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スペイン、ポルトガルの両国は第二次大戦中に ドイツと親しかったのにも関わらずドイツ側に立って 参戦しませんでしたが、イベリア半島の現代史の本には スペイン、ポルトガルはドイツが同じカトリックの国 ポーランドを侵略したからだと書かれていますが 事実なのですか? ルーデンドルフ |
Sampon
ドイツからのジブラルタル攻撃の要請に、とんでもない条件をつけて、
参戦を回避した外交手腕は
ある意味たいしたものです。
勝井
そのとんでもない条件とは何だったんですか?フランコは「今シェスタの時間だから・・・・」といって時間稼ぎしながら結局参戦拒否したのは聞いたことがありますが。
ぱるぱる
見たことがあります。
スペインに関する本の歴史の一部分に
「フランコ将軍はヒトラーと会談で、
スペインの習慣の昼寝を口実に参戦を断った」と
少し讃えているように書かれていました。
ルーデンドルフ
以下、「実録第二次境大戦2 日本の参戦」(レイモン・カルチェ著、小学館 歴史文庫シリーズ、全5巻)よりの抜粋です。
例の通り、ヒトラーは長口舌をふるった。1941年1月10日をもって開戦するよう求め、ドイツの専門部隊は、ヒトラー自身の発案による特殊な方法で数日で、ジブラルタルを奪取し、スペインへ返還しようと提言した。蒼白な顔になんの感情もあらわさず、腕と脚を組んだままきいていたフランコは、やがて口を開いた。
「もちろん、スペインは国をあげてジブラルタル奪還を望んでいる。だが、この国民的要請はまことに激しいものなので、まさにそれゆえに、ジブラルタル奪還はスペイン人自身の手でなされるべきであり、たとえ友国にせよ、外国からの贈物として受けることはできない。したがって、このためにスペイン軍は、完全に装備されることが必要である。また、栄養失調状態の国民は、適切な食糧を受けて体力を回復しなければならない。これらの課題について、スペインはドイツの協力を期待しているが、相当閣下のいわれるような、短期間での戦闘準備はとうてい不可能である」
フランコは、ヒトラーの欲張った言い分に、負けずに対抗したのだ。だが、ヒトラーは、こういう話を落ち着いて聞いている人物ではない。突然立ち上がると、こんなことならわざわざやってくることはなかった、さっさと帰ったほうがよい、という。フランコは、ヒトラーが落ち着くのを待ち、ふたたび抑揚のない声で話を続ける。ヒトラーはまた立ち上がり、脅迫的に話しはじめる。
「イギリスの情勢は絶望的だ。たとえ少々攻撃が遅れようと、わがドイツの勝利は疑いない。遅れればそれだけより完全なものになるにすぎないのだ」
フランコも負けずに話し続ける。
「たしかにドイツの勝利は事実上きまったが、それはあくまで大陸でのことである。もちろん、つぎにはイギリス本土への侵攻が十分ありうるだろうが、その場合も、イギリス艦隊はカナダへ向かい、イギリス帝国は、アメリカの支持を受けて戦いを続けるだろう。したがって、自国民と歴史に対して責任を負うスペイン国家主席である自分としては、長い戦争を考えなくてはならず、その場合の経費、生ずる危険をよく考慮する義務を持つ。いずれにせよ、ただ休息を願っている国民に戦闘心をかき立てるには、相応の十分な見返りが必要なのだ」
彼は、モーリタニア、モロッコ全土、そしてオラン県をももとめた。つまり、フランス領北アフリカの最良部分のすべてである。しかも、これは、ドイツがフランスに戦いを協力させようとしている時期での要求だった。
討議は7時間を過ぎていた。ヒトラーは、条約案の作成を外務大臣クラスにまかせることにして、会見を打ち切った。会議用車両から外へ出たヒトラーは、カイテルにいった。
「こんな会議をもう一度やるくらいなら、歯を3本抜かれるほうがまだましだ……」
世の政治屋どもにも、フランコの情勢を見る確かな目、はったりをかける剛胆さ、はったりが可能かを見極める計算高さを見習ってほしいものです。
tomo