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初歩的な質問ですいません。「国連軍」、「多国籍軍」、「PKF」 の呼称の違いについて誰か教えて頂けますでしょうか? yamamoto |
- PKFは国連軍の一形態です。
国連発足時における国連軍は経済制裁等が効果を発しなかった時の手段として武力行使を目的
とした軍隊を構想していました。
この国連軍は要は戦争が目的の国連軍なわけです。
しかし実際に起こっているのは小さな民族紛争が多く、これらは政治的圧力や経済制裁などで
停戦させることが可能ですが、停戦させても紛争の根本を断たなければいずれ再燃します。
そのために停戦後、交渉のテーブルにつかせて、妥協点を導き出させなければいけません。
その間再び戦闘状態に突入させないようにするのがPKFです。
PKFは平和維持活動が目的ですので上記の国連軍とはかなり性質が異なります。
原則として活動対象の国が受け入れを許可しなければ派遣できませんし、自衛以外の武力行使も
禁止されています。
多国籍軍は基本的には国連軍とは無関係です。
ただその構成国が国連加盟国ならば国連の支持を得なければ結成にも至らないでしょう。
国連軍と多国籍軍の決定的な違いは指揮権の所在です。
国連軍の指揮権は最終的には国連事務総長にありますが
多国籍軍の指揮権はそれに参加する国家間で決定されます。
PT
- 国連軍の指揮権が最終的に国連事務総長にあるというご意見の根拠は、国連憲章にあるのでしょうか?
国連憲章第7章の第45条には、
国際連合が緊急の軍事措置をとることができるようにするために、加盟国は、合同の国際的強制行動のため国内空軍割当部隊を直ちに利用に供することができるように保持しなければならない。これらの割当部隊の数量及び出動準備程度並びにその合同行動の計画は、第43条に掲げる1又は2以上の特別協定の定める範囲内で、軍事参謀委員会の援助を得て安全保障理事会が決定する。
とあり、最終指揮権が事務総長にあるとは解釈できないのですが。
便利少尉
- >2
申し訳ありません。記憶頼りで裏付けを確認するのを忘れていました。
誤:国連軍の指揮権は最終的には国連事務総長にありますが
正:国連軍の指揮権は国連(より厳密には安保理)にありますが
です。
PT
- ありがとうございました。勉強にあります。
yamamoto
- ↑「なります。」の間違い。
yamamoto
- それでは1991年の湾岸戦争時には「国連軍」ではなく「多国籍軍」だったのはなぜでしょうか?安保理の常任理事国の中にイラク支持の国でもあったのでしょうか?甘えついでにもう一つ質問しました。どうもすいません。
yamamoto
- アメリカをはじめとして、参加国が安保理指揮下で戦うことを嫌がったからです。ちなみに、戦闘を目的とした国連軍が結成されたのは朝鮮戦争のとき1回だけ。ソ連が欠席していたために通せました。
バトゥ
- ちょっと補足。国連軍って結成には安保理の承認が必要です。従って、常任理事国の拒否権が発動されれば結成できません。そのため、過去、特に冷戦期においては結成されることはまずありませんでした。ただ唯一の国連軍結成は既述の朝鮮戦争の時です。
あと、PKFを国連軍の一形態に分類するのはまずいでしょう。上記の理由で国連軍が機能麻痺に陥ったからこその「国連憲章6章半の活動」と呼ばれるPKOであり、そのためのPKFなんですから。
tomo
- 結局国連憲章第7条に謳われた本来の国連軍って、いちども結成されたことが無いんですよね。
便利少尉
- 8>PKFを国連軍の一形態に分類するのはまずいでしょう。
何故ですか?
国連憲章では強制的に武力を行使する軍隊を組織することができると定めていますが
それが「国連軍」だと定義しているわけではありません。
従って「国連軍」という単語自体には「国連の軍隊」以上の意味はありません。
海外の文献を見る限りではPKFを”UN force”と表記していることは少なくありません。
日本でもPKFという言葉が浸透する前は単に国連軍と呼んでましたよね?
PT
- う〜ん、そういう捉え方をすればそうですね。私の捉え方では「国連軍=7章、PKF=非7章=非国連軍」って感じなんですよ。(<簡略化しすぎ。)ご容赦くだされ。
tomo