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250 大日本帝国時代、「天皇もただの人間である」と知っていた人はどのくらいいたのでしょう?
ぱるぱる

  1. 大部分の日本人は、天皇は人間であると知っていたでしょう。特に高等教育を受けた日本人のほとんどは、天皇をただの人間であると思っていたはずです。

    ただし、天皇が人間であるという概念と神であるという概念は矛盾するものではありません。汎神論的な日本の神概念からすれば、人が神として祭られること自体はきわめて自然です(菅原道真も、徳川家康も、佐倉惣五郎もみんな神様になりました)。

    天皇が現人神かという問題は、別の言い方をすれば「科学的には自分たちと同じ人間である天皇に生きているうちに「神」としての資格を与えてやるべきか」という問題です。
    この問題に「イエス」と答える方は、戦前には高等教育を受けた方を含めてかなりいたとは思いますし、今でも一部にいらっしゃるようです。

    まあ、そういう意味では「日本は天皇を中心とする神の国」なのかも知れませんが、そこでいう「八百万の神」の大部分は、村はずれの石ころがご神体になっている小さな祠の神さんで、近くのオバアチャンが毎日掃除して拝んでいるといったものでしょう。あたり前ですがキリスト教的な絶対神ではありません。
    戦前(および戦後)のある種の天皇崇拝のせこい点は、伝統的でカジュアルな神観念を前提に天皇を神にする癖に、天皇が神になった途端に、オーセンティックな西洋キリスト教思想に影響されたとしか思えない、変に強力で絶対的なバタ臭い神様にしちゃうところですね。

    カンタニャック


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