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幼稚な質問でゴメンナサイ 第二次大戦でハンガリーやルーマニアが枢軸国として参戦した理由は何故でしょうか? どちらも王政で、ソ連の驚異から自国を守るため?或いは独逸の傀儡政権で嫌々参戦したので しょうか? (過去のAns.Qにあったらご勘弁を) ガッビアーノ |
アリエフ
端的なご回答ありがとうございました。
ハンガリー・ルーマニアとも第一次大戦時の同盟関係から否応無しに
枢軸国として参戦したと思ってました。
同じ枢軸国でもフィンランドなんかとは参戦の意図が全然違ったもの
になっていったんですね。
ガッビアーノ
ルーマニアが枢軸に引き込まれた経緯。
1.WW2前の周辺状況
・反ル:ハンガリー、ブルガリア、ソ連
これらの国はWW1終結時にルーマニアに領土をかすめ取られています。
当然恨んでますし、取り返したいと思っています。
・親ル:ポーランド、ギリシャ、チェコスロバキア、ユーゴ等
背後には英仏がいます。対ソ、対独の警戒網なのでしょう。
領土的圧力は各種同盟・協商が護ってくれます。
2.WW2直前〜アントネスク政権の発足まで
・反ル:ドイツの追い風で絶好調です。
・親ル:すでにほぼ全てがリタイアしています。
護ってくれるものがないので、領土的圧力は重くルーマニアにかかって
きます。
・ドイツ:プロエスティ油田が欲しくてたまりません。
このためルーマニアファシズムを強烈に煽ります。
このルーマニアファシズム(「鉄衛団」でしたっけ?)がアントネスク
の基礎地盤です。
結果国内では、鉄衛団と共産主義勢力が暴れています。
つまり国内政治は崩壊寸前で、外圧も内圧も自力で解決できません。
誰かの助けを借りてなんとかしようとすると、この時点ではドイツしか
いないのです。果たして、ドイツはこの混乱を収めてくれました。
ただし、結局昔取った領土は取られてしまうし、ファシスト政権は承認
しなければならなくなったし、治安維持を名目にドイツ軍の駐留を容認
せざるをえなくなりました。
# これは油田の主権をドイツに取られた事を意味します。
・・・・この時点で、ルーマニアに残っているものは国名だけです。
実質的にドイツに占領されています。
鼻息の高いのは傀儡政権のアントネスクだけで、ルーマニア軍の士気は
何処にもありません。
この士気の低さはスターリングラードで独第6軍の壊滅の発端となりま
したし、1944にソ連が国内になだれ込んできてもほとんど組織的な抵抗が
できなかった原因だと考えます。
逆に1944夏の時点での「ファシズム憎し」は相当なもので、王家・軍部
に加えて本来王政と仲が悪いはずの共産勢力までが協同してクーデターを
起こしてアントネスクを失脚させていますし、ドイツ軍との戦闘では自国から
ドイツ軍を追い出すために勇敢に戦っております。
積極的なのはアントネスクとファシスト党だけで、それはルーマニアの
総意ではないのです。
tow
ルーマニアの参戦秘話、奥が深いですね。
東欧諸国の知られざる戦史なんか凄く好きです。
機会があったらまた勉強します。ありがとうございました。
ガッビアーノ