QQCCMMVVGGTT
721  はじめまして。よろしければ二つ教えてください。

1)レイテ沖海戦時の米潜水艦配置状況
 光人社NF文庫「栗田艦隊」で、小柳元参謀長が「なぜ米軍はサンベルナルジノ
海峡に潜水艦を配備しておかなかったのか。配備しておけば、日本艦隊を
奇襲できた上、早期発見できたので、サマール沖海戦はなかっただろう」と
書かれていますが、私も同感です。
 米潜水艦の配備状況及び作戦目的について、ご存じの方がおられたら、
教えてください。

2)レイテに対する米軍の上陸状況
 同じく「栗田艦隊」で、「水上部隊でレイテ攻撃を行っても、米軍の揚陸能力
から考えて、揚陸は終わっており、戦果が上がるとは考えられない」といった
記述がありますが、実際のところはどうだったのでしょう。
 日本側の戦記では、米機動部隊の兵力はわかるのですが、マッカーサー
上陸軍の戦力規模や、侵攻状況はあまり明確ではありません。
 もしご存じの方がおられたら、教えてください。

3)米機動部隊はなぜ追撃しなかったのか
 同じく「栗田艦隊」で、「なぜ米機動部隊はレイテから退却した栗田艦隊に
追撃戦を行わなかったのか」という疑問がありますが、私も不思議でなり
ません。日本側の基地航空兵力を恐れたのでしょうか? それとも、補給
能力の限界を超えてしまったからなのでしょうか。
 もしご存じでしたら、教えてください。

 以上、よろしくお願いいたします。
高村 駿明

  1. 1、ロックウッド提督指揮下のの太平洋艦隊潜水艦部隊(真珠湾)は日本本土からフィリピンに向かう日本艦隊迎撃を命令されており、豊後水道からルソン北東・北西部にかけての各海域に配置されています。クリスティ提督指揮下の第七艦隊潜水艦部隊(フリーマントル)はシンガポール・ブルネイからレイテに向かう日本艦隊迎撃を命令されてルソン南西部・パラワン島周辺部の南シナ海海域に配置されています。
     サンベルナルジノ海峡に潜水艦を配備しなかったのは、丁度あのあたりに日本潜水艦が配備されているのが要因かもしれませんし、第三艦隊が周辺水域を防備する予定ですので米潜水艦による同士撃ちの可能性を避けたのかもしれません。

    2、10/24夜の段階で北部地区では兵力89,000、補給物資115,000トンの揚陸をほぼ終了しており、南部地区でも兵力51,500と補給物資85,000トンの揚陸を完了していました。北部地区では揚陸は事実上終わっており、南部地区も予定数量の大半は揚陸済み(上陸軍への物資30日分揚陸済み)となっています。レイテ湾に10/25朝の段階で残っていたのは揚陸指揮艦3隻、弾薬補給艦1隻、LST23隻、LSM2隻、リバティ船28隻のみで、これらもほぼ揚陸を終了した段階にありました。

    3、10/25-10/26にかけて水上戦闘部隊であるTF34を含めて米機動部隊は栗田部隊に追撃・空襲をかけておりますが、栗田部隊が高速で西に避退した結果攻撃圏外に出たこともあり、加えて上陸作戦支援及び補給のためもあって以後の追撃を中止しております。連中が在比の日本軍航空兵力を恐れていないのは、1944/11/5以降の第三艦隊の空母機動部隊群によるルソンに対する日本航空戦力撃滅戦の実施からも明らかです(この計画は第三艦隊側から太平洋艦隊司令部に対し1944/11/2に意見具申され、当日中に太平洋艦隊司令長官から実施許可が下りています)。
    大塚好古


Back