ルネサンス時代の数百人程度の小規模の戦闘でも結構行われているようだし。(ああ、どんどん話がマイナーな方へ向かっていくなあ…)
    愚考では榴弾が発達するまで方陣を組むのは一般的な戦法だったように思えるのです。日本でも平原での会戦がなくもないしい、と悩んでいます。
    いわゆる「散兵線」が出現するのは結構最近の話ではないのでしょうか。
    ぽぷら

  5. 歩兵の方形陣は、戦術としては最終的には第1次世界大戦まで存在し、機関銃の威力の前に消え去った戦術と思われます。
    (榴弾砲も原因の一つでしょうが、榴弾砲登場以後も集団歩兵戦術は取られていたようです)
    散兵線では、昔のマスケット銃発射速度では騎兵の突撃に対処できなかったため、歩兵を集団で運用する戦術と思います。
    密集の必要性は、主として騎馬に対抗するためと考えられます。
    (デカい馬にドドドドっと突撃されると、密集して統制していなければ皆逃げ散ってしまう。少なくとも、私なら逃げるっ!)

    また、この頃は、軍服も非常に派手な色で、兜に飾りもつけるなど、敵を威圧する目的もあって軍楽隊と共に陣形を組んで進撃したのでしょう。
    長期間にわたる欧州の戦争の歴史の中では、兵隊は愛国心というより、勝てそうな側の軍隊に入る傾向も合ったようで、強そうに見せる必要はあると思います。

    日本でこのような戦術がなかったかというと、秀吉の長槍部隊や、長篠の戦の鉄砲隊など、歩兵の集団戦術はあったと思います。
    ただし、「武田の騎馬軍団」といっても、日本の馬ですし、数も少ないし、東ヨーロッパの遊牧民騎兵の衝撃力とは及びもつかなかったと想像できますから、歩兵が密集するべき必要性があまりなかったのではないでしょうか。

    また、明治維新期の「奇兵隊」など、官軍側は洋式の制服着用、単発銃の一斉射撃など、西洋から輸入した歩兵方陣に近い戦術を有して、旧態依然たる幕府軍を追い詰めていったと考えられます。

    ただ、この戦術が国家的伝統にまとまる前に、日露戦争が起こり、第1次世界大戦以前に近代火力の戦いを経験することになります。
    その結果、ナポレオン時代的な横隊の正面突撃を繰り返した乃木大将は屍山血河を築いてしまい、その戦術の不利を国家的に体感したと言えるのではないでしょうか。

    日本軍は、その意味ではヨーロッパ諸国より先に、横隊突撃戦術から脱却し、分隊&縦隊突撃や、匍匐前進攻撃に移行したと考えて良いのではないでしょうか。

    クリスティー


Back