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ガダルカナル海戦に興味を持って調べているおおやまってもんですが戦艦大和を鉄腕海峡に投入しなかった理由は《いろいろあるでしょうが》何だと思いますか? 古典的な質問ですがよろしくお願い致します。 大山亜貴寛 |
2:燃料が無いから
最大の問題は、ガ島の米軍航空隊の空襲圏でして
空襲圏を突破して、目的地に到達して砲撃して、再び空襲圏を突破して離脱
凡そ150浬を空襲圏として、これを空襲を受けない夜間の間に突破できないといけないわけです
現地での作戦行動に2時間を見た場合、夜間に往復300浬を10時間程度でクリアしないといけません
勿論、行動にはかなりの余裕を持った上での話ですが・・・
1ノットとは1時間で1浬走る速度ですから、300浬10時間に必要な行動速度は30ノットです
大和でやれないことは有りませんが余裕が少なくなります、これは危険性の増大に繋がるでしょう
そして大和を27ノットで12時間以上走らせると巡航の5倍ぐらいの燃料を使い、彼女の燃料搭載量から推算すると1000t以上を食います
成否が妖しい作戦に貴重な燃料と貴重な船舶を出すのは勿体無いというわけです
また戦闘自体も危険です
戦艦は近接戦闘には向いていません
ガ島戦で水上戦闘をした戦艦4隻のうち、まともに発見されなかったワシントン以外の3隻は無茶苦茶な事になりました
彼女達は魚雷を受けていませんが、2隻大破、1隻沈没ですから酷いもんです
勿論、日本軍は雷撃を恐れていたでしょう
両軍が戦艦を投入したのは、それ以外に打つ手が残っていなかったからと見るべきで
大和以外の戦艦が全部つかえない状況でなら、もしかすると考慮対象になるかもしれませんが
他の戦艦が全部駄目な状況と言うのは、つまり戦争に負けたってことですから・・・
それからそんな事をしても、それこそ沖縄です(;_;)
ってのが、まあ、日本軍に好意的に見た場合の理由でしょうか
意地悪に見たら・・・気合が足りなかったから(爆)
でも、その場合は扶桑型あたりを片道で突っ込ませるな
片道で良いなら燃料も半分だし、突入に必要な時間も半分だから24ノットでも全然問題なし
しかしこれも翌朝までに飛行場を何とかしないと酷い事になるでしょう
浅瀬に乗り上げてしまえば沈没は免れるでしょうが、まあ廃艦でしょうな
人員の損害も酷い事になるでしょう
当時の日本軍の認識で、それがペイする物になったかどうかですが・・・
SUDO
結果。流石(さすが)に沈められこそしなかったものの、ボコられて艦上構造物はメチャクチャ。二度目の出撃はついにありませんでした。戦闘させるだけならば、確かに勝利を収める事は容易でしょうが、見つけられたら最後、こんな結果に終わる。修理して戦線復帰するにしても、軽く半年一年はかかるでしょう。実質、二度目は望めないのです。
二度目が望めないのならば、ここ一番の決戦にしか使えないことになります。
本土から遠く離れ、他の掩護も望めないガダルカナルで、大事な最強戦艦にそんなことをさせられるでしょうか?
確かに敵の戦力を考えると、戦艦があるほうが断然楽です。
しかし、SUDOさんが述べられたように、この戦場へ赴くにはどうしても30ノットは欲しい。でないと嬲(なぶ)られる。日本戦艦の、どの型でも同じようなスピードは出せるけど、連続10時間となれば機関に無理させる事になるし、燃料もものすごく使う。
しかも、赴いた所で適切な相手と会敵できるとは限らない。ましてや二度目が期待できないとなると…大和型は大きすぎ、大げさすぎでは?
ならば巡洋戦艦四隻のほうが都合がいい。四隻いれば、一隻二隻ボコられても、残り二隻で「二度目」に臨める。少なくとも。
元々、ガダルカナル戦はトラック基地の防衛のためでもあります。
トラックの方が十倍大事。最強戦艦はまずここに置く。動かずに「ホテル」といわれようが気にしない。南太平洋全体に睨みがきくんだから、敵にとっちゃいるだけで脅威となるはずだ。もしもガダルカナルの戦局が煮詰まって敵が業を煮やしたら、戦艦群を総動員してくるかもしれない。そのときにこそ、最強カード大和をぶつければいい。「決戦」だ。
歴史的に見ても「決戦」は迎え撃つ形のほうが断然楽。これしかない。
とまぁ、このようなことを考えました。でもそうあてずっぽうではないだろうと自負しています。
ですから、ご質問に対する私の回答は「戦略から用兵を考えると、当然では」と致します。
ごるぴゐ
tackow
催促!
・・・いや、黙っていよう、うん
一読者
大山亜貴寛